「わたしは虫も殺せなさそうな顔をしていますが」で始まるミステリアスな投稿文と、ケーキを前にはにかむ女性。その後に続く衝撃の内容と、彼女の意外過ぎる「技能」がツイッターで話題になっています。「女性でこういうのかっこいい」「ギャップ萌え」と胸をわしづかみにされる人が続出した、謎の人物に話を聞きました。
「その気になれば」
「わたしは虫も殺せなさそうな顔をしていますが」
投稿の1枚目の写真には、スイーツを前に、ほおを赤らめてほほえむ黒髪セミロングの女性が写っています。
投稿文には、衝撃の一言が続きます。
「その気になれば君たちを1人で埋めることが可能なので あんまり行き過ぎたことは言わない方がいいよ」
背筋がぞくっとします。
でもその理由が2枚目の写真によって明らかにされています。
掘削用重機の「ショベルカー」を涼しい顔で操縦する女性。作業着姿ですが、冒頭の女性と同一人物のようです。
この投稿に「なるほど、穴が掘れるということか!」と、胸をなで下ろす人、女性の隠された能力に感嘆する声が相次ぎました。
「重機乗れる女性すてき過ぎます」「土木女子!」と重機を扱うたくましさに感激する人が同性異性問わず広がり、中には「埋められたい!」と叫んでしまう人も。いいねが16万以上もつきました。
「文学部出身」
このかっこいい女性はどんな人なのか。
プリンセスゴリラという名前の迫力に、どきどきして返信を待つと、とても丁寧な回答をいただきました。
「声をかけていただき光栄です」
プリンセスゴリラさんは現在、26歳(誕生日は9月10日)。福岡生まれで、「家ではバリバリ博多弁です」。
本当に、あのショベルカーを運転していたのは、ご本人なのでしょうか?
「作業中に写真を撮るのはコンプライアンスに引っかかってしまうんです。なので、ユンボ(ショベルカー)の写真は、本来の業務外に乗っているときに撮ったものです」とのこと。
クレーン車も、小型建設重機も、フォークリフトも乗れるそうで、様々な資格を取った中には、「趣味で取ったものもあります」という徹底っぷりです。
土木業界で働きはじめた理由は「本当にたまたまという感じ」だったそうです。
「わたし自身は出身大学も文学部で、元々は教員志望でした」
プリンセスゴリラさんの親は土木業界で働いていましたが、就職先に選ぶまでプリンセスゴリラさん自身は土木とは縁がなかったとのこと。
「無知なので、会社に入ってから、色々な人に色々と教えていただきました」
現場で先輩から「ネコ持ってきて」といわれて、手押し車をそう呼ぶと知らず、「ネコ(猫)いないよ、どうしよう」と途方に暮れたこともあるそうです。
先「ネコ持ってきて」
ゴ「ネコですか?!ネコいります?!」
先「いや いるでしょ」
ゴ「えー!!!まあいるのか……」←?
先「その辺から持ってきて」
ゴ「わかりました!!!!」
ゴ「ネコいないよ!どうしよう!」
(猫)←わたしが思ってたネコ
先輩が求めてたネコ→(手押し車)
「どの仕事もベクトルが違うだけで大変」
土木業が女性にとってどんな職場なのか、記者はあまり想像ができませんでした。
プリンセスゴリラさんは、丁寧に答えてくださいました。
「女性の働きやすさに関しては、現場に女子トイレが少ないなど多少の問題はありますが、わたし自身はかなり働きやすいなと思っています。会社や現場、職種にもよると思うので、わたしだけかもしれませんが……」
プリンセスゴリラさんが土木業界で「働きやすい」と感じる理由の一つが、周囲の人でした。「わたしが出会った範囲ですが、この業界の人は基本的に皆さん優しいです」
女性だからこその不便がある一方で、女性への配慮をしてくれる人も多いと感じているそうです。
体力仕事のイメージです。プリンセスゴリラさんは「実際、外作業は暑いしキツいし大変なのは間違いないです。日焼けするし。ただ、どの仕事もベクトルが違うだけで大変だと思うんですよね……。なので、悪い印象はあまりないです」。
日焼けについては、長袖の作業着で、スプレータイプの強力な日焼け止めをして、ビタミンを取りながら対策しているそうです。
安全メガネはピンク色だそうです。
「自由に使う金を得られるようになって」考えたこと
仕事を離れれば、「普通の女の子」です。
出勤時は作業着などの機能性を重視しますが、休みの日は華やかな服装で出かけています。
「ジャスグリッティーやグレースコンチネンタル、アプワイザーリッシェを着ていることが多いです」
趣味は読書。
ストレス発散方法は「死ぬほど高いスイーツ、死ぬほど高いツマミ、死ぬほど高い酒を買って飲む」とか、「服買ってエステ行ってヘアサロン行って自分をぴかぴかにする」というプリンセスゴリラさん。
豪快さもあり、女性っぽさもあり。プリンセスゴリラさんのギャップが気になる投稿が過去にもありました。
世界の女の子たちの自立を支援することです 金で
良かったら読んでみてください!1人でも共感してくれる人が増えたら嬉しいな〜!
少しの金で救われる人生もあるのさ
「わたしはフェミニズム活動とかには微塵も興味無いんですが 唯一5年くらいしていることがあります 」
大学生のときに始めたという、世界の女性の自立を支援する活動への寄付を紹介する投稿でした。
「もともと高尚な精神などないので、街中で寄付を求められても応じないタイプ」だったといいます。
でも、きっかけはある広告の文言でした。
「13歳で妊娠。14歳で出産。恋は、まだ知らない」
「中学生の時に女性器切除(割礼ですね)の本を読んで、衝撃を受けたんですよね。何回か読み返しましたし、夢にも出てきました」
「ある程度自分が自由に使えるお金を得れるようになってから、改めて女の子の自立支援に関する広告を目にして『ああ、あれから十年近く経った今でも、こういう事はまかり通っているんだな』と思いました」
広告を見てすぐに団体のページを調べ、定額の寄付を始めたそうです。さらりと自分の正義を貫く強さを感じました。
「イマジナリーの中で埋めました」
今回のツイートは、どんな経緯で投稿したのでしょうか?
「元々全然別のツイートがバズって、それに心無いリプライが沢山ついたので、それを戒める意味でツイートしたら、こっちが更にバズった感じです。本当に予想外でした。未だに自分では全然面白いと思ってないです。エキセントリック少年ボウイの動画の方が面白くないですか?」
この投稿で反響が広がり、フォロワーは1万人を超えました。
それでもやっぱり心ない言葉を送ってくる人はいましたが、「イマジナリーの中で埋めました。さようなら」と涼しくスルーしていくのがプリンセスゴリラさん流です。
「優しいリプライが大半だったので、本当に本当に嬉しかったです! 皆様に返事できてなくて心苦しいですが、応援ありがとうございます。これからもプリンセスゴリラを愛してくださると幸いです」
※9月2日 12時50分更新