台風19号「水害は人災」 被災者グループが川崎市に賠償請求へ
2020年9月1日 06時00分
昨年10月の台風19号による浸水被害は「人災だ」として、川崎市内の被災者グループが30日、同市中原区内で開いた集会で、川崎市に損害賠償を求めて年内にも提訴する方針を明らかにした。今後、中原区や同市高津区で相談会を開催し、原告団への参加を働きかけるという。
集会を開いたのは、「台風19号多摩川水害を考える川崎の会」。事務局の船津了さんが約60人の参加者を前に、約7600人分の請願署名や要望書を提出してきた経緯を説明し、「市は責任を回避する答弁を繰り返すだけ。司法に訴えるしかない」と語った。
昨年の浸水被害は、多摩川河川敷の山王排水樋管(中原区)など、市が管理する排水ゲートを通じて、増水した多摩川の泥水が、武蔵小杉駅周辺などの市街地に逆流したとされる。
集会で、西村隆雄弁護士は「今回の水害は、ゲートを閉めないという市の判断の誤りの結果だ。想定外の自然災害ではなく人災」と指摘。1999年に和解が成立した川崎公害訴訟の経験も踏まえて「集団訴訟を勝ちきるには大きな原告団が必要」とも語った。
訴訟では、真相究明とともに損害賠償などを求める方針で、10人近くの弁護団を結成する準備に入っていることも明らかにした。
台風被害から1年になる10月12日にも、中原区上小田中のエポックなかはらホールで集会を開催予定という。問い合わせは、事務局の船津さん=電044(434)4290=へ。(石川修巳)
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