3. 発覚6ヶ月前・突きつけられた離婚

沖縄から帰って来た後、直ぐに航大は義父とエンジニアの社員さんに同行して九州へ出張。 バタバタとしていた。 ふと、カレンダーを見て1週間以上夫婦の営みがないことに気付いた。 毎週1回はあるのに… 沖縄から帰って来て求められるかと思ったけれど、それもなかった。 ただ、私も物凄く疲れていたし…。 航大はまだナイーブ航大発令中で、そのまま出張へ出てしまった。 こんなこともあるだろうと思った。 特に深くは気にしなかった。 週明けには旬のサマーキャンプもある。 夫婦二人きりになるし、久々にゆっくり過ごそう。 仕事のことも、これからのことも二人で話して、しっかり元に戻れるように… きっと大丈夫だと思った。 出張から帰って来た航大は、出張へ行く前よりもイライラして帰ってきた。 理由がわからなかったけれど、義母から電話があって、出張先のホテルでお義父さんと口論になったと教えてくださった。 営業部長の話は、やっぱり航大を苦しめているんだと、胸が痛くなった。 こんなことを義母に相談するべきか悩んだけれど、他に相談出来る人も居なくて、少しだけ義母に聞いて貰った。 営業部長の話が降りてきてから航大がナイーブになってしまっている事、 ラグビー仲間と飲んでも発散出来なかった事、 沖縄旅行にもそれが原因で彼だけ行かなかった事。 『まぁ、家族旅行に行かなかったのはそれが原因だったの！？ごめんね、杏ちゃん…』 義母は驚いていた。 『あの子、根が真面目でしょ？色々考えちゃうんでしょうね…。昔から信心深いところもあるから妙に思い込みも激しくてね…。イヤな思いさせちゃったわねぇ…』 「あっ、いえ、イヤな思いだなんて…」 『明日、私からも話してみるわね。杏ちゃんはいつも通りに接してやって？』 「…はい、わかりました。すみません、こんな話」 『ううん、何でも話して頂戴』 義母に話して、少し胸のモヤモヤが解消された。 リビングで話していた私は、就寝の準備をして寝室に入った。 航大はもう眠っている。 出張、疲れたんだね…。 「お疲れ様…」 眠っている航大に声を掛けて、私もベッドに入った。 キングサイズの2人のベッド。 私は航大に寄り添って眠った。