それは、突然知らされた。
私が Mr.Dに電話をして、遊びに行ってもいいかとたずねたときだった。
「一昨日さ、拳銃強盗に入られちゃったよ。」
目が点とは、こういうことをいうように、私はなんと返事をしていいか一瞬わからなかった。
「えー!本当に?」
「うん。本当だよ。大変だったんだぜ。家族はみんな縛り上げられるしな」
「マジ!? で、どうしたの。大丈夫だった?」
私は、間抜けな受け答えしかできない。
拳銃強盗に入られたこと自体、大丈夫なことじゃないじゃん!
早速、彼の家に行き、詳しく話を聞くと、私にも責任がないでもないことがわかった。
その日、午前中に彼の家に訪れた宅配業者は、ドアを開けた途端にその姿を豹変した。
Mr.Dの家は、まず鉄柵の扉があり、そこに入るためには呼び鈴で、家の者を呼び出さなければならない。
そのときには、当然モニターカメラで確認される。
その後、玄関の扉に向かい、中から鍵を開けてもらわなければならない。
Mr.Dは、変装した強盗に、まったく不審を感じなかった。
ドアを開けると、4人の人間が拳銃を手に押し入ってきた。
たちまち家族はロープで縛り上げられ、Mr.Dは拳銃を突きつけられて、金のありかを執拗に聞かれたそうだ。
Mr.Dは家に現金を持たない。
持っていても、周到に隠しているために、簡単に見つけ出すことはできない。
案の定、強盗たちは家捜しを始めるが、銀行通帳を見つけても、そこにはたいした金額は入っていない。
部屋の中に無造作に置かれた絵が、とんでもない金額のものであっても、彼らにはその価値が理解できない。
結局、財布の中の数万と、信じられないことに、やつらの1人が銀行カードを持って、Mr.Dから聞き出した暗証番号のメモを持って銀行まで行き、40万円を奪って帰って行った。
まったく割の合わない強盗である。
拳銃は本物のようだったという。
拳銃強盗は、捕まれば10年はくらうリスクの高い犯罪だ。
すべて日本人。中には20代と思われる若い男もいたそうだ。
みんな、顔を隠すことすらしなかったという。
おかしい・・・・?
Mr.Dが絶対に警察には届け出ないと確信しているかのようだ。
もしくは、届け出たとしても、絶対に捕まらないと確信しているかのようだ。
彼らは、Mr.Dを脅すときに、「ルーレットで10億も稼いだそうじゃないか。どうせ、表に出せない金だろ」などと口走っている。ほかにも、このサイトで明らかにしていたことを、Mr.Dが金を隠している証拠として口にしていた。
どうやら、このサイト、Win&Loseを見て、強盗を思いついたようだ。
Mr.Dは、まだ警察に届けていないと言う。
私は、激怒していた。
Mr.Dが警察に届け出ないだろうと高をくくって犯した犯罪なら、警察に届け出るべきだと考えた。
「Mr.D!警察には届けたほうがいい!」
私は、強くMr.Dに勧め、翌日、彼は警察に被害届けを提出した。
当然、銀行のキャッシュディスペンサーでお金を引き出す犯人の顔は、監視カメラで記録されていた。
しかし、ここからがまた妙なのである。
警察は、Mr.Dがやつらと同業の人間ではないかと考えたような気配があるのだ。
その結果、捜査はおざなりで、写真まであるのに全国手配になった様子もない。
事件そのものさえ、なかったかのような感じである。
私は、彼からこのサイトを中止して欲しいと要請された。
当然だろう。私も同意してこのサイトの公開を中止した。
その間に、私のPCもクラッシュと機種変更を繰り返し、そのうちにバックアップしていたこのサイトのデータも消えうせてしまった。
最近になって、この拳銃強盗の裏で絵を描いただろうと思われる男が、誰なのかということもなんとなくわかってきたのだが、今となってはそんなことがわかっても意味もない。
Mr.Dとは、このことばかりでなく、いろいろとあって今では交流はない。
では、なぜまたこのサイトを公開する気になったのか?
それは、石原都知事のお台場カジノ構想に端を発する。
もともと、日本にもカジノを作ろうという動きは沖縄の特区構想の中から生まれていた。
石原都知事が、再度知事選に出馬するのかといった時に、かって、政界の暴れん坊と言われたハマコーこと、浜田幸一氏は、「石原はお台場にカジノを作るまで知事を辞められない」と言っていましたが、私も、そうなのではないかと思っています。
と、いうことは、お台場カジノは石原都知事再選とともに急速に推し進められるのではないかと予想できる。
さて、お台場にカジノができたとき、その管理や運営、そしてディーラーたちはどのようjにして調達されるのだろうか?
アメリカのカジノ業界は、日本のカジノ解禁に対して、積極的にロビー活動を行なっている。
さて、日本のカジノ事情はどうなっていくのか。そして、お台場カジノにも伝説的なギャンブラーが登場し、信じられない金額を一夜にして失い、これまた伝説的な敗北者の名が語られることがあるのでしょうか。
いずれにしても、私の興味と興奮は収まりそうもなく、このサイトでみんなと一緒にギャンブルの醍醐味を味わいたいと思うのです。

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