某合作への参加、及び制作お疲れ様でした、皆さんの協力を得て非常に素晴らしい作品になったと思います。
さて、今回の合作はアイ/マスでは前例がほぼない合作形式でありチャレンジ精神あふれるものであったため自分自身でも、右往左往していたわけでありますが、今回の合作で浮き彫りになった課題とその解決方法の模索をするべきことを忘れないように書き残し、いずれ同じような合作を企画された時に助けになればと思います。
【合作制作過程の振り返り】
①企画の概要がガバガバ
年末年始の時点でこういう合作がしたいなと某静止画MADの人と話し合っておりその時に合作概要が短すぎて不透明と色々指摘を受け、直したわけですがそれでもまだ足りなかったと思います。例をあげるとすれば、その一つがこの合作はシャ/ニマスMADを代表する合作になることをもっと強調すべきだったというものです。人によってモチベの差が極端にあったのはこの辺が原因だったと思います、感動する真島茂樹合作のような限られた層に向けた合作ではなくたくさんの視聴者に見られることを前提としていたことをもっとわかりやすく概要で説明する必要があったのではと反省しています・・・。
②参加者の編成
リスクを承知で公募しました、とはいえ公募で来た初見の人は5〜6人であり、実はほとんどが呼んだ人です。音MAD方面は自分の判断でなんとかなりますが静止画MAD方面は実力と信用度がさっぱりわからずなのでそっちの人は某静止画MADの人にリストを作ってもらいそこから呼びかけていきました、ミリオンの企画運営で忙しかった中ありがとうございます。
公募に踏み切った理由は単純に人が足りなさすぎるのもありますが動画界において新人の活躍の道を閉ざすわけにはいきません。また、熱意なら誰にも負けないくらいあるのに技術がなくて参加させてもらえないというのはかつて自分が通った道であり、そんな悲しき負の連鎖を他の人にさせたくなかったからです。
だったら自分が1から初心者や新人を教えこみ他の作者と遜色ないくらいに底上げします、3月~6月にかけて素材集めと平行して動画すら作ったことない人ですら戦力になるレベルまで指導しました。
ただ・・・今回は公募で何も問題が起こらなかったのでいいですがこれは結果論でしかないと思います、公募で来た人が軒並みSSRだったに過ぎません。つまり、再現性がない。
こういった1パート1パートに責任を伴うメドレー式合作において信用できる人かどうかわからない人を多く編成するのはリスクがでか過ぎます。それに加えて公募で来た人が初心者だらけであれば自分が初心者や新人に指導できるキャパにも限りがありますし、絶対になにかしらの問題が起こっていたと思います。
対策としては公募するなら何名までと予め決めておき、早めにに公募を締め切る、または合作制作終盤に足りない分だけ公募で埋めるといったように、リスクを減らすくらいだと思います。技術的な部分は参加のために実力制限をかけたり、個人作を見ればこちらでも判断できるのでリスクを減らせますが、締め切りを守れるか、失踪せずちゃんと連絡をしてくれるかは初見の人だと分からないのでほぼ判断できません。
③メドレー選曲
選曲に関わりたい人が集まって会議でポンポン出したものを一度絞り、その後メドレー作者に曲繋ぎの音楽理論からうまく繋げられるように選んでもらいました。方式自体はこれで問題ないと思います、問題があったのは選曲に関わりたい人が音MAD作者しか集まらなかったところです。結果的に9割が音MAD曲というもはや自分の知らない曲がひとつもないレベルで偏りました。しかし、ニコマス系の人らがどのような曲が好きなのか想像出来ず、とはいえさすがに配慮せずに選曲するわけにはいかない、そこでとった手段が1パート自体を10〜20秒と短くし、たくさんの曲を用意すればさすがに一つくらいはやりたい曲が引っかかるだろうという作戦でした。
しかし、これが後々パート埋めで問題を起こしてしまったのです。
④パート決め
一度アンケートをとりました、最大いくつパートを持てるかと第一希望から第四希望までです。また、音声映像どちらかのみがいい人もここで聞きます。
