「定額制PCR検査受け放題プラン」に大反響 過熱化する検査ビジネスに医師会は懸念
新型コロナウイルスの拡大にともない、民間企業が続々と検査ビジネスに参入している。8月には日本初となる企業向け「定額制PCR検査受け放題プラン」も登場した。だが、加熱する検査ビジネスには日本医師会(日医)から疑問の声も上がる。
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「予想以上の反響です」
そう語るのは、医薬品輸入会社「メレコム」の中川隆太郎代表。サービス開始から数日で、メールや電話などの問い合わせが千件以上寄せられたという。契約数は約60社(8月31日時点)に上り、学校法人や観光・交通系、イベント系、芸能プロダクションなど、在宅勤務の困難な業種からの問い合わせが多いという。
「契約企業には、社員数が数百人規模の会社もある。事業規模の大きな会社ほど、単発の検査を受け続けると費用が膨大になる。そうした企業には受け放題プランの方がメリットが大きいと考えました」(中川氏)
PCR検査(保険適用外)の1回あたりの相場は、およそ3万円前後。一方、同社のサービスでは、月額13800円で受け放題となる。ただし、1人につき検査は2週間の間隔をあけることが条件。たとえば、8月1日に検査を受けた場合、15日、30日と月に3回までが上限となる。
「限界に近い価格設定にしました」(同前)
同プランでは原則、無症状の人を対象としている。出張前など、仕事先で安全であることを証明する目的での利用を想定しているという。
また、契約対象はあくまでも「法人」のため、個人での契約は受け付けていない。あえて企業を対象にした理由については、グループ会社で産業医と企業をつなぐ事業を展開していることから、「企業活動をサポートしたい」という思いが強いという。
「関連クリニックの患者には、タクシーや旅行業界の従事者が多く、自分は大丈夫だろうかといった不安の声が聞かれました。そうした方々の不安を和らげて、働く人を応援したい。企業活動が停止すれば、日本全体が止まってしまいますから」(同前)
だが、民間の検査キットには批判的な意見もある。