院長ブログ

今後のブログについて

2020.3.21

今後の情報発信は、noteをメインにやっていこうかと思います。
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https://note.com/nakamuraclinic/

慢性上咽頭炎2

2020.3.19

そもそも、慢性上咽頭炎という病名を提唱したのは日本人で、山崎春三(1895~1977)である。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkoka1947/67/12/67_12_1663/_article/-char/ja
この論文では、上咽頭の炎症によって以下のような症状が出現しているとする。
肩こり、首こり、後頭部しびれ、鼻咽頭上壁の異物感(患者は「のどが何か気持ち悪い」という)、後鼻漏、鼻閉(鼻のつまる感じだが、鼻水は少ない)、かすみ目、嗄声または鼻声、胃部不快感(胃痛というか「何か胃のあたりが気持ち悪い」という)、便不整(便秘と下痢)、うつ、取り越し苦労、易怒性、めまい、頭重感、開口障害、顎関節痛、しびれ(四肢)、耳閉塞感など。
患者が言いそうな「何となく調子悪い」の一通りが、だいたい網羅されているようだ。
山崎氏はこれらの疾患群を、鼻咽腔症候群と名付けた。「慢性上咽頭炎の局所症状」+「自律神経障害」といった感じである。

鼻咽頭症候群は、現代日本に山のようにいる。ただ、医者のほうにその疾患概念がないため、診断されずに見過ごされているだけである。
仮に鼻咽頭症候群の患者がうちに来院したとしたら、僕はどうするだろう?
肩こりですか。血流が悪いんですね。ビタミンEを飲みましょう。のどに違和感がある?貧血と言われたことはありますか?ない?じゃ、半夏厚朴湯で様子を見ましょう。胃が気持ち悪い?胃粘膜保護に亜鉛を飲みましょう。手足のしびれる感じ?うーん、糖尿はない?困ったな。筋神経症状ということで、マグネシウムやビタミンB群を試しましょうか。うつっぽいし、イライラする?普段日光には当たりますか?ビタミンDを飲みましょう。
オーソモレキュラー的にはこんな雰囲気でアプローチしてしまいそうだ(実際にはこんなにたくさんサプリを勧めないけど)。
山崎先生に言わせれば、「完全に的はずれ」ということになるだろう。本丸の鼻咽頭を放置して、遠回りにガチャガチャとかき乱しているようだ。

鼻咽腔症候群の症状の一覧を見ながら、山崎氏はふと、気付いた。「大人が訴える症状ばかりだ。子供の主訴としてはほとんどあり得ない」
確かに、肩こりやかすみ目をグチる”おっさん”みたいな子供はあまり見かけない。ここから、山崎氏はアデノイドとの関連を着想した。
幼児の上咽頭にはアデノイドがあるが、5歳くらいが大きさのピークで、その後退縮し、17、18歳頃には消退(瘢痕化)する。アデノイドがあることによって、これらの症状の発生が抑制されているのだろう。

山崎氏は鼻咽腔症候群の仮説を、多くの実験を通じて検証した。
たとえば、患者の上咽頭壁にアドレナリン(血管収縮薬)0.2mlを注入したところ、直後からヒステリー球(のどに何かがつまった感じ)などの鼻咽腔症候群が出現し、2週間にわたって持続した。
ヒステリー球の原因は、貧血、甲状腺疾患、胃腸障害など様々に言われているが、現在も定説はない。そういうなかで、すでに百年近く前に、のどの違和感を人工的に作ることに成功した研究があったとは、驚くべきことだと思う。
この研究は現代なら「人体実験だ」などと批判されて公に発表できないだろう。しかし、なにぶん1920年代である。こういう研究がけっこうできちゃった時代、ということである。
また、心停止したウサギの上咽頭壁の一側(左右どちらか)にアドレナリンを注入したところ、死後2時間までは諸臓器の半側性変化が確認された。
どういう意味か、わかりますか?
心臓が止まっているということは、循環、つまり血流が止まっている。その状態で咽頭に注入したアドレナリンが各器官に作用したということは、血行性にではなく神経伝達によって影響が生じたことを意味している。
堀田氏の提唱するBスポット療法は、塩化亜鉛をしみこませた綿球を細長い鉗子でつまんで鼻の奥にいれ、Bスポットをちょんちょんと擦過する。
山崎氏の実験からこの作用機序を推測すれば、塩化亜鉛の成分が血流によって全身に運ばれ各臓器で抗炎症作用を発揮したというよりも、Bスポット擦過による迷走神経刺激か、あるいは擦過による局所瀉血がうっ血改善に寄与した可能性が考えられる。

