国道で約11キロにわたってあおり運転をされ、精神的苦痛を受けたとして、徳島市内の男性が阿南市内の男性に慰謝料など約146万円を求める訴訟を徳島地裁に起こした。提訴は7月27日付。

 訴状によると、原告は昨年2月24日午前10時50分ごろ、小松島市大林町の国道をバイクで南進中、運転の仕方を挑発行為だと勘違いした被告に、車間距離を1メートル程度まで詰められた。時速70キロで走行していた原告は、振り切ろうと一時100キロ超まで加速したが、被告は突然、車線変更をして前方に割り込むなど危険な運転を続けたとしている。

 その後、停止した交差点で「どんな運転しよんな」「降りてこい」などと怒鳴られ、バイクごと路上に引き倒され肩を2回殴られた。原告は骨盤の打撲や肘の捻挫などのけがを負った。

 被告の急な車線変更や車間距離を詰めるなどの行為は、改正道交法で厳罰化された行為に該当するとし、「施行前の事件だが、被告の運転が道交法に違反するものであったことに変わりはない」と主張している。

 被告はあおり運転後の暴行行為により、傷害と器物損壊の両罪で同年11月26日付で起訴され、12月4日に阿南簡裁で罰金20万円の略式命令を受けた。