3. 発覚6ヶ月前・突きつけられた離婚

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――朝、スマホのアラームで目が覚めると航大と私の間に枕があった。 まるで仕切るみたいに、彼の枕。 寝相? 不思議に思いながらも、私はベッドから出て朝の身支度をはじめる。 航大はまだぐっすり眠っている。 旬がサマーキャンプに行く日。 お弁当を持たさなければならない。 私はパタパタと旬のお弁当を作りをはじめた。 私がキッチンでお弁当を作っていると、旬は自分で起きてきた。 「お母さん、おはよう」 「おはよ、顔洗ってらっしゃい!朝食、もう出来るから」 そう伝えると旬は頷いて洗面所へ向かう。 私はダイニングテーブルに旬の朝食をセットしながら、お弁当を詰めていく。 「ねぇ、お父さんは?」 「まだ寝かせてあげて。土日で出張だったから、疲れてるのよ」 「集合場所にはお母さんが連れてってくれるの?」 「うん。大丈夫よ」 旬は納得してダイニングテーブルに着いた。 「去年よりレベル上げたけど大丈夫かしら。1週間は長いわよ?」 「大丈夫だよ」 このサマーキャンプも義母の薦めで小学1年生から参加している。 オールイングリッシュのサマーキャンプは、日本に居ながらも英語力が伸びると人気。 昨年まで3泊4日の短いクラスにしていたけれど、今年は6泊7日。 長野の高原で自然と触れ合いながら学ぶ。 「一も参加するらしいよ」 「神田さんとこの?」 「そう。この前集まった時に聞いた」 「そうなんだ」 そう言えば去年、サマーキャンプの話をして優子さんが興味を持ってチラシを上げていた。 「良かったね。知ってる子が居たら心強い」 「うっかり日本語で話しちゃいそうだよ」 「それは気をつけて」 私は仕上がったお弁当と水筒をダイニングテーブルに置いた。 「ありがとう」 旬は嬉しそうに笑った。 1年生の時は大泣きで行くのを嫌がった旬。 私も涙ながらに見送った。 そんな彼が自ら1週間も希望して参加する日が来るなんて…。 やっぱり成長した。 航大の朝食をテーブルに用意して、旬と一緒に寝室を覗いた。 「お父さん、行ってくるね!」 ドアから寝室を覗いて旬が言うと、航大は起き上がった。 「すまん。起きてやれなかった。よし、こっち来い」 航大は旬を呼び、 「気をつけて行ってこい」 と旬の頭を撫でて旬の帽子を取り上げた。 帽子の取り合いのじゃれごとを少しして、旬が取り返すと、もう一度頭を撫でた。 「送ってくるね」 「おう。頼むよ」 それだけ会話して、私は旬を連れて、いつもの駅とはもう少し離れた集合場所の主要駅へと旬を送り出した。
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あからさま過ぎ

↓旬君がいない日々がホント怖い…辛い

枕の境界線😨 旬が居ない間がまた恐怖を感じる😱

寄り添って寝た杏に対して枕で境界線作ったってことでしょうか…😢旬君の居ない1週間に何が起きるのかと思うと辛くなる。

枕かぁー。よっぽど触られたくないのね。のんっていう女の人が大事なのか……。うーんよくわからない。旬くんに悪い影響が出ないといいけどな……。

間に枕… ある意味航大も正直者ってことなのかな💧

間に枕って…ここから激しい拒絶反応を出し始めるんだろうね😢

送って帰宅後の航大の態度が、既に怖い💦

枕以外はなんてことのない普通の日常の一コマなのに、心臓ばくばくしながら読んでる、、ほんと心臓に悪いよ(T_T)

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