ちょうどHPVワクチンの後遺症による問題がマスコミで取り沙汰されていた頃のことである。どこの病院でも心因性だと言われ、「どこかに真の治療法を知る医師がいないものか」とドクターショッピングを繰り返すワクチン後遺症患者の存在を知り、堀田修医師は胸を痛めていた。

堀田医師は、HPVワクチンによる後遺症に悩む患者の症状(頭痛、めまい、全身倦怠感)が、上記の慢性上咽頭炎、慢性疲労症候群、線維筋痛症と似ていることに気付いた。
千人以上のIgA腎症患者にBスポット治療を行い、「頭痛(めまい、疲労感)が治った」という患者の声を無数に聞いていた堀田医師は、HPVワクチン後遺症にもBスポット治療が効くのではないかと直感した。

いわゆる”ニンニク注射”を受けたことがあるだろうか?
ニンニク注射は、本当にニンニクの水溶液を注入するわけではない。成分としてはビタミンB1(フルスルチアミン)だが、注射を受けると患者はなぜかニンニクのにおいを感じることからこう呼ばれている。血中に注入した成分のにおいを感じるこの現象は、嗅覚障害を検出するために使われている(アリナミンテスト)。
この例からわかるように、点滴で血中に直接入れた成分は、すばやく全身をめぐって、上咽頭に分泌される。成分に何らかのにおいがあった場合、嗅神経が感知するが、においの有無にかかわらず、血中成分は絶えず上咽頭の免疫系をろ過されているのである。
HPVワクチンに含まれるアジュバントが、この上咽頭トラップに引っかかる。その際、一部の人(血中の抗炎症物質の濃度が低いなど)では上咽頭の炎症が大脳辺縁系に波及し、その結果、様々な機能障害や自律神経障害が出現する。
堀田医師のこの仮説を立証するように、多くのHPVワクチン後遺症患者がBスポット治療によって軽快していった。
このすごさが分かるだろうか。
HPVワクチン後遺症という、一般の医療では成す術のない症状に対して、堀田医師は独自の仮説で挑み、見事に成果をあげた。すばらしい仕事だと思う。

僕は、このBスポット治療を自分のクリニックでも取り入れたいと思った。
何をやってもよくならない、という患者に効く可能性のある治療なら、何だって試してみたい。
ただし、Bスポット治療には唯一、欠点がある。それは「痛い」ことだ。特に上咽頭に炎症があって各種の症状が出現している人(つまり、Bスポット治療を一番やるべき人)では、最も強く痛みが出て、かつ、最も多く出血する。
耳鼻科医でもない僕が使い慣れない鉗子を使ってこんな処置をやったとしたら、患者は二度と僕のところに来なくなると思う^^;
何とか他のやり方がないものだろうか?
要するに、上咽頭に刺激を与えてやればいい。となれば、直接的な擦過でもなくとも、鼻うがいでいいのではないか?
また、塩化亜鉛は本来研究用にのみ使用が認められている試薬で、入手にはサインがいるなど、ちょっと手間がかかる。一般にサプリとして使用されている液体の硫酸亜鉛で代用できないか。
このあたりの疑問を、堀田修医師に直接メールして聞いてみたところ、先生からお返事を頂いた。硫酸亜鉛による鼻うがいでも一定の効果は期待できる、とのことだった。
慢性的な不調に悩む人は、一度液体亜鉛による鼻うがいを試してみるといいだろう。

参考
『道なき道の先を診る』(堀田修 著)

慢性上咽頭炎1

2020.3.18

サザンの曲にあるように、マンピーにあるのはGスポットだけど、Bスポットと聞いて何か分かりますか?

