京都丹後鉄道・丹後由良駅(京都府宮津市由良)が、旧海軍の艦艇をモチーフにした人気ゲーム「艦隊これくしょん―艦これ―」のファンの交流の場となっている。駅舎内に置かれた「駅ノート」に、訪れた人がキャラクターの絵などを描いている。地域の行事に参加するファンもおり、由良の盛り上げに一役買っている。
「艦これ」は、艦艇を女性に擬人化したキャラクターを集め、艦隊を組織して敵と戦うシミュレーションゲームで、大正期に建造された軽巡洋艦由良がモデルのキャラクター「由良」が登場する。数年前から艦ゆかりの由良神社が「聖地」となり、「提督」と呼ばれるファンたちが清掃活動などを行ってきた。
神社最寄りの同駅舎内に2017年7月から置かれている駅ノートには、3冊にわたって「由良」のイラストや由良神社に訪れた感想などが書き込まれている。ノートを管理する、待合室に併設するカフェ「由良舎楽 駅カフェアンシャーリー」のオーナー日比道栄さん(56)は「ファンの人が由良神社に参拝するついでに寄って、絵を描き始めたのでは」と話す。
同カフェにも19年の7月ごろから「由良」のファンが集まり、現在はファンに提供されたグッズやポスターなどが所狭しと飾られている。隣市の舞鶴市などでイベントがあった時は300人以上のファンが訪れたという。
一部のファンは、昨年10月に行われたオリーブ祭りや、7月の海水浴場の清掃活動などに参加し、地元と交流を深めている。日比さんは「高齢化の進む町で、行事に参加してくれるファンの人たちには感謝の気持ちでいっぱい。艦これも地域も一緒に盛り上がっていけたら」と話していた。