信長(染谷将太)が今川義元を討ち果たした桶狭間の戦いから4年。京では三好長慶(山路和弘)が権力を掌握し、将軍・足利義輝(向井 理)は完全な傀儡(かいらい)に成り下がっていた。すっかりやる気を失い別人のようになった義輝の話し相手として、藤孝(眞島秀和)らの画策で京に呼ばれた光秀(長谷川博己)は、将軍の力を取り戻すため、いま勢いに乗る信長を上洛(じょうらく)させてみせると約束する。一方、駒(門脇 麦)は、新しい薬の製造をめぐって東庵(堺 正章)と言い争いになり、診療所を飛び出す。伊呂波太夫(尾野真千子)と共に訪れた大和で、駒は貧しいものたちに施しをしている僧・覚慶<のちの足利義昭>(滝藤賢一)に関心をもつ。
『麒麟がくる』をより楽しんでいただくために、ドラマ上の設定や展開、世界観をわかりやすく解説します。
このころ権威が失墜し政治的実権もなかった足利将軍家と幕府は、すでに朝廷を支えることができませんでした。そんな将軍家や朝廷が頼る先は、下剋上(げこくじょう)が横行する戦国の世で台頭してきた経済力・軍事力がある有力戦国大名たちでした。
当時、年号を改める「改元」は天皇が即位するときのほかにも、吉兆や凶事・天災や飢饉(ききん)・疫病の流行などをきっかけに時代をリセットする意味も込めて、一人の天皇が何度も行うことがありました。
劇中で、関白・近衛前久が将軍・義輝に促していた「60年に一度の“甲子(きのえね)の年”の改元」もその一つです。
「改元」のときには、慣例として代々将軍家が「帝(みかど)へのお伺い」をたててから執りしきる習わしでした。
しかし、義輝が固執していた6年前の正親町天皇即位の「永禄」改元は、義輝が近江・朽木に亡命中でその習わしが実現不可能だったため、年号は改元されましたが、室町期で将軍家が関与しなかった唯一の改元となりました。
第二十三回義輝、夏の終わりに2020年9月6日
第二十二回京よりの使者2020年8月30日
第二十一回決戦!桶狭間2020年6月7日
第二十回家康への文2020年5月31日
第十九回信長を暗殺せよ2020年5月24日
第十八回越前へ2020年5月17日