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リフォームを行われる方のお悩みに多いのが「和室を取り入れるべきか」、「もとあった和室を洋室に変更すべきか」というものがあります。
和風建築は長年日本人の生活様式に寄り添ってきたものですが、近年は西洋風を意識した現代建築が主流になってきているため「和室は現代建築に合わない」、「和室は使う機会がない」と考える方もいらっしゃるかと思います。
しかし、実は和室にはたくさんの便利な利用方法があり、かつ機能性が兼ね備えられています。
和室は現代建築に合わないのでは…という問題もリフォームする際のデザインや用いる素材を工夫することによって簡単に解決することができますのでご安心ください。
今回は和室にリフォームする上で得られるメリットと上手なリフォーム方法についてご紹介させていただきます。
近年では多くの施設や新築物件が洋風の現代建築を取り入れており、私たちはその生活に深く馴染んでいます。
そのため和室を利用するとなると、「どんなふうに利用していいのか分からない」という声もよく聞きます。
実は和室にはさまざまな利用方法があり、お家に一部屋あるだけで大変重宝するのです。
では、リフォーム時に和室を取り入れることで得られるメリットをみていきましょう。
和室といえば、落ち着く・和むというイメージでを持たれる方が多いのではないでしょうか。
古くから日本で用いられている和室は日本人の肌に合っている建築様式のため、落ち着くと感じらる方が多いのでしょう。
また、和室の大きな特徴である“畳”は踏み心地がよく、いぐさのいい香りは心を落ち着かせてくれる効果があります。
畳は調湿性にも優れているため夏は涼しく、冬は暖かくとお部屋を快適な空間へ導いてくれます。
意外な組み合わせかもしれませんが、和室は家事や子育にぴったりなお部屋です。
和室は畳が敷いてあるため、お洗濯物を取り込んでその場で座って畳むことができますし、アイロン台を持ってくれば座りながら簡単にアイロンがけができます。
子育て中の方の場合は赤ちゃんのおむつを替えるのに和室は絶好のスペースとなります。
また、畳は吸音性にも優れているため、お子さんのの足音や泣き声を吸収し外に広がらないようにしてくれるのもうれしい点です。
何より天然素材であるいぐさは子ども達にとって優しい素材でもあります。
急な大人数の来客があった場合、洋室の場合イスが足りずに困った思いをしなければなりませんが、和室ですと座布団を用意しておけば簡単に対応することができます。
また、来客された方が宿泊される場合にも和室はゲストルームとして活用可能ですし、和室にお布団を敷くだけでそのまま休んでいただくこともできます。
現在、両親と同居していなくても、もしかしたら将来同居されることもあるかもしれません。
そんな時に和室があればご両親のお部屋として生まれ変わることもできます。
現代のお家の多くは洋風建築のため、洋室と和室の組み合わせに違和感を覚える方も多いかと思います。
また、現在ある和室が他のスペースと調和していないためリフォームをしたいということもありますよね。
一見正反対とも言える洋室×和室の組み合わせは、デザインと用いる素材を工夫することで調和のとれたスタイリッシュな空間へと生まれ変わることが可能なのです。
具体的な方法についてお話していきましょう。
「和モダン」という言葉を聞いたことがありますか?和モダンとは簡単にご説明すると「和」風建築と現代風の「モダン」建築を融合させた建築スタイルです。洋風の現代建築スタイルに和のテイストを取り入れるため、互いがケンカし合わずに調和のとれた新スタイルが叶うのです。
また、同じようなデザインであっても用いる素材によってその表情は大きく変わります。
自然の風合いがいい具合に残された無垢材や漆喰は、どのテイストのデザインとの相性もよく建築様式を選ばずに使用することができるため和モダンデザインに最適な素材です。
これらを用いれば、互いが調和するだけでなく、よりスタイリッシュな仕上がりとなります。
先程、自然素材について触れましたが和室リフォームの際、特におすすめしたいのが『漆喰』という素材です。
なぜ漆喰がおすすめなのかといいますと、漆喰は建築様式を選ばず使用することができ、和モダンデザインとの相性も抜群だからです。
さらに漆喰にはデザイン性だけでなく、用いることで得られるメリットがたくさんあります。
デザイン性だけでなく、機能性、快適性を兼ね備えたお部屋作りを行うなら漆喰を用いたリフォームがおすすめです。
漆喰は日本でも古くから建築に用いられている塗壁材です。お城や古い蔵の壁をイメージしていただければわかりやすいかと思います。
