テレワークが広がったことにより、ノートPCに外部ディスプレイをつなぐ、という活用方法が注目を集めている。さまざまな制約で画面サイズが限られてしまうノートPCでも、外部ディスプレイなら大型画面で複数のウィンドウを開き、作業効率が上げられるからだ。ViewSonic(ビューソニック)の「VX2785-2K-MHDU」は、高画質と美しい筐体デザインがひときわ目を引くが、ノートPCとの組み合わせに便利な「USB Type-C」端子を搭載した、実は「使い勝手が最高」の注目すべきディスプレイだ。その魅力を紹介しよう。
テレワークの業務環境を良くするには? ポイントは「外部ディスプレイ」の追加 仕事に使うパソコンは、「会社から支給されたノートパソコン」という人は多いはずだ。オフィスへ連日は出勤せず、在宅勤務によるテレワークスタイルが急速に広がりつつある現代では、パソコン一台を持ち出すだけで、基本的な業務環境が整えられるノートPCを使っていてよかった、と感じているかもしれない。
その一方で、ノートPCに弱点がないわけではない。 製品によって異なるのだが、持ち歩きのモバイル用途を重視したノートPCであるほど、小型化が重視されているので、物理的な制約からも、画面が狭く、一度に表示できる情報量が限られていることが多い。屋外や移動中に使うならともかく、腰を落ち着けて作業する在宅勤務なら、もうちょっと大きい画面がほしい、そう感じることもあるはずだ。
では、いっそのこと自費で払ってでも大型画面のノートPCやデスクトップPCに買い換えればよいのかといえば、実際にはなかなか難しい。業務使用では、セキュリティ観点からも、個人所有PCを社内システムへつないだり、業務データをコピーすることが禁止されていることが珍しくないからだ。支給元の会社に新しいPCを要求し、スムーズに買い替えてもらえることは、さすがにそうないだろう。
PCの買い替えよりもコスパがいい! 在宅勤務のPC環境に、微妙なストレスを感じている人にお勧めしたい改善方法が、ノートPCに「外部ディスプレイ」をつなぐことだ。
現代のノートPCは、簡単に外部デイスプレイを追加でき、大きく広い画面に、多くの資料を表示して作業効率を上げることができる。あくまでも、ディスプレイをつなぐだけなので、社内リテラシーでセキュリティ上の問題となることもない。
費用的にも、PCの買い替えに比べると負担が小さいので、テレワーク中心の期間だけは自宅で仕事をするため、費用対効果の高いアップグレードをしたい、と考えている人にもぜひ検討してほしい方法。もちろん、業務時間外はプライベートのPCをつないだり、PC以外のゲーム機や映像機器をつないで活用 することもできる。ViewSonicの「VX2785-2K-MHDU」
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仕事の効率を上げるには? 2つのポイント 外部ディスプレイは、さまざまなメーカーが多くの製品を出しており、ごく普通に使える製品でも、中には1万円前後と非常に手頃な価格で買えるものまである。ただし、ディスプレイはすべて同じではない、スペックにより、仕事のしやすさはかなり違ってくるのだ。
そのキーワードとなるのが「解像度」と「画面サイズ」だ。 解像度は、一画面内にどれだけの情報を表示できるかで、一般的に画素数を「横x縦」の形で示す。たとえば「800x600」や「1920x1080」といった具合で、この数値が大きいほど多くの情報を表示できる。もうひとつのキーワードは「画面サイズ」だ。画面サイズは物理的なサイズのことで、「17インチ」や「24型ワイド」といったもの。この数値が大きいほど、いわゆる大画面ディスプレイとなる。
高解像度でExcel作業も快適に ノートPCに外部ディスプレイをつなぐなら、「せっかくだから大画面ディスプレイにしよう」と思うかもしれない。その考え方は間違ってはいない。ただし、画面サイズが大きくとも、解像度が低い製品を選んでしまうと、そのメリットは半減するといってもいいだろう。 実際につなぐと、画面表示が引き伸ばされただけで、画面内に表示できる情報量、つまり重ねずに配置できるウィンドウの数は変わらなかったりするからだ。
ここで、解像度が高いディスプレイを使えば、一画面で複数のウィンドウを並べたり、Excelならシートの広い範囲を一覧表示できたりする。一般的に、ノートPCの内蔵ディスプレイは、デスクトップPCに比べて解像度が低いので、Excel作業ではどうしても画面をスクロールしてシートのあちこちを表示・作業する必要が出てくるが、高解像度ディスプレイなら、スクロールせずに大きなシートが見られるのだ。
フルHDより上を狙いたい ノートPCの解像度は製品によって異なるが、比較的ハイスペックなものでも「1920x1080」の、いわゆる「フルHD」のものが多い。つまり、多くの情報を表示して業務効率を上げたいなら、フルHDより「更に高解像度な」外部ディスプレイを選ぶべきだ。外部ディスプレイをつなげば、高性能ノートパソコンを超える画面の広さが手に入る。VX2785-2K-MHDUは2560x1440(WQHD)という高解像度のディスプレイだ。
