ジークレスト、「アットゲームズ」初のオフラインイベントを開催
「セルフィ」の誕生秘話や秘蔵画像を公開したイベントの様子をレポート

10月25日開催

品川インターシティホール



「セルフィ」が集まる「セルフィタウン」
ジークレストポータル事業部コンテンツ運営グループの大野雄一郎氏
ジークレストポータル事業部コンテンツ開発グループの阿部望氏

 ジークレストは、ゲームポータルサイト「アットゲームズ(@Games)」初のオフラインイベントとなる「アットゲームズファン感謝祭セルフィのハロウィンパーティー」を開催した。当日は曇り模様の天気だったが、会場の品川インターシティホールには200人を超えるファンが行列を作った。

 「アットゲームズ」は30種類以上のゲームをプレイする事ができるゲームポータルサイト。「セルフィ」というアバターを使ったコミュニティが充実しているのが特徴だ。「セルフィ」は顔や髪型、服装を自由に変更する事ができ、コミュニティ空間「セルフィタウン」を自由に移動できる。また「セルピット」というペットを飼ったり、自分の部屋を家具で飾り付けることもできる。この「セルフィ」を使って他のプレーヤーとコミュニケーションを取るチャット機能やSNSの機能が豊富に用意されていて、ゲームポータルという枠を超えたコミュニケーションの場として活用されている。

 セルフィーの衣装はイベントや季節ごとに追加されていて、今回のイベントでも、来場者だけが入手できるハロウィンをイメージした服や帽子、小物などが「リアルガチャ」とゲーム内のミニゲームを模した「リアルセルフィフィッシング」で販売された。

 メインのステージイベントでは、ジークレストのポータル事業部コンテンツ運営グループの大野雄一郎氏と、同事業部コンテンツ開発グループの阿部望氏が登壇して、開発ラフなどを公開した。またタレントの前島祥子さんをゲストに迎えたクイズ大会も行なわれた。ステージで発表された秘蔵画像や、賑やかだった会場の様子などを合わせてレポートしたい。



■ 開発初期のラフ画など、未公開の開発資料を一挙紹介

トークショーで開発初期のラフを公開
「アットゲームズ」には「GAME缶」という前身があった

 イベントは間に休憩をはさんだ2部構成で行なわれた。オープニングイベントとして行なわれたトークショーでは、ジークレストポータル事業部コンテンツ運営グループの大野雄一郎氏と、同じくポータル事業部のコンテンツ開発グループに所属する阿部望氏が登場して「アットゲームズ」の誕生エピソードなどを語った。

 両氏の話によると、「アットゲームズ」は2006年にスタートした当初は“ゲームがいっぱい詰まったオモチャの缶詰のようなサイト”という意味の「GAME缶」という名前だった。しかし海外展開を考えた時にわかりやすい表記にしようという事になり、現在の名前になったのだそうだ。

 「セルフィ」は「アットゲームズ」で作れるFlashで動くアバター。アイコン操作で相手に手を振るなどのアクションをさせたり、コミュニティスペース「セルフィタウン」内を歩き回ったりする事ができる。課金アイテムの服を買って着せ替えを楽しんだり、「セルピット」というペットを連れて歩く事もできる。

 「セルフィ」は当初、オモチャのようなアバター「ToyAvator」という名前で開発されていた。このアイデアをイラストレーターの原田たけひと氏がクリーンアップして原型が完成した。原型はイラストレーターの原田たけひと氏が作成し、その後、漫画家の葉賀ユイ氏やジークレストのデザイナーも加わってバリエーションが作られていった。当初は下着や裸といった姿も検討されていたそうだが、最終的に上下の服を着た姿に落ち着いた。

 「セルフィ」が飼う事のできるペット「セルピット」の開発秘話もあった。「セルピット」は卵の状態から始まり、育てることで幼体から成体へと姿を変える育成方のペット。他の「セルフィ」が連れている「セルピット」とコミュニケーションを取る事もできる。猫や犬に似たものや、魚や悪魔の形まで様々な種類がある。