ここも自分は甘く見てました、端的に言うと運営サイドがこの参加者はここやってほしいなというのとその参加者がやりたいパートがあまりにも違い過ぎた人が多かったのです。普段の投稿動画から見て明るいパートこそ作風に合うという作者に限って第一から第四希望までバラードを並べたり、明らかに技術が求められる難しいパートをやりたがる初心者、簡単そうな曲のパートしか選ばないベテラン、全てがチグハグです。
やりたいパートをやらせた方がいいのか、またはやってもらいたいパートをさせるべきなのかどっちが最大パフォーマンスを発揮できるかというのは人によりけりとしか言えません、中には人気パートになりそうなのは遠慮してしまってよくわからないパートチョイスをしてる人もいたと思います、もちろん自身がやりたいパートじゃないとモチベが上がらないという人だって多いと思います。
これはもうその人と一緒に合作した経験から判断するしかないと思います。
今回の合作は静止画MAD作者は優先してやりたいパートを当てはめ、音MAD作者には自分の判断で適してるパートも提案したりしました。ここまではよかったのですが問題はここからです。
⑤空きパート埋め
メドレー式合作の難点がこれです。
どうにかして空きパートを必ず埋めなくてはなりませんので自ら空きパートをやってくださる方には頭が上がりません。
さて、この合作、パート数が48パートとまあ多いです、1パートを短くしたのが裏目に出ました。
まず1パートが短いので参加者には一人あたり2〜4パート受けもってもらうことが前提となっていました。しかし1パートしか取らない人があまりにも多かったため空きパートが出てきます、それも20近く発生しました。そしてそれを埋めようと自ら挙手してくれる人はほとんど出てきません。
自信がないのか互いに遠慮しあっている感じがしました。そのためこちらからお願いしてもまず断られます。忙しいなら仕方ないのですが自信がないのでと言われるのが多かったです。引き下がらずに鼓舞してなんとか引き受けてくれたって方が少しはいましたが。
結果的に自分が音声17パート映像12パートやることでほとんどなんとかしましたがこれは自分が大学生であり時間が確保できたのと同時にあの頃は無駄にMADへの熱意が高かったからなんとかなったのであって社会人の方が主催をしてた場合にここまで空きパートが生まれてしまうと最後まで完成させれずに最悪企画倒れになってしまうと思います。つまり今回自分のしたパワープレイでの解決方法は再現性がありません。
今後同じような合作があった場合はこの課題を別の方法でクリアしないと企画として危険です。しかしながら手軽な解決案はパッと思いつきません。
⑥素材集め
スターターがある素材ジャンルはそこまで必要ないですがこの合作では必要な工程でした。
今回の合作で一番の苦行がこれです。
しかし、これは制作ではないので技術はいりません、つまりやり方さえ教えれば誰でもできることだと思います。
その反面あまりにもめんどくさいので誰もやりたがりません。
今回の素材集めは自分が7割近くやりました。
3〜6月にかけて100時間近く取られてしまった気もしますがそれゆえにいろんな素材が使え、パートごとに多様性が生まれクオリティは高くなりました。しかしほぼ一人でやるのにはあまりにも負担がでかすぎるのと時間がかかってしまい、制作に入るのが遅れた原因にもなりました。もうちょっと素材集め班を用意して負担を軽減し、制作に入れるのを早くすべきでした。
⑦音声担当と映像担当の連携問題
音声担当と映像担当が別れることで互いに得意分野で最大限のパフォーマンスが発揮できると同時に負担の軽減もできます。しかし、その反面で互いに作りたいものが違いすぎたりする場合、どういう作風にしたいかなどの相談や連絡をして方向性を固めておかないと非常にまずいことになります。
そして、今回の合作では大体のパートが音MAD民とニコマスPでそれぞれ音声担当と映像担当に別れたパート割り振りとなったため、普段作っているものは同じアイマスMADとはいえ互いに界隈も違えば作りたい作風も違うというのが大きく浮き出てしまい連携がうまくいかない形になってしまうパートが続出しました。さらには、音声担当と映像担当で相談等をしていたパートが少ないという事実まで発覚。そんな状況の中で提出した人はむしろどうやって作ったんだというレベルです。
