世界保健機関(WHO)は3日までに新型コロナウイルス感染症の重症患者を対象に、ステロイド薬を使うことを推奨するガイドラインを公表した。大規模な研究で有効性が確認されたため。新型コロナの治療薬として選択肢が増えると期待される。
ステロイド薬の投与をめぐっては英オックスフォード大学が6月、ステロイド薬の「デキサメタゾン」が重症患者の死亡率を下げるとする研究結果を発表していた。これを受けてWHOのワーキンググループは大規模な研究を実施して結果が米医学誌に2日掲載された。
研究では、複数の国で実施された7つの臨床試験に参加した約1700人の重症患者のデータを分析した。その結果、デキサメタゾンに加えて、抗炎症薬「ヒドロコルチゾン」と「メチルプレドニゾロン」を含めた3種類の副腎皮質ステロイド薬で、投与しない場合よりも死亡率が下がった。
ただWHOは公表したガイドラインで、重症でない患者は効果が期待できず副作用の可能性もあると注意を促している。
日本ではデキサメタゾンについて新型コロナウイルス感染症の治療薬として7月に認定している。