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また、高解像度でも、画面サイズが小さいディスプレイだと、実際の表示サイズとしてはウィンドウも小さく、文字も小さく表示される。このあたりは、好みと設置環境でも変わってくるが、多くのウィンドウを並べて開きつつ、無理なく文字をスムーズに読むには、ある程度の画面サイズも欲しいところだ。
ちょうどよいサイズの「27型ワイド」 ビューソニックの注目製品 今回、私が実際に使ってみたViewSonic の「VX2785-2K-MHDU 」は、「27型ワイド」という大画面で、「2560x1440」(WQHD)の高解像度を実現しているディスプレイだ。外観には無駄な装飾がなく、かつ質感の高い仕上がりとなっている。
さまざまな環境に置けるサイズ ディスプレイの画面サイズと解像度にはさまざまなパターンがあるが、27型のWQHDというのは物理的なサイズが大きすぎないため、設置環境を選ばない。書斎の机に置いてテレワーク、という万全の住宅状況がある人はもちろん、ダイニングテーブルの隅に置いても非現実的ではない。さらに大きな画面サイズとなると、設置場所はあらかじめ確認しておく必要が出てくるので、手軽に導入できるサイズでこの解像度が実現できる「バランス」が、まずは好ましく感じた。 27型くらいのサイズ感だと一人でも設置は簡単、スタンドが取り付けやすいように梱包状態も工夫されている。
どこからでも見やすく、目に優しい 「VX2785-2K-MHDU」のパネルには、視野角の広さが特徴の「SuperClear IPS」パネルを採用 しているので、真正面はもちろんだが、少しくらい左右上下に視点がズレていても、鮮明に画面が見えるのも美点のひとつ。ViewSonic独自の「アイケアテクノロジー」も採用し、目に優しく、長時間集中して画面を見続けるテレワークでも身体への負担が減らせそうだ。視野角の広いSuperClear IPSパネルを採用。
www.viewsonic.com 画面のチラツキがない「フリッカーフリー」と「ブルーライトフィルター」の「アイケアテクノロジー」によりTUV認証を取得している。
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USB Type-Cポートも搭載 つなぐPCを選ばない PCと外部ディスプレイの接続端子には、いくつかの種類がある。テレビでもお馴染みHDMIは、最近のノートPCなら標準的に用意されているもの。HDMIケーブル一本でつなぐだけで、映像も音声も外部ディスプレイへ出力できる。
DisplayPortは、デスクトップPCや、高性能グラフィックボードを搭載したゲーミングPCなどで使われている端子だ。「VX2785-2K-MHDU」は、HDMIとDisplayPortを各1系統搭載しているので、つなぐPCを選ばない。VX2785-2K-MHDUの入出力端子。右下はヘッドホン出力、左上はACアダプタ入力だ。
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USB Type-Cとは 「VX2785-2K-MHDU」には、HDMIとDisplayPortに加え、もうひとつ映像入力が用意されている。それが、「USB Type-C」端子だ。PCをはじめとして、さまざまな機器で使われてきたUSBだが、USB Type-Cは「USB3.1」で策定された新規格で、最新ノートPCでは採用製品が増えている端子。このUSB Type-Cは、映像の入出力にも対応しており、USB Type-C搭載パソコンであれば、USB Type-Cケーブルでつなぐと、外部ディスプレイに映像を出力できる。 従来広く使われていたUSB Type-Aコネクタ(左)。USB Type-Cコネクタ(右)は、Type-Aに比べると小さく、形状も対称のため挿す向き選ばない。コネクタが上下逆で挿さらないということがなくなった。
Windows(左)でもApple(右)でも簡単につなげられる。最近のノートPCではUSB Type-C対応製品が増えている。
ノートPCに電源を供給できるUSB PD また、USB Type-Cには、USB PD(USB Power Delivery)という充電規格も用意されており、別途電源を用意しなくとも、USB PD対応機器とUSB Type-Cケーブルをつなぐことで、電源を供給することも可能。 そのため、最近のノートPCでは、専用のACアダプタ端子がなく、電源用としてUSB Type-C端子を搭載したものが増えつつある。MacBook ProのUSB Type-C端子。通常はACアダプタもUSB Type-Cでつなぐが、VX2785-2K-MHDUは、USB PD対応のため、ディスプレイとUSBケーブルをつなぐだけでPC側に電源が供給される。
接続はケーブル一本で完了! 「VX2785-2K-MHDU」のUSB Type-C端子は、USB PDにも対応しており、USB Type-Cケーブルをつなぐと、映像・音声の伝送に加え、最大60Wの電源が供給できる。
つまり、ノートPCとの接続はUSB Type-Cケーブル一本だけで完了し、別にACアダプタを繋ぐ必要がないのだ。ノートPCを持ち出したときでも、帰宅したらディスプレイのUSB Type-Cケーブル一本をつなぐだけで電源とディスプレイの接続が完了! USB Type-C対応のノートPCを使っていると、これは非常に便利である。