 トークショーでは、開発初期に出された様々なアイデアのラフイラストが紹介された。イラストがスクリーンにでると、会場のあちこちから「かわいい~」の声が挙がっていた。その後は「おまけ」として、大野氏がスタッフが描いたラフ画やイラストを紹介した。中には、「アットゲームズ」のマスコットキャラクター「ココロ」の、社内限定で作られた幻のぬいぐるみの写真もあった。


原田氏が最初に書き起こした原型。現在のものより、腰を前に出した立ちポーズになっているFlashにする際、線をつなぐポイントの数を減らして動かしやすいモデリングにした原田氏が作った最初の「セルフィ」。実装されたもの、されなかったものがある
原田氏の紹介でスタッフに加わった、漫画家の葉賀ユイ氏が描いたイラスト。当時は下着という概念があったため、イラストの中に下着姿のものがいる当時は裸の「セルフィ」もいた。自主規制でなくなってしまったのだそうだ育成型のペット「セルピット」の開発ラフも公開された
様々な「セルピット」のラフスケッチ「セルピット」が卵から生まれる演出の説明「おまけ」として公開されたパンダ合体の構想図
「アイテム合成所」にいる「フラメル」は最初恋人キャラクターとして考えられていた原田氏が描いたイラスト「魔法少女ビーナスター」というゲームに登場する魔法少女のラフ
ビーナスターとライバルキャラの三面図たオンライン競馬ゲーム「競馬伝説Live!」とのコラボレーションで登場したコスチューム「クイズ:セルフィマスター」のキャラクター比較図
「アットゲームズ」のマスコットキャラクター「ココロ」残念ながらボツになったデザインたちスタッフのお遊び「セルピット」擬人化計画
スタッフによるラフスケッチ幻の「ココロ」ぬいぐるみのデザイン社内用にだけ製作された「ココロ」ぬいぐるみ


■ ユーザーからの質問コーナーでは、気になる「セルつく」の話も

質問は事前にネット上でユーザーから集められた
運営サイドの質問は大野氏が担当
「セルつく」についての質問に、阿部氏は申し訳なさそうに回答

 質問コーナーでは、事前にユーザーから募集した質問に、大野氏と阿部氏が答えた。質問の中には、ユーザー自身が「セルフィ」の衣装を作れるサービス「セルつく」に関するものもあった。「セルつく」はサービス開始当初から目玉企画として紹介されていたが、未だに実装されておらずユーザーの関心も高いようだった。

 質問コーナーの最後に両氏からコメントがあった。大野氏は「アットゲームズはこれからもユーザーの意見を取り入れて、頑張って行きたいと思います」と、阿部氏は「今日は私が代表する形になっていますが、他のスタッフもみんなでアットゲームズを喜んでもらおうと頑張っています。どうぞ今日は楽しい思い出を作って帰って下さい」と来場者に挨拶をした。他の質問と回答は、以下の通り。

Q:「アットゲームズ」の衣装デザインは誰が行なっているのですか?

大野氏: 衣装デザインは、社内のデザイナーさんが行なっています。担当は数名いて、ほとんどは女性です。皆様により良い、可愛い衣装を楽しんでいただくためにかなりこだわっていて、凝ったものですと1着をデザインするのに数日かかってしまう事もあります。衣装製作の流れとしては、運営のスタッフが次はどんな衣装を出せばユーザーの皆様が喜んでくれるだろうと、その時のトレンドや季節感から考えて提案します。グラフィックスデザイナーと打ち合わせを行ないながら進めて行きます。

 企画をするときに1つこだわっているのが、アイテムの構成の中でストーリーをきっちりと考えるという事です。例えば、9月に出た「マジカル☆スター」というガチャは正義と悪の女の子が変身して戦うというストーリーを考えていました。変身という事にこだわりたかったのですが、なかなかいいアイデアがでなくて、衣装全部をチェンジするのも何かが違うと。そこへデザイナーの方から「ヘアスタイルをいじったらどうだろう」というアイデアが出てきまして、それを聞いた時にスタッフ一堂が「それだ!」と喜んで、フルコンプリートのおまけに入れる事になりました。そんな感じに運営スタッフとデザイナーの絶妙なコラボレーションが品質の高い衣装を生み出していると思います。


スタッフが操作する「キャスト」はすべて目の色が左右で違うオッドアイのキャラクターだ

Q:キャストさんはどうしてオッドアイなんでしょうか?

