「五月末決着」まで一ヶ月を切った今月4日、鳩山総理が初めて沖縄を訪問しました。
総理はこれまで「国外」「最低でも県外」と散々あおってきたにもかかわらず、いまさら「県外は難しい」と表明し、沖縄県民の怒りを招いています。

しかもその理由として、「海兵隊が必ずしも抑止力として沖縄に存在しなければならないとは思っていなかった」という安全保障における見識の低さをもさらけだしました。
先月には日米同盟のほころびを見て、中国軍の示威行為、韓国の竹島への対応など、早くも近隣諸国は日本政府の出方を試すような行動に出ています。
日本がこのような厳しい状況にある中、総理大臣の安全保障に対する認識がこの程度であることに愕然とします。

鳩山総理は自民党案にしたくない一心で、杭打ち桟橋方式を念頭に自民党の埋め立て方式を否定し、環境への配慮をアピールしています。
この杭打ち桟橋方式は自民党政権下で検討した結果、テロの危険性などから断念した経緯があります。
この方式は環境に良いどころか、数千本の杭を打ち、日光を遮ることからサンゴなどの生態系への影響が現行案より大きい可能性すらあります。
鳩山政権は過去の検討作業の成果を活用しようとせず、認識の浅いままに自民党政権下で断念した案を持ち出してきては、
地元や米国を振り回しているに過ぎず、「命懸け」で努力をした形跡は全くみられません。

これまでの自民党政権は、沖縄現地の負担を軽減しながら抑止力も維持していくという基地問題の解決に向けて、丁寧に地元との対話を重ね、信頼関係を作り上げてきました。
米国と地元沖縄が合意できる唯一の案として辺野古への移設を決め、環境アセスの現地調査も終了し、いよいよ着工の段階まできていたのです。
それが今や基地問題の解決は絶望的な状況になってしまいました。

鳩山総理は国民の生命・財産を守ることの責任の大きさを理解せず、その場しのぎの対応を繰り返した挙句、「最低でも県外」とは「党代表としての発言で党の公約ではない」と責任逃れすらしています。
軽薄な考えと稚拙な政治手法で事態を混乱させた鳩山総理の責任は大変重いものです。
鳩山内閣は、即刻退陣して国民に信を問うべきです。