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みなとみらい線の馬車道駅改札でいつも流れている曲っていったい何?

みなとみらい線の馬車道駅改札でいつも流れている曲っていったい何?

ココがキニナル!

みなとみらい線の馬車道駅の改札口は、いつも曲が流れています。馬車道の歌のようですが、どなたの曲で、どのような意味で流されているのですか(Aloha.Rickyさん)

はまれぽ調査結果!

曲は馬車道150周年を記念して作られたイメージソング、2voiceの『面影とともに』。みなとみらい線でも街の風景をイメージできる曲として、2017年10月から流されている。

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ライター:はまれぽ編集部

みなとみらい線馬車道駅の構内で、「馬車道」をテーマにした曲が流れているという今回のキニナル投稿。早速、現地でその曲を調査してみることにした。
 


ドーム状構造の駅構内
 

スピーカーから、確かに曲が流れている

 
駅の改札から入ってすぐの場所に設置されたスピーカー。そこから、情緒たっぷりに歌い上げられた曲が流れている。じっくりと耳を傾けていると、歌詞には確かに馬車道らしいキーワードが散りばめられているようだ。

調べてみると、この曲を歌うアーティストは男女デュオの「2voice」。原順子(はら・じゅんこ)さんと叶央介(かのう・おうすけ)さんの夫婦で活動する歌手ユニットだ。
2voiceの二人が前身となるユニットを結成したのは2013(平成25)年だが、二人はもともと一世を風靡したコーラスグループ「サーカス」として活動してきたという実績の持ち主。
 


結成35周年を機に「サーカス」を離れた夫婦デュオ

 
そんな二人が歌う「馬車道の歌」、曲名は『面影とともに』というらしい。

楽曲や歌詞の権利関係が煩雑なのはご承知の通りだが、著作権法に基づいて、馬車道らしいフレーズの一部を抜粋してみよう。

人生はいつも突然だから
悲しみに泣いたあの日

面影がそばにいてくれるなら
幸せは続くことでしょう

二人歩いた道の向こうに
夕焼けが見える

あなたと歩く馬車道あたり
煉瓦色の街

作詞:岩里祐穂/作曲:原順子『面影とともに』より


馬車道といえば、歴史ある街並みと新たな開発の交わる場所。そんな馬車道の思い出を振り返る抒情溢れる歌詞は、街が持つノスタルジーを表現するのにふさわしいと思える。いったいどのような経緯で作られた曲なのだろう?



『面影とともに』誕生秘話

まずは『面影とともに』の背景から調査を開始した。
曲の制作に携わった方にお話を伺うことができるということで、馬車道商店街に位置する「関内ホール」へ向かう。
 


馬車道駅からすぐの立地

 
tvkコミュニケーションズ、テレビ神奈川(tvk)などが中心となって管理運営を行う横浜市市民文化会館「関内ホール」は、2018(平成30)年9月にリニューアルオープンを迎えたばかり。内装やロゴなどが刷新されたほか、建物裏に「バックストリートギャラリー」を設置して、馬車道の歴史に関する貴重な資料を展示している。
 


馬車道の過去を知る人も減る中で、街の資料を残すことにした

 
リニューアル後のイメージ戦略を先導してきたのが、館長の山崎哲央(やまざき・てつお)さん。この方こそ、『面影とともに』の誕生に深くかかわっているのだという。
 


館長就任後、馬車道の歴史についても勉強したそうだ

 
山崎さんは、「2voiceの『面影とともに』は、馬車道商店街に認められた公式イメージソングです。2017(平成29)年の馬車道150周年を記念して製作されました」と説明してくださった。

2016(平成28)年から関内ホールの館長に就任した山崎さん。それ以前はテレビ神奈川で、音楽番組などの制作に携わっていた。

幕末の横浜開港に際して馬車道が整備されたのは1867(慶応3)年。山崎さんが赴任した2016年6月ごろ、馬車道の150周年を前に、tvkで馬車道の歴史を振り返る特別番組「横濱馬車道物語」を制作することになったという。
 


150年の歴史を振り返る記念番組だ(番組公式HPより)

 
番組の企画・プロデュースを担った山崎さんが館長を務める関内ホールでは馬車道商店街と連携する機会も多く、「番組に使う曲を馬車道150周年の公式イメージソングにできれば双方にとってメリットがあるのでは」と考えた。

そこで、つながりの深い音楽業界の関係者に相談したところ、ちょうど「2voice」が2016年秋にファーストアルバムを発売する予定ということで、その中にふさわしい曲を入れてもらえるという話が急展開で決まっていったという。
 


2voiceの二人は快諾してくれたそう(公式HPより)

 
「すでに2voiceの原順子さんが作曲していた候補曲の一つに、馬車道の150周年イメージソングを意識して作詞家の岩里
祐穂(いわさと・ゆうほ)さんが詞をつけてくださいました」と山崎さん。

作詞に際しては、山崎さんからも「馬車道らしいキーワードを入れてほしい」とお願いをし、引用歌詞にある『煉瓦色の街』などのフレーズが追加された。
 


レンガ造りの街並みが印象的な馬車道の雰囲気

 
実際に放送された番組では、ナレーションと被らないように英語歌詞バージョンの『面影とともに』が流された。アルバムに収録された日本語の曲は無事に馬車道商店街に受け入れられ、公式イメージソングに。150周年を記念した「馬車道まつり」などで曲が流され、話題を呼んだ。

