「在日特権を許さない市民の会(在特会)」の桜井誠元会長が2019年、九州朝鮮中高級学校(北九州市八幡西区)近くでした街頭演説を、福岡法務局がヘイトスピーチと認定したことが29日、学校関係者への取材で分かった。同局が26日、学校側に伝えた。
学校側によると、桜井氏は19年3月11日、北九州市八幡西区のJR折尾駅北口で、福岡県議選の候補者の応援演説をした際、登校する生徒らの前で「朝鮮人は危険」「おまえら日本から出て行けと言われて当たり前」と発言した。
演説はインターネット上にも公開され、学校側は「甚大な精神的苦痛を被った」として19年7月、法務局に人権救済を申し立てていた。
法務局はヘイトスピーチ解消法が定める差別的発言に該当すると認定。一方、他人の権利を侵害したかは分からないとして、人権侵犯の有無は不明確とした。
学校を運営する法人の尹慶龍理事は「生徒たちにとっては大きな心の傷となった。法務局は再発防止のための活動を徹底してほしい」と話した。〔共同〕