Gスポットというのは、発見者の名前(グレフェンベルクの頭文字G)に由来するれっきとした解剖学用語だ(エロワードではございません^^)。
一方Bスポットというのは、上記の本(1984年初版)の出版にあたって著者が考えた造語なんだな(鼻咽腔(Biinkuu)のBにちなむ)。だから、一般の医者もこの言葉を知らない。

患者に勧められたことをきっかけにこの本を読み始めたのだけど、衝撃を受けた。
ときどき、こういう名著に出くわす。”Orthomolecular medicine for everyone”もそうだし”Proof for the cancer-fungus connection”を読んだときもそうだった。
「できるだけ多くの人がこの事実を知るべきだ」という使命感のようなものを感じた。こういう衝動を催させる本は、多くはない。
もっとも、この本は英語ではなく日本語で書かれているから、僕が翻訳を頑張る必要はない。「いい本だから、買って読んでね!」でおしまい。
そうではあるが、僕の切り口から、この本がなぜ、どのようにすごいのかを紹介しよう。

僕はものごとを系統的に把握するのが好きなんだな。
たとえば英単語を覚えるにしても、一個一個覚えていくよりは、できるだけ語源で覚えたい。暗記の労力が節約できるのはもちろん、見通しがよくて、記憶の定着もいい。
同様に、病気の原因を考えるときにも、「なぜその病気になるのか(なぜその症状が現れるのか)」を、広く説明する理論に魅力を感じる。
一般の内科学では風邪の薬、インフルエンザの薬、結核の薬、破傷風の薬など、個別の対処法をウンヌンするが、オーソモレキュラーでは「感染症にはビタミンC!」と上流で一気に抑える。簡潔にして明瞭だ。
「病気は外側からのみならず、内側からも生じる」として、カビ(内因性のカビ(CWDs)も含めて)の存在を説く理論を以前のブログで紹介した。一見別々と思われる病気が、カビ毒という一本の糸でつながっている。この理屈も僕好みだな。
そう、「簡単な原理原則で、多くの事象を説明できる」これが、”いい法則”の条件だと思う。

そういう意味で上記著書『堀口申作のBスポット療法』はすばらしい法則を提示している。
それは、「一般に治癒困難とされている慢性的不調(頭痛、肩こり、めまい、倦怠感、関節リウマチなど)は、すべてBスポット(鼻腔ないし上咽頭)の炎症に起因しており、ここにBスポット療法(1%塩化亜鉛をしみこませた綿棒を擦り付ける処置)を行うことで治る」というものである。
堀口氏は30年以上にわたる臨床経験のなかで、無数の難治患者をこの治療法により救ってきた。症例数の膨大さが、この治療の有効性を何より雄弁に語っている。

堀口氏はすでに故人(1908~1997)である。
東京医科歯科大学耳鼻咽喉科の教授時代には、自身の開発したこの治療法を学会などでも積極的に発表したが、保険点数の低く、かつ侵襲的で患者に強い痛みをもたらすこの治療法は、医師からも患者からも評判が悪かった。教授を退官してしまえば、後継者に恵まれなかったこともあって、この治療法はすたれてしまった。ほとんど注目されることなく、不遇の晩年を送った。

確かに、一般受けしにくいだろうと思う。にわかには信じがたい主張だから。
「鼻の奥、のどの奥に、ちょっとした処置をするだけで万病が治るだって?バカも休み休み言え」という声が、医者だけでなく一般の人からも聞こえてきそうである。
しかし、近年ネットの口コミを中心に、Bスポット療法に興味を持つ人が急激に増えている。実際、上記著書は2018年に復刻されるまで絶版となっていて、一時はアマゾンで1万5千円以上に高騰していた。
結局のところ、患者は本物を求めている。多少痛みを伴う治療であっても、それによって真に回復するのであれば、患者はすすんでその治療を受けるものである。
Bスポット療法は、時の経過に耐えて、いまや”知る人ぞ知る治療法”として、ネット界隈で着実な広がりを見せている。

部分と全体、というのは一般に対義語とされている。
しかしこれらの概念を、単純な二項対立ととらえては本質を見誤る。むしろ、部分の中に全体があり、全体のなかに部分があるという、相補性を見出さなくてはいけない。
たとえば、マッサージ。
「足裏のここのツボは肝臓に、ここは目に効く」「耳のここを押すと腎臓に、ここは消化器に効く」などという表現は、「足裏(あるいは耳)という局所に、全身が照応している」ことを踏まえたものである。東洋医学の叡智は、大昔から部分と全身の相関を見抜いていた。
同様に、鼻咽腔は、局所でありながら全身に影響を及ぼす。そもそも解剖学的には、鼻咽腔は、吸い込んだ空気が一番最初に突き当たる”関所”である。
空気には微細なほこりやゴミ、病原菌などのよからぬものも含まれているから、その関所が重要な免疫機能を担っていることは、むしろ当然である。
このことは、嚥下した食塊から体に取り込むべき栄養素と有害な不要物を弁別する小腸に免疫機能(パイエル板)が集中していることと相似をなしているようだ。