「馬車道商店街協同組合の六川勝仁(ろくかわ・かつひと)理事長が音楽好きで、曲を気に入ってくれました。150周年を記念した曲ということで、今でも馬車道商店街で大切にしてくれているようです」と山崎さん。
 


以前、はまれぽの取材に応じてくださった六川理事長も応援(過去記事より)

 
2voiceの二人も、関内ホールで行われた神奈川フィルハーモニー管弦楽団のコンサートゲストとして馬車道を訪れ、『面影とともに』を披露したそうだ。
 


2017年11月に馬車道でイメージソングを歌い上げた(馬車道商店街公式HPより)

 
曲の正体が分かったところで、キニナルのは『面影とともに』が、なぜ駅でも流されることになったのか。

横浜高速鉄道株式会社に、事の真相を伺うことにした。



 

地域の特色を「地下の駅」にも!
 


元町・中華街駅の横浜高速鉄道へ!
 

対応してくださったのは、経営管理部長兼プロジェクト推進室長の大石龍巳(おおいし・たつみ)さんと、経営企画課主任の北爪宏昌(きたづめ・ひろまさ)さん。
 


馬車道駅でのイメージソング放送に関わったお二人

 
「もともと、横浜高速鉄道では地元の商店街とイベントでの連携をはじめ、さまざまな形でお付き合いがありました。そうした中で、駅でイメージソングを流せないか、という打診がありました」と大石さん。

「横浜高速鉄道では、シーズン中に横浜スタジアムに近い日本大通り駅でDeNAベイスターズの球団歌『熱き星たちよ』を流したり、都市緑化フェアに合わせてみなとみらい駅でキャンペーンソングを流すなどの取り組みを行っていましたが、歌謡曲は初めて。馬車道駅でのBGMが受け入れられるかどうか、心配な面もありました」と振り返る。
 


ベイスターズ推しの日本大通り駅では球団歌を流している(写真は過去記事より)

 
導入に当たっては、構内での音楽の聞こえ方や、案内音声の邪魔にならないかなどを慎重に検討。『面影とともに』の日本語版と英語版、馬車道のガス灯をモチーフにしたキャロル山崎さんの『Gaslight In The Twilight』の3曲を150周年の年である2017年10月から12月まで、期間限定で流してみることになった。

その結果、乗客からの評判は上々。「素敵な曲だけど、誰が歌っているの?」といったお問い合わせもあったそうだ。商店街から使用を認められたこともあり「期間限定ではなく馬車道駅のBGMとして採用させていただくことになりました」というのがこれまでの経緯だ。
現在も、馬車道駅構内では上記の3曲が流されている。
 


絶妙な音量なので、利用客が多いと聞こえにくいかも?

 
また、横浜高速鉄道ではみなとみらい線の各駅と駅周辺地域とのつながりを大切にしており、その理念と合致したこともBGM採用のきっかけになった。

「2019年に15周年を迎えるみなとみらい線は、地下を走るため駅から地上が見えず、地上からも駅の存在は見えません。ですが、駅はいわば街の顔であり、中心。各駅では地域の特色を強く打ち出していきたいと思っています」と大石さん。
 


みなとみらい線の駅ごとにテーマを設定しているそうだ

 
馬車道駅のテーマは、「過去と未来の対比と融合」。歴史ある建物が多く残る関内地域と、開発の進むみなとみらいをつなぐ場所にあるためだ。ドーム状の馬車道駅の構造も、歴史的な雰囲気と最新技術の融合を象徴している。

地下にドームを作るのは技術的にも大変なことだが、それだけに駅がコンセプトを重視して作られていることが分かる。BGMを流すことを想定したわけではなかったそうだが、ドームに『面影とともに』のメロディが響くと、曲の雰囲気を一層引き出すように感じる。その魅力は、ぜひ現地で体験してみてもらいたい。
 


BGMが、駅の中にも「馬車道らしさ」を表現している

 
馬車道駅での成功を受けて、横浜高速鉄道では今後もイメージソングの放送を続けるほか、曲の追加や更新も検討していくようだ。身近なあの駅でどんな曲が流れてほしいか、考えてみるのも楽しいかもしれない。



取材を終えて

近代的な街並みと、歴史ある風景が同居する馬車道という街。駅で流れる『面影とともに』のノスタルジックな雰囲気をまとっているが、その取り組みは未来を見据えたものでもあった。

開発が進む馬車道では、高層マンションや横浜市の新庁舎建設なども着々と進む。2020年には副駅名が付き、「馬車道(横浜市役所)」になることも発表されている。
 


市役所建設も進み、変貌を遂げようとしている馬車道(過去記事より)

 
変わりゆく歴史と未来の街に足を運んだ際には、駅に流れるメロディにも耳を傾けてみてもらいたい。


ー終わりー


2voiceオフィシャルウェブサイト
https://www.2voice.jp/homenews
 

 

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  • おしゃれに演出してる割に、駅の二階ではホームレスが寝ています。これを含めて横浜だという人もいますが、自分は嫌です。

  • 岩里さんの名前が、岩崎となっている部分があります。
    早めに修正した方がいいと思います。

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