ボイスチェンジャーがないと話せない・親が死んでも葬儀屋への電話ができないひきこもり達 ~ネット配信者が仲介役に~

動画障害者ルポ

【動画配信者が支援者となりうる】

原科さんは知り合いの葬儀屋をゲストに招き、親が死んだときにどういった手続きをすればいいのか説明する企画もしたことがある。

 

 

ひきこもりたちの悩みは、一度も葬儀屋と関わらずに、葬儀をすることができないかだったという。

 

直葬(通夜や告別式などの儀式を一切行わず、自宅や病院から遺体を直接火葬場に運び、火葬によって弔う葬式のこと。密葬や火葬式と言われることもある)の説明もした。

 

また、親とすら顔を合わせないひきこもりも多いため、親が死んでも数日気づかないという懸念もある。

 

「親が死んで気づかなくても、救急車を呼んで手続きをすれば犯罪にならないということを知って、ホッとしているリスナーもいました」

 

コミュニケーションが苦手でひきこもっている人たちが親が死んだからといって、突然コミュニケーションがとれるようになるわけではない。そういった情報の発信は大切だ。

 

「生主(ニコニコ動画の配信者)が唯一の話せる人だという人もいます。なので、YouTubeも含め、動画配信している人たちが、相談されたときにどういった支援制度があるかという情報を知っていれば支援者になり得ますよね」

 

現在、ニコニコ動画やYouTubeなどで、動画配信をしている人は非常に多い。特にニコニコ動画はひきこもりのたまり場のようになっている側面もある。動画配信者が支援者になれば、今のひきこもり支援の状況は、大きく変わる可能性がある。

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