今週16日に、「子ども手当」「高校無償化」の両法案が衆議院を通過し、年度内に成立する見通しとなりました。
民主党は重要法案と位置づけているにもかかわらず、わずか1週間の審議で採決を強行しました。

「子ども手当」法案には矛盾や欠陥が数多く含まれています。

まず、財源の問題です。
子ども一人当たり2万6千円(初年度は1万3千円)を支給するためには、毎年5兆3千億円(初年度は約2兆3千億円)の財源が必要になります。
財源確保の見込みはなく、今後は国債の発行に頼らざるを得ないため、結局、子どもたちの世代に借金返済のツケを回すことになります。

支給対象も問題です。
外国人が日本国内に住んでいれば母国に残している子どもにも支給される一方で、親が海外に住む日本人の子どもや児童養護施設・里親などの子どもたちには支給されません。

また、これだけの公費を投じるにもかかわらず、政策目的が不明で、支給額の根拠もなく、政策効果の評価もなされていません。
少子化対策であれば、第2子以降により多く支給すべきです。
生活支援であれば、所得制限を設け、低所得の家庭により手厚い支援をすべきです。
景気対策であれば、景気刺激の効果がより高い事業に予算を使うべきです。

「高校無償化」法案も同様です。
金正日総書記の肖像画を教室に掲げ、日本を敵国視する教育を行っている朝鮮学校の取り扱いについても、いまだ政府・民主党内で結論を出せずにいます。
日本人の拉致に主導的な役割を果たしていた朝鮮総連の配下にある教育機関に、日本の税金を使って支援すべきではありません。

これらの法案の根底にある「子どもは社会全体で育てる」という民主党の考えは、家庭の役割を軽視したもので、「自助」の考えが欠如しています。
自民党は、子育ては一義的には家庭が担うべきであり、その家庭を社会が応援するという考え方です。
現金支給だけのバラマキではなく、子どもの医療費無料化、保育サービスの充実、放課後児童クラブの拡充、低所得者を支援する給付型奨学金の創設など、子どもの成長に合わせた切れ目のない支援策を提案しています。

民主党が法案成立を急いだ背景には、今年7月の参院選の選挙対策として、マニフェストの目玉政策を早期に成立させたいとの思惑があります。
民主党は国益よりも党利党略を優先してバラマキを拡大しており、このままでは将来に大きな禍根を残します。
我々は日本の将来を見据え、粘り強く民主党の政策を正してまいります。