基本的には音声を先に作り、その音声をコンテ代わりにして映像を音声と同期させて作っていくというのがスタンダードであり、音声をさっさと作らなければ映像の人は動けません、それにもかかわらずリアルタスク等で一向に動けなかった音声担当はなおさら映像担当に連絡をしておかねばならなかったと思います。しかし、それができていないのがこの合作、連絡すらもなく一向に動こうとしない音声担当に映像担当は不安しかなかったと思います。映像担当の人も音声担当に早く作れと声をかけるべきではあったと思いますが、見ず知らずの相手に声をかけるのは相当勇気がいる行為であり、仕事でもないのに二次創作にまで人間関係で気を使いたくないとも言われてしまいました。
結果的に6月末までに音声担当はおおまかな構成を提示しろと自分が全員に個別で声をかけまくってなんとかし、そのまま音声と映像で別れるパートで映像担当がどういうことがしたいのか聞いてそれを音声担当に伝えたり、またその逆もするなどをしまくって橋渡し役をすべて担うことで最悪の事態は免れましたが、あまりにも負担が多く、もう二度とここまでやりたくないなと思ったレベルで疲れました。これも何かしらの別の方法で解決しないといけない事柄だと思います。
⑧締め切り
今回の合作は記念日投稿というわけでもなかったので締め切りにはかなり甘く、締め切りに間に合わせるために手を抜くくらいなら遅れてもいいから普段通りかそれ以上にしっかりと作ってくださいと初めから言っていたわけであります。なので遅刻に関しては特に何も言いません、しかし連絡もせずに失踪する者が後を絶たなかったというのは泣きます。中にはtwitterは動いているのにこちらからの連絡には一切返事をせず無視し続けられたのまであります。こんなんされたら病みますよ。
もっと進捗確認を徹底すべきだったのかもしれませんし、どうにかモチベを上げさせないといけなかったとは思いますがやはり今でもどうすれば多数の失踪者を防げたのかはわかりません。
1パート1パートで責任が発生する合作には信用できる人しか入れないぐらいしか対策のしようがないのでしょうか。
⑨音声映像まとめ
こういったメドレー合作において1番難易度が高いのがこれです。特に音声はまとめをする人の腕がモロに出てしまいます。
パート間の繋ぎ等で問題があれば直してもらうのが一番なのですが中には提出したらもう終わりであとは知らん〜という人がいます。
まとめ側で直せない箇所はやってもらうしかないのですがこれができないとなるとまずいです。今回はまとめ側で無理やり誤魔化したりこっちでその箇所だけ別のものに作り変えたりして直してなんとかしてますがこういう箇所がたくさんあるとまとめをする人が倒れます。とはいえまとめをしている時にリアルが忙しく動けない人もいると思いますし、これを想定した対策案を考えなければなりませんがパッと思いつきません。
【合作形式の比較】
そもそもなぜここまで問題が出てきてしまうのかというのには大規模であるということとこの合作形式はあまりにも難易度が高い、この2つに尽きます。
詳しく知りたい人は長くなるのでべつの記事にします 蛇足レベルなので読まなくて問題ないです。
【今回の合作は無謀すぎるしなぜ完成できたのか謎】
大規模な音MADメドレー形式は考えられる限り最高難易度の合作です。
そんな難易度が高すぎるものであるにもかかわらず参加者のほとんどが初心者やこの形式だと初めてな人ばかりというわけです。互いに分からないことだらけですし皆が右往左往していたと思います。
そんな中でさらに文化の違うニコマスP達と音MAD民とでいきなり協力しろというのも無理な話です。企画倒れにならず投稿できたのはまさに奇跡です、いったいどんな魔法を使ったのでしょうかね。(白目)
ということで次回このような合作があった場合にどういったことをすべきか、ぱっと思いついた改善案を出して最後に軽く個人的な今後の展望を書いて終わります。
【ニコマス混合音MAD合作における改善案】
基本は以下の3つです
「省エネ化と負担の分散」
「目的の共通化と結束化、雰囲気改善」
「リスクを抑える」
では具体的にどうするかってのを少し。
・合作運営陣は5人くらい用意すべき!