このように、「VX2785-2K-MHDU」は、「HDMI+DisplayPort+USB Type-C」と、3系統の映像入力端子を備え、環境に合わせて選択できる。もちろん、それぞれの端子に複数のPCやゲーム機をつなぎ、切り替えて使うことも可能で、拡張性に富んでいるのだ。
特に、USB Type-C接続対応のディスプレイはまだ少なく 、USB PD対応製品となるとさらに限られている。USB Type-C搭載ノートPCを使っている人なら、ここは見逃せないポイントだろう。3系統の映像入力を備えているため、Nintendo SwitchやSONY PS4など、据え置きゲーム機をつないで楽しむこともできる。
用途に合わせて選べるマルチディスプレイ デスクトップの広さに驚く 「2560x1440」という広さを実現するWQHDの解像度は、普段のPC環境で感じ方は変わってくるだろうが、ノートPCの内蔵ディスプレイから切り替えると、非常に広く感じる。
ノートPCに外部ディスプレイを繋ぐ場合、その動作は大きく二つに分けられる。
まずは、本体ディスプレイの横へ外部ディスプレイを追加したように、画面を横方向に拡げて使える「拡張」 。もうひとつは、本体ディスプレイと同じ画面をミラーリングして表示する「複製」 だ。PC上での表現や設定画面に多少の違いはあるものの、WindowsとMacのどちらでも同様の動作から選べる。今回は「拡張」としてMacを接続。外部ディスプレイ側にはWebブラウザ(Chrome)のウィンドウを、余裕で2つ横に並べられる。
画面のふちが気にならない 「拡張」で使うなら、ノートPCのディスプレイと、外部ディスプレイを並べるように配置することが多いだろう。
「VX2785-2K-MHDU」は、外枠が非常に細いフレームレスベゼル設計であることも特徴で、並べたときに画面の切れ目がそれほど気にならない。また、本製品を2台、3台と並べる贅沢なマルチディスプレイ環境で使う機会があれば、「SuperClear IPSパネル」の広い視野角と合わせて、とても快適になるはずだ。縁がとてもスリムなフレームレスベゼルで、本体サイズいっぱいに画面が広がっている。
「複製」で使うなら、(ノートPC側の)本体ディスプレイは必要ない、と感じる人もいるだろう。その場合は、ノートPCを閉じ、外部キーボードとマウスを使って操作することも可能だ。ノートPCのキーボードが苦手という人も、外部ディスプレイを使うことで業務効率を改善できる。 Macでの設定例。「ディスプレイをミラーリング」にチェックを入れると「複製」として動作する。
デザインも魅力のひとつ 著名の工業デザイン賞を受賞 「VX2785-2K-MHDU」のデザインは無駄な装飾がないが、だからといって「高級感」を感じさせるのも特筆すべきところ。スタンドも含めて質感は高く、部屋に置いてもディスプレイだけが浮いたり目立ったりするということがない。優れた工業デザインの製品に与えられる「iFデザイン賞」を受賞 していることも補足しておこう。iFデザイン賞を受賞した本体デザインも特徴のひとつ。
www.viewsonic.com 電源や入力切替といったボタン類はすべて背面側にあり、パネル側のデザインはスッキリしている。
ケーブルが邪魔にならないディスプレイスタンド 付属のディスプレイスタンドは、背面側にリングが配置されている。 実はこのリング、ただのデザインではなく、実際に回転して画面を左右にスイーベルでき、またケーブルホルダーとしても機能 するすぐれものだ。向きを変えるときでも、ケーブルがその動きを妨げない。実際に設置するとケーブルの取り回しは意外と邪魔になるものだが、よいアイディアといえるだろう。ディスプレイスタンドのリング部分にケーブルを通せて、スタンド調整時もケーブルが邪魔にならない。
ディスプレイスタンドは左右回転に加えて前後の角度調整もできる。
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まとめ 外部ディスプレイ選びでは、どのくらいの「画面サイズ」と「解像度」を選ぶかが大切だ。ViewSonicの「VX2785-2K-MHDU」は、環境を選ばず置ける「27型ワイド」というサイズと、フルHDより圧倒的に情報量が豊富なWQHD(2560x1440)という解像度で、非常にバランスのよいディスプレイだといえる。
電源供給可能なUSB PD対応の「USB Type-C」入力にも対応し、最新ノートPCと組み合わせたときの使い勝手は非常に優れている。手頃なサイズ感で高性能ディスプレイが欲しい人におすすめ できる製品だ。
ビューソニック
VX2785 -2K-MHDU
27型WQHD USBType-C搭載 IPS液晶ディスプレイ
▼iF デザインアワード受賞▼USB Type-C, HDMI, DisplayPortを搭載した柔軟な接続性能▼SuperClear® IPS テクノロジー▼AMD FreeSync テクノロジー対応▼TUV 認証 フリッカーフリー,ブルーライトフィルター
◆大坪知樹 オーディオやPCといった記事を多く手がけてきたが、ガジェットはもちろん白物家電、クルマ・バイク、模型や玩具、時計に服・靴など基本的にモノが好きな物欲系フリーランスライター。