消石灰を主な原料としており、その中に糊(のり)やスサ、そして水を入れて練った物を壁に塗っていくことで漆喰の壁が出来上がります。
日本では昔から「左官屋さん」と呼ばれる職業がありますが、左官屋さんは漆喰を壁に塗る職人さんのことです。
コテを使い壁の表面を美しく整えたり、デザイン性に富んだ模様を壁に形作ることもあります。
漆喰は100%天然素材のため人や環境に優しい素材です。また、それだけでなく漆喰には素晴らしいメリットがたくさんあります。どのようなメリットがあるのかというと
・調湿性に優れている
漆喰は調湿性に優れており、夏は湿度、冬は乾燥からお部屋を守ってくれます。昔からある蔵に漆喰の壁が用いられていたのは中の湿度を調整することにより収蔵品を湿気から乾燥から保護するためだったといわれています。
お部屋に漆喰と取り入れることでいつでも快適な空間で過ごすことができます。
・脱臭性がある
漆喰は強アルカリ性の素材のためお部屋の中の生活臭を分解し抑制してくれる効果があります。
特にペットを飼われている方は、どんなに気をつけていてもペットの臭いがお部屋にこもりがちになってしまうので漆喰壁を用いて臭い対策をされているという方も多いです。
漆喰を用いることで、お部屋の空気をクリーンにしてくれます。
・耐火性がある
漆喰壁には耐火性もあります。もし、火災が起こり壁に火が燃え移ってしまった場合、通常の壁紙は防火素材でなければたちまち火がお部屋中に燃え移ってしまいます。
しかし漆喰は消石灰を主原料としているので燃えることなく、火が広がりにくいという性質があるのです。
・防音性
消石灰=石の仲間からなる素材のため、石のペーストを塗り込んだ壁は防音性に優れています。外に音が漏れにくく、内部の音の反響がよくなるためスタジオスペースの壁材として使用されることもあります。
・有害物質を吸着する
最近多く問題になっている「シックハウス症候群」。漆喰はシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒド成分を吸着するという特性を持っています。更に素晴らしいのは吸着するだけでなく、再放出する心配もないということ。小さなお子様がいらっしゃる方やアレルギーをお持ちの方におすすめです。
・メンテナンスが必要ない
漆喰は日本の和風建築で多く使われていますが、世界的に見てもその歴史は長く深いものがあります。エジプトでは5000年前に作られた漆喰壁が現在に未だ存在します。雨風に晒されても経年しても劣化することのない耐久性を持っているため、特別なことが無い限りはメンテナンスが必要なく、長く使い続けることができるのも漆喰ならではの特徴です。
漆喰はさまざまな建築様式との相性がいいので、漆喰を用いるだけである程度の調和をとることが可能ですが、漆喰の取り入れ方を工夫することによって更に素敵な和室リフォームを行うことができます。
次は、リフォーム時における漆喰の上手な取り入れ方をご紹介しましょう。
・仕上げパターンにこだわる
左官仕上げは、漆喰の壁にデザイン性あふれる凹凸模様を施すことができます。シンプルな均一模様、波模様、縞模様などさまざまです。
仕上げのパターンを少しこだわることでお部屋にメリハリや個性をもたせることができます。
・カラー漆喰を取り入れる
漆喰=白いイメージが大きいですが、他にも色とりどりのカラーがあることをご存知でしょうか?
お家やお部屋のイメージカラーに合わせた漆喰カラーを選ぶことによって他のお部屋と調和しやすくなる他、デザイン性にこだわることもできます。
隣接するお部屋の壁紙に合わせて配色するのがおすすめです。
・隣接するお部屋同士を漆喰壁で統一する
隣接するお部屋同士を漆喰の壁にすることでお部屋に統一感が生まれ調和を保つことができます。
また、漆喰のメリットをお部屋全体に生かすことができ、いつでもお部屋の空気はクリーンな状態で快適です。
また、最近では洋室に畳コーナーを設けられるお宅も多いですが、そういった場合にも、漆喰の壁を畳コーナーと隣接するお部屋で統一すれば簡単に調和をとることができますし、一段垢ぬけた素敵なお部屋へと生まれ変わることができます。
いかがでしたか?
和室の有無はリフォーム時のお悩みに多いご相談ですが、和室には取り入れてうれしいメリットがたくさんあります。
また、和室はデザインや用いる素材を工夫することにより、洋風建築をはじめとするさまざまなテイストの建築様式との調和が可能です。
中でも漆喰を壁に取り入れる方法は、簡単に調和を取り持つことができますし、漆喰自体にも素晴らしいメリットが多くあるためおすすめな方法です。
和室+漆喰の組み合わせは、機能性+快適性+デザイン性を兼ね備えたおすすめな提案ですので、ぜひ一度ご検討してみられてはいかがでしょうか。