参加者一人一人の意識が高いのが文化であるレスリングシリーズやエア本とかでは全員が積極的に意見を出し、互いに自分から行動する雰囲気があるので何か問題があっても参加者同士で勝手に解決へ進めていってくれます、なので運営陣は主催だけでも運営陣への負担が少ないためなんとかなってしまいますが、アイマスではそうはいかないみたいなので運営陣という肩書きを背負わせて合作により自ら関わって貰う人を5〜6人用意し、主催の負担を分散してください。じゃないと主催への負担が尋常じゃないです。
今回のシャニ合作での運営陣でした仕事は大きく以下の通りです。
①企画の立案と公募
②参加者の呼びかけ、依頼
③合作全体図の用意と説明
④メドレーの選曲会議 メドレー制作過程の確認
⑤素材集め
⑥パート決めパート埋め
⑦自パート制作
⑧サムネ、ロゴ依頼
⑨進捗確認
⑩各パート構想把握と音声班映像班の連絡や相談の橋渡し役
⑪参加者のモチベ上げ
⑫辞退者失踪者の穴埋め
⑬音声映像まとめ
⑭告知
⑮投稿
これを一人でやると体を壊すので負担を分散しましょう、ということです。
運営陣としての肩書きがある人は製作期間中に他のタスクで予定を埋めてしまわれることも減ると思います。
・遅刻しそうな人を多く呼ばない
記念日投稿ですとたくさんの人に遅刻されたらもうリカバリーもできないですからね。
人を呼ぶ時は技術面より信用度の方を高く評価すべきだと思います。
・第1締め切り、第2締め切りを設定する
遅刻すんなよと言っていても遅刻するのが動画制作者です。早めに締め切りを設定してそれを過ぎたらここまでが待てる限界って感じで第2締め切りを出す感じでしょうか。
・積極的に会議、誰でも話に参加しやすい雰囲気にする。
意見が同じ人からしか出てこなかったのはこのへんが原因だったと思いますし、技術とかがなくてもいいのでムードメーカーみたいな人が一人くらい欲しいですね。
・映像の方が負担が大きいことを考慮する
人力ボカロは例外ですが音声は映像と比べて負担が小さく、クオリティ差が開きにくいです。なので音声担当は映像担当より多くのパートを持ってもらう方がいいです。その分映像に回せる人を増やせるはず。
そしてこれは個人的に感じたことですが、音声映像どっちも普段やっているがどちらも実力に自信がないという人は音声に回すべきです。言い方が悪くなりますが下手でもバレにくい。
・進捗出してもらったらまず褒める
まず良い部分を言ってから直してもらいたいところや意見を言う方が多分いいと思います。確実にモチベに関わります。
・運営陣から積極的に声をかける
特に、輪に入れてない人に積極的に声をかけるべきです。
でないと失踪に繋がりかねないです。運営陣は陽キャになれ。
【アイマス音MAD合作における今後の展望】
何よりもこのクオリティを保持したままさらに効率化と省エネ化ができる合作システムやノウハウが生み出されない限り、自分はもう主催はしません。こんなの続けてたら過労で倒れます。
とはいえ誰かがまたアイマスで合作したいと言ったときには駆けつけれるくらいには体力を鍛えておきます。
他の合作でも運営陣として呼んでもらって構いませんがもう主催は懲り懲りです。