こんにちは。浅野 正憲です。
産業翻訳者として活動しながら、翻訳者を育成し、様々なテーマでブログを発信しています。
ブログを発信する中で、あまり僕自身のことを書いていなかったなと感じました。
なので今回は、僕がフリーランス翻訳者になるまでに味わった挫折や苦悩をお話ししていこうと思います。
なぜ、フリーランス翻訳者になろうと思ったか
まず、僕がなぜ「フリーランス翻訳者になろう」と思ったかを話してみたいと思います。
僕は大学時代に元いた大学から別の大学へ編入したのですが、その時の編入の入試科目が「英語」と「経済学」で、英語は「英語を日本語にする」、いわゆる英文和訳でした。
その大学編入試験で英文和訳(英語を日本語にする)の勉強を2年間近くやり、しかもそれがすごく楽しかったので、
「これをあともう少し勉強すれば翻訳者になれるんじゃないか?」
と思ったのがきっかけです。
何がそんなに楽しかったかというと
「英語を意味の通ったきれいな日本語にできた」
というときがなんだが自分の作品ができたようで、なんとも言えず快感だったのです。
また、そのときに英語を教えていただいていた先生が副業で翻訳をやっていたことも影響していると思います。
これが、僕が翻訳者になろうと思ったきっかけです。フリーランス翻訳者になるまでに味わった挫折と苦悩とは
就職活動では、英語が好きだったので最初は安定した公務員で英語教師がいいかなと思ったのですが教育実習に行ってから「これは自分には向いてないな」と思い、普通に就職活動することにしました。
僕は就職活動で「英語を活かした仕事をしたい」「翻訳者になりたい」という思いが強く、いろいろ試行錯誤したのですがなかなか思うように進みませんでした。
まずフリーランスの翻訳者になるために、情報を集める工夫をしました。
ですが、「翻訳者になりたい」と思ったときにまず直面する問題というのが”相談できる人がいない”ということでした・・・
大学時代に就活をしているときに
「フリーランスの翻訳者になりたいんです」
と大学のキャリアセンターやハローワークに相談したのですが、
みんな相談しても
「そんなの現実的じゃない」、「やめておきなさい」、「翻訳者は安定してない」
と、大した情報も持っていないのに
イメージだけで「なれない」「安定してない」というようなことばかり言ってきました。
僕は本気で翻訳者になりたいと思っていても、キャリアセンターやハローワークの人は
「相談に来た人を就職させる」
のが仕事なので、現実的にみんながなっているような無難な職業になることしか勧めません。
その次に、僕がどうしたかというと【通訳翻訳ジャーナル】などの雑誌を読んで、
巻末に載っているスクールを探して電話したりスクールまで足を運んだりして相談しました。
最初に相談したスクール(Ⅰ社)で相談した方は、もともと翻訳者として働いていて今はスクールの講師をされていた方でした。
その方からは
「翻訳者になんかならない方が良いですよ。会社員になった方がいいです。」
と言われたのですが、今から思うとこのスクールの方はまだ良心的だったかなと思います。
なぜかというと、僕はこの後に他の翻訳スクール(A社)の講座を受けたのですがそのスクールを受けたおかげで翻訳スクールでは基本的にプロになれないというのを痛感したからです。
僕が受講した他の翻訳スクールの惨状をお話しますと、
講座が始まって2年以上経った後に一緒だった受講生の方と連絡を取ってみたのですが、
誰一人プロになれていませんでした。
しかも、スクールの講師は翻訳ソフト(tradosなど)もまともに使えない弁理士((tradosというのは翻訳する際に使う翻訳ソフトです。)。
スクール主催者は翻訳の仕事をしたこともない素人で、2年以上経っても誰もプロになれてないという講座にもかかわらず本気で自分のスクールでプロになれると信じているという能天気っぷりでした。
そのスクールの主催者の人に
「誰もプロになれてないんですが」
と少し苦情のように言ったことがあるのですが
「みなさん忙しいから受からないのは当たり前だ」
と反論されました。
普通なら受講生をプロにするのがスクールの存在意義だと思うのですが
「講座を受けてもプロになれないのは当たり前だ」
みたいな開き直りをされて心底呆れてしまいました。
また、当初はいきなりフリーランスで働くことに抵抗があり、
翻訳会社や特許事務所への就職を考えていて、
スクールを受ける前の話だと
「うちのスクール卒業と書いていれば書類は通るから」
「うちのスクール卒業と書いていれば業界内では一目置かれる」
などといった、うまいこと乗せるようなことを言われたのですが
実際は翻訳会社にそのスクール卒業と書いて履歴書を送っても書類すら通りませんでした・・・
このような感じで、僕の就職活動では「英語を活かした仕事をしたい」「翻訳者になりたい」と思っていろいろ動き回っては見たのですがなかなかうまくいきませんでした。
そして、翻訳スクールに通いながら手を出したある教材との出会いにより、
僕の翻訳者になるという夢への道のりが劇的に進み始めます。
転機~僕をフリーランス翻訳者に導いてくれたもの〜
僕がフリーランス翻訳者になる転機となったのはある情報商材との出会いです。
その情報商材は「特許翻訳」をメインテーマとして扱っている講座でした。
その情報商材では
「プロが翻訳していく様子をビデオで解説する」
というスタイルだったのですが、
この「プロが翻訳している様子が見れる」、というのが僕の今までの勉強方法を劇的に変え、効率的に勉強が進むようになりました。
翻訳スクールでは「課題を自分で訳す」ということをして、講師が「添削する」というスタイルなのですが、これだと「プロが訳文を作るプロセス」がまったくわからず、添削を受けても自分でどのように訳せばいいのかがまったくわかりません。
この状態がこの情報商材との出会いで解消され、「翻訳ってこうやればいいのか!」というのがわかり、それを真似して自分で特許庁から英語と日本語のペアの特許明細書を取ってきて真似して必死で翻訳の練習をしました。
そして、1年後には翻訳会社さんの「トライアル」に合格し、
見事、フリーランス翻訳者としてプロデビューすることができました!!
この経験から、
「プロの翻訳者が翻訳しているプロセスを見て、真似をする」
のがプロの翻訳者になるための最短ルートなのだと気づきました。
その経験が今の講座に活かされており、1年で約200名のトライアル合格者の輩出することができました。失敗の経験が今となっては誰かの役に立っていて本当に嬉しいです。
最近では、受講生さんがトライアル合格までの最短記録を更新されました!
もっともっと多くの翻訳者デビューをサポート出来るように精進します。