大野氏: キャストは「アットゲームズ」の中で、運営スタッフが皆さんと交流するためのキャラクターです。その運営スタッフのシンボルとして、目の色の違うオッドアイを身につけさせていただいています。当初はあまり目立たないアピールの仕方をしたいという事で、目の色を変えていたのですが、最近はわかりづらいという意見もいただいていますので、近日中にオッドアイ以外のアイテムを付けてキャストが登場する予定もありますので、楽しみにしていてください。それとキャストついでに宣伝ですが、人気キャストの「hina」が開いているコミュニティ「みんなでおしゃべり」にもぜひご参加ください。

Q:「セルつく」は実装されないのですか?

阿部氏: 現在頑張っています。「セルつく」は始まる前から宣伝されていて、実は社内でも毎年「セルつくプロジェクト」が立ち上がっていまして、バージョンも「セルつく3」くらいまでは上がっているのです。しかし、ユーザーの皆様に使い勝手よく使っていただきたいとか、描いたものがそのまま使えるような形にして欲しいという思いもありまして、まだお出しできる状態ではないのが現状です。自分で作りたいという思いは強く受け止めていますので、そこで毎年プロジェクトを立ち上げて頑張っています。

Q:ゲストブックと足あと帳は一緒にならないのでしょうか?

大野氏: 一緒になります。6月末のサイトリニューアルの際に、別々のページになってしまったのですが、その後に戻して欲しいという声をいただきましたので、そこを尊重しました。やはり皆様で作るサイトだと思っていますので、社内会議でもやるということで開発中です。早ければ年内にはお見せできると思います。

Q:「アットゲームズ」のゲームは今後増えますか?

大野氏: 増えます。「アットゲームズ」はこれからもゲームポータルサイトとして頑張っていこうと考えています。現在オリジナルのゲームを複数本開発しています。何本かは来年にもお見せできるかなと思います。詳細は言えないのですが、1人でも遊べるし、みんなで遊ぶともっと楽しいといったような内容になっています。楽しみにお待ち下さい。


質問の周囲にあるのは「ココロ」の初期デザイン

Q:「ココロ」誕生の秘話を教えて下さい

阿部氏: 「ココロ」は皆に愛されるマスコットキャラクターを生み出したいという所から始まりました。当初はお化けのような猫ですとか、チェシャ猫のようなイメージのものもあったのですが、かぶり物が可愛いだろうと言うことから今の形になりました。デザイナーの宇井さんは、この子は「プニャンキ」だと主張していたのですが、ユーザーの皆様から募集した結果「ココロ」になりました。宇井さんは自分で「プニャンキ」という名前で投票していました(笑)。

Q:「セルフィタウン」・「セルフィ」今後の展開は?

大野氏: 2010年に大きく変わる予定になっています。今「セルフィタウン」の改造プロジェクトが極秘に動いています。あまり喋ってしまうと怒られてしまうんですが、タウンのマップについては変更があります。タウンを改造する際には、友達とより楽しく遊べるようになるという事に注力したいと思っています。例えばチャットが便利になって盛り上がったり、タウンに季節があったり、期間限定でしか入れないマップがあったり、そういった事も考えています。このプロジェクトで、「アットゲームズ」が今まで以上に楽しくなるのは確実ですので、楽しみにお待ち下さい。



■ 全員参加のクイズ大会では、まさかの大逆転劇も

タレントの前島祥子さんが猫のコスプレ姿でゲストとして参加し、クイズ大会を盛り上げた
「アットゲームズ」を知り抜いているファンが相手なだけに、簡単過ぎる問題では落伍者0の事も多かった

