夕食会場と宿泊先は別 15年桜を見る会ツアー文書

2019年11月20日 02時00分
 安倍晋三首相主催の「桜を見る会」前日の夕食会を巡り、二〇一五年に首相事務所名でツアー参加者に配られた文書の記載では、会場と宿泊先のホテルが異なることが分かった。五千円という夕食会の会費が安過ぎるとの指摘に首相は「参加者の大多数が宿泊者という事情などを総合的に勘案してホテル側が設定した」などとしており、疑問や詳細な説明を求める声が強まりそうだ。
 夕食会は一三年から毎年開かれ、一五年と一七年以降の会場はホテルニューオータニ、他はANAインターコンチネンタルホテル東京だった。今年のツアーの宿泊先は夕食会と同じホテルニューオータニだったとみられる。一五年、一七年、一九年のツアーの夕食会会費は、文書などから一人五千円だったと確認できる。
 一五年のツアー参加者に配られた桜を見る会の注意文書には、当日の移動用バスに関し「宿泊先ホテル(全日空ホテルもしくはホテルオークラ東京)の出発時間が七時になります」と記され、夕食会が開かれたニューオータニは含まれていない。
 参加者の一人はニューオータニには宿泊していないと証言し、「桜を見る会のツアーバスは計十台ほどで、オークラ発が二、三台、残りはANAだった」と振り返る。
 一七年の日程表でも、宿泊先ホテルは「ホテルニューオータニ」「ANAインターコンチネンタル」の二つとされた。夕食会場のニューオータニと宿泊先が別だった人が一定程度いたとみられる。
 一方、今年のツアーではホテルに関し、「あべ事務所で手配(宿泊先・ホテルニューオータニ)」か「自分で手配」を選ぶことができた。
 夕食会の価格設定や宿泊者数についてホテルニューオータニの担当者は取材に「利用客に関する問い合わせは受けかねる」と回答した。
 ANAインターコンチネンタルホテル東京の担当者は「ホテルが答える立場にない」と話した。山口県下関市の首相地元事務所の秘書は「コメントできない」とした。

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