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新型コロナを「静かに広げる」子供、見つけるには広範な検査必要

  • 新型コロナに感染した子供の5人に1人は無症状-研究
  • 症状のある子供だけを検査すれば、感染者を見落とす恐れ

新型コロナウイルスに感染した子供の大半はごく軽症にとどまり、広範な検査が実施されない限り感染者が見落とされるリスクがあると、韓国の研究チームが指摘した。

  米医師会の小児科学専門誌「JAMAピディアトリクス」に28日掲載された論文によると、韓国は新型コロナの制御に向けて感染が疑われる人の集団検査や患者隔離、感染経路の追跡を行っているが、感染リスクのある子供の約7割で症状が悪化しなかった。実際、症状のある人の検査だけが重視されていれば、小児患者の93%が感染を見落とされていた可能性があるという。

  韓国カトリック大学のキム・ジョンヒョン氏らの報告によると、早期検出に向けた広範な検査「以外に良い代替策はない」ことが研究結果で示唆された。米疾病対策センター(CDC)が先週、新型コロナ検査の指針を変更し、無症状の人の検査は必要ない可能性があるとした米国では、これは難しい可能性がある。

  ワシントンのチルドレンズ・ナショナル病院のロベルタ・デビアシ、ミーガン・デラニー両氏は論文に付随する文書で、「症状のある子供だけを検査する監視戦略は、地域や学校で活動する間にウイルスを静かに広げる子供を見つけられないだろう」と指摘した。

  研究チームは2月と3月に韓国の22カ所で、検査で陽性となり入院または隔離された19歳未満の子供91人を検査・追跡した。その結果は次の通り。

  • 22%が無症状
  • 41%にせき
  • 30%に38度を超える発熱
  • 29%が喉の痛み
  • 27%に鼻水
  • 12%が下痢
  • 12%は味覚喪失
  • 51%が「軽症」
  • 22%が「中等症」
  • 2%が「重症」
  • 集中治療が必要な患者はいなかった

原題:
Extensive Testing Needed to Find Kids ‘Silently Shedding’ Virus(抜粋)

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