WHOも日本政府も新型コロナの感染は、咳やくしゃみなどによる「飛沫感染」と主に口や鼻の粘膜から感染する「接触感染」によるものとし、そのための感染防止策として飛沫を除去するための“手洗い”や2メートルの“ソーシャルディスタンス”などを勧めている。
この他、新型コロナウイルスが変異しているという研究結果も多数見られている。直近では、海外メディアで8月17日に世界の複数の地域で確認されている「D614G」と呼ばれている感染力が10倍高いウイルス株の感染拡大が報道されている。
新型コロナは抗体が出来にくい、あるいは、空気感染する可能性、ウイルスの変異といった研究結果は、新型コロナからの感染を防ぐ国民の側からも、非常に重要な意味を持つものであり、当然、“お騒がせ報道”は避けるべきだが、研究機関や出典を明確にした上で、国民に注意を促すべき情報が多く含まれているのではないだろうか。
最近、特に目に付くのは新型コロナの後遺症に関するものだ。海外では多くの研究結果が発表されているにもかかわらず、国内ではほとんど報じられていない。
例えば、新型コロナにより全身の血管が炎症状態になる「川崎病」と類似した症状が発生するケースは一部のメディアで紹介されているが、この他にも新型コロナの後遺症としては以下のような研究結果が発表されている。
・イタリア・ジェメッリ大学病院などが7月、退院患者143人を追跡調査した結果、回復から平均2か月の段階で87.4%の患者に後遺症があった。目立ったのは、疲労(53.1%)、呼吸困難(43.4%)、関節痛(27.3%)、胸痛(21.7%)といった症状。
・中国の孫文大学第五附属病院が退院30日後の患者を調べたところ、半数以上に肺拡散容量の低下、呼吸筋力の低下、肺画像異常が認められた。