・米国の医学誌『JAMA』に掲載されたイタリア・パドヴァ大学などの研究では、発症から4週間経過した軽症患者113人のうち、46人(40.7%)は味覚または嗅覚障害が完全には良くならず、12人(10.6%)は症状が変化しないまたは悪化していた。
・英国マンチェスター大学が7月31日、新型コロナに感染し退院から8週間が経過した121人を対象に調査したところ、8人が聴力の悪化、8人が耳鳴りの症状など、合わせて16人が聴覚の異常を報告。
・「キドニー・インターナショナル」誌の調査では、ニューヨークの医療法人の新型コロナ患者3分の1以上で急性腎障害が見られ、15%近くで人工透析が必要になった。
・イタリアのジョバンニ23世病院では600人近い新型コロナ患者の予後に、肺機能の障害が約30%、神経学的な問題が10%、心臓の問題が10%、慢性的な運動能力障害が約9%に見られる。
・ドイツのフランクフルト大学病院の研究チームが新型コロナから回復した100人以上の人々の心臓の健康を調べ、そのうち50人が感染前に健康で、57人が心臓病のリスクが高いグループに属していた。
等々、取り上げれば枚挙に暇がない。
では、なぜ海外のこうした研究や調査結果が国内で取り上げられることが少ないのだろうか。
都内の総合病院の内科医は、「多くの病気には後遺症がある。例えばインフルエンザ・ウイルスでも呼吸器やあるいは内蔵疾患につながることもあり、新型コロナの様々な後遺症を取り上げることに、あまり意味はない。それよりも、新型コロナを予防すること、感染初期の段階で治療し、重症化させないことの方が重要」という。
確かに新型コロナによる様々な後遺症を取り上げて“騒ぐこと”は適切ではないかも知れない。それでも若年層に対しては、多くの後遺症があり、新型コロナに感染しないことの重要性、感染予防の重要さを知らせるためには、重要な情報だと思うのだが。