ひとつの体内にありながら位置的に離れた臓器同士が、それぞれに影響を与え合う現象が知られている。
有名どころでは、「腸脳相関」である。腸と脳が自律神経や液性因子(ホルモンやサイトカイン)を介して密接に関連している。
医者なら「心腎相関」も知っている(国家試験に出るので^^;)。心疾患(特に動脈硬化、心筋梗塞)と腎疾患(特に慢性腎臓病)が互いに影響しながら悪循環に陥るという概念である。
同様に、上咽頭と大脳辺縁系の間に密接な関係があるとする仮説「上咽頭・大脳辺縁系相関(epipharynx-limbic system interaction)」が近年提唱されている。
上咽頭に処置(Bスポット療法)することで、めまい、けいれん、視力障害、睡眠障害など、むしろ大脳辺縁系に起因すると思われる症状が改善する機序が、この仮説によって説明できる。
長くなりそうなのでまた次回に。

本当の死因

2020.3.17

心臓発作で急に亡くなった政治家や有名人、といえば誰が思い浮かびますか?
これは、普通の亡くなり方ではない。健康な人は、急に心臓が止まったりしない。なぜ、こんなことが起こるのか?
人間の病態生理には必ず理由がある。心疾患による死亡であれば、死亡診断書には具体的にその死因(心不全以外)が記載されるべきだけど、多くの場合、心不全の背景は不明である。
なぜ「不明」に終わってしまうのか?
医者の無知がその一因だと思う。

たとえば、放射線被爆によって心疾患や糖尿病が起こり得ることは、現在の医学部教育では教わらない。
動物実験で明らかに示されているのに、広島や長崎、チェルノブイリの被爆者の研究で明らかに示されているのに、放射能によるそういう毒性は「ないこと」になっている。
ストロンチウム90が体内に取り込まれれば、ベータ崩壊して(放射線を放出して)イットリウム90になり、骨、肺、心臓、生殖器などに移動するが、最も高濃度に蓄積するのは膵臓である。
各臓器に取り込まれたイットリウム90はさらにベータ崩壊を起こし、各臓器の内部被爆を引き起こす。
骨の異常は白血病、心臓の異常は心停止、生殖器の異常は不妊や奇形児、膵臓の異常は糖尿病、膵臓癌という具合に、様々な症状として現れる。
ストロンチウム90の物理学的半減期は30年、特に骨に取り込まれたストロンチウムの生物学的半減期は50年である。体内からなかなか排出されず、ゆっくり体をむしばむことになる。
年単位で仕込まれた時限爆弾である。なるほど、「ただちに影響はない」かもしれない。
しかし、その長期的な毒性を軽視すべきではないし、そもそも毒性について「医学部で教えていない」なんていうデタラメがあってはならない。
しかしそのデタラメがリアルなのが、日本の医学部教育である。だから日本の医者は急な心停止を見ても、死因として「放射線被爆」という鑑別診断を挙げようがない。
「教えられていないから、わからない」まぁ当然の話だな。