 第2部のクイズ大会では、○×方式のクイズが勝ち抜き戦で行なわれた。クイズ大会には、タレントの前島祥子さんがゲストで登場。問題を読み上げた。

 第1回戦は、百戦錬磨のユーザーにとっては問題が簡単過ぎるのか、最初の数問では大きく回答が分かれることなく、あまり脱落者を出さないまま進行していた。ところが「セルピットエリア『ゲート』と『庭園』には、花は1つも咲いていない」という問題で異変が発生。この時点でまだ100人近くが残っていたと思われるが、その中でたった2人だけが選んだ回答がまさかの正解。一気に優勝が決まってしまった。

 続く第2回戦は、充当に勝ち抜いていった11人がステージ上で決勝問題に挑戦。見事正解した4人が勝利した。勝ち残った6人には、当日に会場で販売していたガチャなどに入っていたアイテムの中から、好きなものが2点プレゼントされた。出題された問題は「セルフィ」を知っていてもすぐにはわからないマニアックなものだったが、相当数の問題でどちらか一方に人が集まるなど、集まったファンの知識の深さを伺うことができた。



■ イラスト展示やリアルガチャなど、ステージ以外の催しも豊富

 会場内にはイラストが投稿できるコンテンツ「セルフィアートギャラリー」で行なわれた「アットゲームズ3周年記念イラストコンテスト」で入賞したイラストが展示されたていた。また、WebMoneyの守り神「御藝大明神」が出張してきていた。横では、絵馬を奉納した来場者に、プリペイドカードが当たる抽選会も行なわれていた。ジークレストが運営を行なっているオンラインゲーム「トリックスター0 -ラブ-」のコーナーでは、先着50名の購入者だけがもらえる特製アバターが付いた特製パッケージを販売していた。

 だが1番人気を集めていたのは、やはり「セルフィ」のアイテムが入手できる「リアルガチャ」と「リアルセルフィッシング」だろう。「リアルガチャ」は、ゲーム内のガチャマシンにそっくりな本物のガチャマシンを回して、カプセルを手に入れるゲーム。「リアルセルフィッシング」はゲーム内コンテンツ「セルフィッシング」を模して釣り竿でシリアルナンバーの入ったカプセルを釣り上げるゲームだ。どちらも有料のセルフィコインを購入して行なうが、開始直後から長蛇の列ができていた。フルコンプを目指す強者のための大量購入者用カウンターも設置されていた。

 また、会場にはあちこちに「セルフィ」のキャラクターを描いた大きなポップが立てられ、ポップの前で記念撮影をしたり、携帯のカメラにポップを納めている姿を多く見かけた。


休憩時間になるとコイン売り場には長蛇の列ができたゲーム内の遊びを模した「リアルセルフィッシング」は1回500円「リアルガチャ」は1回300円
オンラインゲームの神様「御藝大明神」くじで「WebMoney」のプリペイドカードなどが当たった絵馬に願いごとを託して奉納。ゲームのイベントらしい願いに混じって、就職や仕事のかなり真剣な願いごともあった
「アットゲームズ3周年記念イラストコンテスト」の入賞作が展示されていた「トリックスター0 -ラブ-」コーナーではコスプレで限定パッケージを販売
会場内のあちこちに展示されていた「セルフィ」の特大ポップ


■ 年齢性別を問わない、幅広い層に支持された新しいコミュニケ―ションの形

 アバターコミュニティーサービスのオフラインイベントという、あまり例を見ないイベントにこれほどの人が集まるのは、それだけ「セルフィ」に魅力があるという事なのだろう。来場者はやや女性が多い印象だったが、男性の姿も決して少ないというふうではなく、男女ともに支持されている印象だった。年齢層も中学生くらいの子供から、子連れの主婦らしき人まで幅広かった。

 MMOやMOでは、どれだけ時間を共有できるかがコミュニティの形成に重要な要素となるが、「セルフィ」には広場で同じ時間を過ごす以外にも、お互いの部屋を訪ねてコメントを残したり、SNSにコミュニティを作ったり、持っているアイテムをトレードしあったりという時間差のコミュニケーションが、コミュニティの形成に重要な役割を果たしている。ゲームとSNSを融合させ、両方の長所を活かして成功したゲームとして、今後の「セルフィ」の動きが気になる所だ。


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(2009年 10月 26日)

[Reported by 石井聡]