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昼食は母が近所のパン屋で買ってきた大量のパンを切り分けてみんなで食べた。
お惣菜パンも菓子パンも山のようにあって、旬は大喜び。
「夜はバーベキューにしようね」
と母が言うと、旬はガッツポーズ。
料理が苦手な母が、一生懸命してくれるのは有難い。
父と私は、
「久しぶりだな」
「ご無沙汰してます。元気?」
「あぁ、お前も元気そうで良かった」
と会話して終わってしまった。
いつもこんな感じ。
父が怒ったところを私は見たことない。
私が19歳で妊娠した時も、父はほぼ何も言わなかった。
母が大激怒している記憶が強くて、父のリアクションの記憶があまりないのが、真実。
旬が父と工房に籠っている間、私は母と二人でバーベキューの買い出しに出掛けた。
「野菜の買い物は済ませてるんだけど、旬君がどれくらい食べるかわからなくてね。お肉はアンタが来てからと思って」
「うん。ありがとう…」
スーパーの中にあるお肉屋さんで、私は母と旬の好きなお肉を適量注文した。
「タレ漬けも出来るよ」
とお肉屋さんのおじさんに言われ、半分をお願いした。
待っている間、母と二人で並んで立っていると、
「杏?杏じゃない!?」
と声を掛けられた。
振り返るとそこに居たのは見覚えのある妊婦さん。
「奈々?奈々!!」
それは小学校から中学まで一緒で仲良かった松下奈々(まつした なな)。
10年ぶりの再会。
結婚式には来て貰ったけれど、それから奈々は留学したりして疎遠になっていた。
大きなお腹に驚く私に、
「一昨年結婚してさぁ!今臨月で里帰り中」
奈々はお腹を撫でながら言った。
「おばちゃんと会うのはこっちに戻ってから3回目だね~」
「そうだね。奈々ちゃん、下がってきたんじゃない?」
「再来週予定日だから」
奈々は母との会話も弾んでいた。
「帰省?旬君は?」
「うん、今、父と…」
「そっかぁ!今…10歳?」
「そうそう、年明けには10歳」
「そっかぁ~、早いね」
奈々と会話していると、お肉屋のおじさんが「出来たよ」と声を掛けてくれた。
母がそれを取りに行く。
「あっ、LINEしてる?」
奈々に聞かれて頷くと、
「あっ、じゃ、しようよ。またゆっくり話したいし」
奈々はスマホを鞄から出して私に見せた。
私は奈々とLINE交換をして、また連絡すると約束した。
お父さん、きっと激怒してくれるよ!
結婚式後、留学?そんな話あったよね🤔笑
お母さん、ひとり娘の杏が国立大に受かった時めちゃくちゃ喜んだんだと思う。それだけに、入学早々に妊娠させた航大には勿論だけど杏にも激怒したんだろうね😢
うお〜!奈々ちゃんに相談してみようよ?航大その他と繋がってないよね?
きっと杏の味方になってくれるはず。奈々ちゃんもそうだといいなぁ。
うんうん( ᵒ̴̶̷᷄◡̶͂ᵒ̴̶̷᷅ )味方になってくれる事を願うよ〜
普段は寡黙なお父さんだけど、杏の異変に気づいていざとなったら動いてくれる事に期待❗️
19歳で大学に入ったばかりで、これから社会性を身につけていく時期に、妊娠、結婚を両手を挙げて喜ぶ親は少ないと思うよ。お母さんの気持ちも解る。でもね、誰よりも娘の幸せを願っているのも親だから。相談しよ。
杏ちゃんの力になってくれる人が1人でも多くありますように…
奈々ちゃん!彼女が杏ちゃんの力になってくれますように‼️
ぴぐ様、昨日から沢山の更新ありがとうございます。でも只々辛いです😭
親子なのに 壁を感じてしまう😭誰にも何にも告げれず痩せてしまうのも わかる気がする😭…けど両親は孫も杏ちゃんも受け入れてくれると思うよ😭何より一人娘のことは心配しちゃうよ😭頼ろう❗️
杏ちゃん、少しずつ味方を増やしておこうね❗