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航大は先に出勤し、私は航大に遅れてコンパクトカーで航大の実家へ向かった。
はじめは緊張した航大の実家も、今はインターフォンなしで入れていた。
大きな門構えを通過して、引き戸の玄関を開ける。
「おはようございます!」
玄関先で声を掛けると、奥から航大のお義母さんがやって来た。
「杏ちゃん、おはよう」
玄関で紙袋を抱えたお義母さんと挨拶を交わす。
「すみません。今朝寝坊してしまって…。遅くなりました」
「航大から聞いたわ。最近忙しいから疲れてるんじゃない?大丈夫?」
「あっ、はい…。大丈夫です」
まさか夫婦の営みで寝坊しましたとは言えない。
「無理しちゃダメよ」
「はい、ありがとうございます」
義母から紙袋を受け取る。
「今日はこれだけだから、身体辛かったら行かなくてもいいわよ?」
紙袋の中身は、施設で暮らす航大の祖母の着替え。
私は週3回、家族として航大の祖母の施設を訪れていた。
義母と祖母は昔から折り合いが悪かったらしく、私が行くことで丸く収まっていた。
「大丈夫です」
「ありがとう。花梨(かりん)ちゃんのお迎えは、楓花(ふうか)にさせるから」
楓花さんは航大の2つ上のお姉さん。
ご主人とは昨年離婚、現在実家に身を寄せていて、矢代の会社でバリバリ働いている。
花梨ちゃんは楓花さんの一人娘さんで、幼稚園の年長さん。
楓花さんが勤務する16時まで私がよくお世話をしている。
美人な楓花さんに似ていて、5歳なのに既に顔が整っている。
「いえ、大丈夫です。いつも通り迎えに行きますから」
「…そう?でも体調が悪くなったら言ってね、楓花に行かせるから」
「わかりました」
お義母さんからの荷物を持って、私は航大の祖母の元へ。
車で20分ほど走らせた介護付き老人ホームに航大の祖母はいる。
車椅子生活だけれど、環境のいいホームで、優雅に暮らしている。
お婆様は午前中、コミュニティ室でよく編み物をしている。
私の姿を見つけると、笑顔で迎えてくれる。
「杏ちゃん」
「おはようございます」
「おはよう」
お婆様は私に椅子をすすめてくれた。
「今日は杏ちゃんが来る日だって、楽しみにしてたのよ」
嬉しそうに私の手を取ってくれる。
私の祖父母はもう他界していて、祖母と呼べるのは航大のお婆様しかもう居ない。
私もお婆様を慕っていた。
義実家へ行って手伝いしてるのまで同じw
謎過ぎる……解せない……
↓そう‼️航大の方が杏ちゃんにベタ惚れなのに、半年前一体何が起きたのか。メールの詳しいやり取りが気になる
航大の方が杏に惚れてるっぽく見えるのに、半年前に急に他の女にのめり込んだって事? 相手の女性はいったい何者なんだ?
航大の方がよっぽど奥さんに甘えてないか❓
矢代家のみんなは杏ちゃんを可愛がってくれているのに航大は杏のどこに不満があったんだろう?浮気相手とのメールのやり取りが気になる…
こんなにいいお嫁さんなのに(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)杏ちゃん居なくなったら、航大だけでなく、矢代家皆んな困る事になるよね。