なぜ教えられていないのか?
この理由は様々だろう。政府の意向、製薬会社の思惑などもあるだろうが、ここでは、軍事的な観点から考えてみたい。
そう、「かつては軍事機密に属したが、後に一般に公開された技術」は数多い。
有名どころではインターネット(中枢が存在しないことにより、一部の通信経路が破壊されても迂回して情報伝達ができる)、医療用エコー(潜水艦の場所を探索するソナーの技術を応用)、電子レンジ(軍事用レーダーを転用。実際アメリカで販売当初の商品名は『レーダーレンジ』だった)、カーナビが挙げられる。
もちろん、公開されずに軍が機密として秘匿している技術も無数にある。
ただ、さすが民主国家アメリカだなと思うのは、情報公開請求に対して、ときどきびっくりするようなカミングアウトをすることである。
2006年12月、アメリカ陸軍は極秘にしていた電磁波兵器の存在を、以下の文書(“Bioeffects of Selected Nonlethal Weapons”)のなかで公表した。
https://www.wired.com/images_blogs/dangerroom/files/Bioeffects_of_Selected_Non-Lethal_Weapons.pdf
電磁波によって幻聴やてんかんを起こしたり、果ては殺すことさえできる。
当局にとって不都合な言動を行う人物を、あからさまなやり方で殺すことは、見せしめの場合を除いて、近年ではほとんどない。
たとえばジョンFケネディーがパレードの場で暗殺されたが、VIPをああいう衆人環視のもとでの殺すということは、21世紀においてはまずあり得ない。
なぜか?
そういう殺し方は、「合わない」んだ。
多くの関係者が動いて殺人のおぜん立てをするとなっては、秘密保持が難しい。どこでぼろが出ないとも限らない。真相に迫ろうとするジャーナリストが後を絶たない。
つまり、派手な殺し方は、当局にとって、後処理が何かとやっかいで、わずらわしいことこの上ない。
何もそんな殺し方をすることはない。もっとスマートな方法がある。
たとえば、対象者を癌に罹患させることもできるし、心臓発作を起こさせることもできる。自然死を装うことができるわけだ。
『心臓発作や癌を人為的に起こして対象者を暗殺するCIAの手口』

たとえば、アーロン・ルッソ(911の秘密を曝露)は膀胱癌で、金子勇(ウィニー開発者)は心筋梗塞で、安保徹(「薬をやめると健康になる」と主張)は大動脈解離で亡くなった。
そういうことになっている。
そういうことにしておいたほうが、世の中はきっと丸く収まるだろう。
ただ個人的には、そんなふうに丸く収めたくないと思っている。
「静かな反乱」が起きればいい、と思っている。そしてそういうことは可能だと思っている。つまり、こういう知識が多くの人にとっての常識になるといい。
自然死のように殺す兵器がすでに存在し、実際に使用されているのだという事実が、多くの人の知るところになれば、当局としても手を下しにくくなる。つまり、大衆の知識が抑止力として働くことになる。
勇気のある告発者が、こんなふうに殺されてはいけない。
安保先生みたいな本物の医療者が殺されてしまったことが、僕はほんまに許せへんのよ。

結局、一番効いたサプリは、1

2020.3.16

「先生にいろいろなサプリをお勧めしてもらって、試してみたんですけど、結局一番よかったのは、、、」
この言葉に続く答えは、患者によってそれぞれ異なる。
患者が悩む病気はそれぞれ異なるし、不足している栄養素も人それぞれなのだから、当然のことだ。
そこで今回のブログでは、それぞれの患者の結論、「結局何が一番効いたのか」について紹介しよう。

40代男性
「それはもう、なんといってもビタミンDです。幼少期から悩んでいたぜんそく症状が、ビタミンDのサプリを朝に1錠飲むだけで、ずいぶん軽快しました。
自分でも信じられないんです。こんな、言ってはなんですけど、たかがサプリでよくなるなんて。
それで、あえて朝飲まずに過ごしてみる。すると、息がヒューヒューいう。それで再確認するんです。やっぱりDが効いてるんだなと」

もちろん、食事の改善指導も併せて行っている。「甘いものは控えましょうね」「小麦や乳製品は少なければ少ないほど体調がよくなりますよ」
どの程度自分に厳しく守るかは患者次第だが、そこに加えて、適宜サプリを勧めている(この点は以下のどの患者についても同じ)。
たりていない栄養素がドンピシャはまれば、手放せないと思い込んでいた薬をやめることもできる。

10代女性
父が語る。
「何が効いたか。ひとつには絞れません。二つ挙げさせてください。まず、CBDオイルです。
ときどきけいれん発作が起きたり、家の中を落ち着きなくうろつき回ったり。CBDオイルを飲み始めて以後、そういうことがなくなりました。
家族は当然本人の改善に気付きましたし、高校の先生からも言われました。『以前は授業中、何となくぼんやりしているようだったのが、最近は明らかに集中力が増しています』と。
これだけでも感謝なのですが、親の欲目と言いますか、もっと良くなってくれたらな、と思っていました。
いろいろ試していたのですが、もう一段、高みに引き上げてくれたのが、ヤマブシタケです。これでもう、改善は決定的になった、と感じました。
端的に、日常生活で笑顔が増えました。『こんなに笑う子だったのか』と、父親の私でさえ驚きました。コミュニケーションもうまくなって、高校の同級生とも仲良くやっているようです。
私も自分でいろいろとサプリを試しているのですが、個人的にイチオシのサプリはルンブロキナーゼですね。
血圧を毎日測っているのですが、ルンブロキナーゼを飲み始めてから明らかに下がりました。でもナットウキナーゼは微妙ですね。
一度、ルンブロキナーゼの代わりにナットウキナーゼを始めたら、血圧がまた上がりましたから」

