今年6月、持続化給付金事業において電通との“癒着”が批判を浴びた経産省・中小企業庁。「中小企業・事業引継ぎ支援事業」の業務に関して、
「事業引継ぎ支援事業」は、
関西の事業引継ぎ支援センター職員が匿名を条件に明かす。
「今年4月末、中小企業庁から『ビズリーチ・サクシード』という会員制サイトと連携してください』という要請メールが届きました。テレビCMで有名なビズリーチのグループ会社が運営するM&Aのマッチングプラットフォームで、買い手から手数料をとるビジネスモデルです。同じような事業者は何社もあるのに、なぜビズリーチ1社だけを優遇するんだ、と全国から批判が続出しました」
すると7月15日、経産省のホームページに〈事業引継ぎ支援センターと連携を希望するM&Aプラットフォームの募集を行います〉というニュースリリースが突如公開された。
「実は、すでにビズリーチは5月中に各支援センターとの連携について合意を結んでいました。ところが、その後すぐに中小企業庁長官・前田泰宏氏の“前田ハウス”問題が発覚し、国会では野党の追及が強まっていた。中小企業庁は支援センターとの連携以外にも、ビズリーチと合同でオンラインセミナーを開催したり、前田長官がビズリーチ創業者と対談したりするなど、かなり懇意にしています。そこで、警戒感を覚えた経産省が、急遽公募に切り替えて体裁を整えたようです」(商工会議所関係者)
ビズリーチのグループ会社に聞くと、事実関係を認め、「中小企業庁様から問題がない旨の明確な回答を得ています」と答えた。
経産省にもビズリーチ優遇疑惑について尋ねると、要請メールの内容を認めた。ただ、「特定の企業を優遇という指摘は当たらない」「当初から複数のプラットフォーマーと意見交換を行っており、ビズリーチ・サクシードとだけ連携を行おうとしていたわけではありません」とし、7月の募集は「より透明性を高める観点から、改めて募集を行っています」と回答した。
9月3日(木)発売の「週刊文春」では、中小企業庁が全国の事業引継ぎ支援センターに送った“要請メール”の内容、経産省とビズリーチとの関係、前田長官の近況について詳報する。
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