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その日の夜、明日は絶対に寝坊しないようにスマホのアラーム機能をセットした。
「杏、これしてよ」
航大が持ってきたのは、耳掻き用の綿棒。
「いいよ」
寝室のベッドに座り、航大は私の膝を枕にした。
私は航大の耳掃除をする。
「なぁ、週末、参加できそう?」
航大に問い掛けられて、私は週末の予定を思い出す。
午前中、航大の学生時代のラグビー仲間と練習して、その後午後からバーベキュー。
ラグビー仲間はずっと仲が良くて、大人になった今でも交流が続いている。
結束力が半端ない。
航大は仲間も本当に大切にしている。
「うん、大丈夫だと思う。旬があまり乗り気じゃないの」
「アイツ、一人っ子全開だよな。もっとグループ行動とか仲間意識とか団体行動に馴れさせないと」
「旬はスポーツ苦手だから」
「やったら出来ると思うけどな…」
航大は旬とラグビーがしたいのだと思う。
だけど、旬が乗り気じゃなくて…。
「旬には旬の考えがあるから…」
私がそう話すと、航大は真上を向いて私を見た。
「別にラグビーじゃなくてもさ、俺はアイツに何かスポーツをして欲しいんだよ。身体も強くなるし」
航大は身長が180センチでガッチリした身体をしている。
本人いわくそれは、ラグビーを続けた賜物だとか。
「5年生になったらクラブ活動があるから、それで何か見つけるかもしれない。ずっと今の小学校に入れるように赤ちゃんの頃から幼稚園まで教室や英会話レッスンに通ってたんだもの…いきなり伸び伸びスポーツしなさいって言うのも…」
私が言うと、航大は微笑んだ。
「杏は優しいな…」
「えっ?」
航大は手を伸ばして私の頬に触れた。
「旬が今朝、ギリギリまで起こしに来なかったのなんでか車で聞いたんだ」
航大がそう話した。
「どうして?」
「俺に寝室に入って来ないようにって前に注意されたからって」
「えっ?」
「ほら、旬に一人部屋を与えたタイミングで一人で寝かせたけど、アイツ、よく朝になったらここに潜り込んで来ただろ?」
言われて思い出す。
この家に引っ越してきてから、旬には一人部屋を与えた。
旬の部屋は二階に、夫婦の寝室は一階にある。
私の家事がしやすいようにと、決めた間取りだった。
旬は夜中によく降りてきて、夫婦の寝室に潜り込んで来た。
まだ小学校1年生だったし1年ほどは許していたけれど、小学2年生になったタイミングで航大が一度注意をしたんだった。
確か、それ以来、旬は潜り込んで来なくなった。
「アイツ、クソ真面目だよな」
航大が笑う。
「クソは余計」
私は航大の額を軽く叩いた。
「耳、反対するよ」
私がそう言うと、航大はさっきとは逆の耳を向けた。
「あっ、神田のとこも家族で来るらしいよ?」
「そっか。じゃ、久し振りに優子さんや子供達にも会えるね」
「うん」
神田さんは航大の一番の親友。
お調子者でチームのムードメーカーだった彼は、当時ラグビー部のマネージャーをしていた優子さんと結婚。
2人の子宝にも恵まれている。
優子さんは私にもとても優しくて、私は慕っている。
長男は旬と同い年で、長女は小学3年生の年子。
ただし、長男君はどっぷりラグビーにハマっていて、旬とは合わない…。
12ページ目でやっとブログと違う内容になったよwどんだけ似てるんだよ
まだ正体が分からない浮気相手が一番怖いよ~😣ぴぐさん史上最悪の悪女・麗美に並ぶ悪い女の予感😣
↓本当にそう。幸せな日々を読めば読むほど、プロローグの航大が別人の様でまるで暖かな心に氷の鎧を自ら着せたようで凄く切ない😢本当に辛いのは航大、貴方なんじゃないの?
ねぇ、こーだい、あなたはこんなにこんなーに杏ちゃん大好きなのに手放せるの?杏ちゃんの痩せたからだをみて心張り裂けない?何か理由があるのかい?ひとりで悪者になろうとしてないかい?
こんなにも仲の良い夫婦だったはずなのに何で ? 航大は仮面夫だったわけじゃないよね。急激に航大の心を掴み独占した不倫相手がめっちゃ気になる。
人ってこんなに変わるの?浮気相手が怖い
半年で何があったんだろう・・😭
読み進めるのが、苦しい😢でも、読まなきゃいられない。