先日、近所のスーパーでヤマブシタケを見つけた。
食材として入手可能なくらいだから、安全性はまず問題ない。気楽に試してみるといい。

50代女性
「睡眠薬を何年も飲み続けていて、もう薬なしでは眠れません。でも、だんだん効かなくなってきて、飲んで眠っても2、3時間で目が覚めてしまう。
それで先生のアドバイスを参考に、いろいろとサプリを試しました。ナイアシン、マグネシウム、アシュワガンダ、ケイ素など、皆、それなりの効果は感じました。
特に、私冷え性ですから、ナイアシンのホットフラッシュの感覚は苦痛どころか、楽しんでいます。
でも一番効いたサプリ、と言えば、、、何かしら?未だにマイスリーやドラールを手放せないのですから、睡眠薬依存が改善したとは言えません。
ただ、効果のすばらしさに驚いた、という意味では、ケイ素水ですね。先生は眠りの改善を期待してケイ素水を勧めてくれましたが、効果を感じたのは睡眠ではありません。
私、爪が薄かったんですけど、ケイ素水を飲み始めてから爪が割れることがなくなりました。はっきり違いを感じたという点では、ケイ素水が一番ですね。
ただ、もう少し眠れるようになれるといいんですけど、、、」

ベンゾの依存性と耐性に対して栄養的な面からアプローチするべく、いくつかのサプリを勧めた。
そもそも、脳は「ケイ素食い」である。他のどの組織よりも大量のケイ素を必要とする。逆に、認知症患者では脳中ケイ素濃度が著しく低いことが分かっている。ベンゾ依存症者では認知症の発症率が高いことが疫学的に知られているが、ケイ素の多寡が関与している可能性がある。
そこでケイ素を(マグネシウムと一緒に)勧めた。残念ながらベンゾを手放すことはできていないが、小康状態の維持に一応の貢献をしていると思う。
「爪が健康的になった」「肌の色つやがよくなった」という人は多く、特に女性の場合、効果を実感してケイ素に惚れ込む。


当院では格安18000円にてご奉仕させて頂いております^^興味のある方はぜひ当院へ!

50代女性
「何が一番効いたか?うーん、ちょっと絞れないですね。いくつかあるので。
逆に、まったく効果のないサプリなら、山ほど試してきました。鉄とかビタミンB群とか。ある本でオススメされてたので試したんですけど、全然効かなかったです。
先生のブログで、ビタミンDとKとAは相乗的に効く、というのを読んで、試してみました。それで初めて、サプリの効果を実感しました。
Dだけ飲む、とかダメですね。私の場合は、脂溶性ビタミンをまとめて摂らないと効きませんでした。
あと、もうひとつは、有機ゲルマニウムです。
娘がこれを飲むようになってから、風邪を引くことがなくなりました。それで私も飲み始めたんですが、翌日にすぐ効果を実感しました。体が軽くなるようでした。こんなに効いたサプリはありません。
試行錯誤の末にたどり着いたのが、脂溶性ビタミン(D、A、K)と有機ゲルマニウムです。これだけはずっと続けたいと思っています」

「このサプリを飲んで劇的に治った!」という、一撃必殺的エピソードは、他にもけっこうある。長くなりそうなので、また稿を改めます。

酵素風呂

2020.3.15

「もうオリンピックはないと思うよ。少なくとも、今年はね。
世界的なパンデミックで、スポーツを楽しもうっていう空気じゃない。でも中止ではなくて、延期になる。
では、いつに延期になるのか?
来年はアメリカで行われる世界陸上と重複するから、属国日本はアメリカ様に忖度して開催を遠慮する。
再来年はサッカーワールドカップとかぶるからダメ。
というふうに考えれば、東京オリンピックは2024年に延期、となるのが自然だろう。
これはカジノ利権の動きとも密接に関わっている。
恐らく2024年までには、IRに慎重派の小池百合子が更迭されて、IR積極派の橋下徹が東京都知事になっている。当然、東京にカジノを持ってくるためだよ。
これは数年前からの既定路線なんだ。
市場が築地から豊洲に移転されただろ?あれは、ラスベガスの意向を汲んでいる。築地は銀座から歩いてすぐ。カジノの立地として、あんなに理想的な場所はない。80年以上にわたって愛されてきた築地市場を、外国の賭博屋のために移転してやるというのだから、日本の政治家が誰のために活動しているか、察せられようというものじゃないか。
もちろん、日本としても利益がないわけじゃない。海外からのインバウンドが見込めるからね。2024年の東京オリンピックまでには、カジノの開業を間に合わせるに違いない」

今日酵素風呂に行く車の中で、ごうちゃんが言っていた。
おもしろい推測だね。この予言が当たるかどうかは、2024年になってからのお楽しみ。
個人的には、もっと暗い未来もあり得るんじゃないかと思っている。このまま新型コロナウイルスの感染拡大がずっと続いて、数年間ずっと収束しない、という可能性もある。
幸いなことに、致死的なウイルス、というわけではない。かかったとしても、ゆっくり休んでいればちゃんと回復する。ただ、妙に感染力が強いものだから、人々を怖がらせるには十分で、このまま自粛ムードや渡航制限が数年間にわたって続く可能性もあると思う。
そうなれば、来年の世界陸上も再来年のワールドカップも微妙、ということになってこないかな?そういう最悪の可能性を思えば、上記のごうちゃんの予言は、まだしも楽観的予測だと言えなくもない。
『東京五輪、実は「中止」で決定済み? 安倍政権の都合で発表は5月か』


こういう記事もある。
そうだよね。今のところ2024年のオリンピックはパリで開催予定で、パリの都合を考えれば、4年ずれ込むよりも、中止かなぁとも思う。
しかし、、、パリ(フランス)は、現時点では新型コロナウイルスの感染者数としては日本よりもやばいわけで、2024年にはちゃんと収束してるかなぁ。

酵素風呂で隣り合わせた50代男性。
ひどいかすれ声で話す。風邪で喉を痛めている、という感じではない。僕は一応医者だから、彼の声を聞いてすぐに、病気の見当がついた。
「喉頭癌でね、それでここの酵素風呂に通っています。
発症したのは7年前。ヘビースモーカーで、酒もたくさん飲む。ひどい生活してたからなぁ。
手術をして、治ったと思ったら、数ヶ月も経たないうちにまた再発。今度は抗癌剤と放射線を受けた。
ほら、ここ(耳下腺のあたり)、触ってみて。固いやろ?
放射線治療を受けると、こんなふうに固くなってしまうんだな。
抗癌剤が体に合わなくてね。39度以上の熱が出る。それでも抗癌剤治療をやりきったんだけど、また再発。医者にもサジを投げられた。『もうできることはありません』と。なんだよそれ、って思ったよ。
再発はしたけど、まだ生きる意欲はある。
それでいろいろ癌に効く治療法を探しているうちに、この酵素風呂を見つけた。
2年前から、週3回通っている。通い始めて以後、癌は進行していないよ。
2年も通っていると、いろんな人と知り合いになる。僕と同世代の癌の人とも知り合った。白血病の人だけどね、その人もここの酵素風呂に通ってるおかげで進行が止まってる。
僕の場合、特に食事療法とか、変わったことはしてないよ。パン?基本はご飯だけど、小麦製品も普通に食べるよ。甘いものはもともと別に好きじゃないけど、食べるときは食べる。
ただ、さすがにタバコと酒はやめた。こういう状態にでもならなければ、絶対やめなかったと思うな」

僕は今日が2回目の酵素風呂だった。
前回、管理人氏から癌治療のために通っている人がいるというのは聞いていたが、癌患者さんから直接話を聞いたのは初めてのことだった。やはり、酵素風呂は効くようだ。
初めての酵素風呂を終えたときには、僕はひどい吐き気を感じた。でも今日の酵素風呂を終えた後は、サウナに入った後のようにスッキリしていた。また来よう。

ベンゾ依存1

2020.3.14

松本俊彦先生も、多分、本当はわかっている。
「ベンゾの離脱症状が2ヶ月でよくなるはずがない」と。
でも、立場上言えない、ということだと思う。

そう、僕も臨床をやっていて痛感する。というか、現場の精神科医なら、みんな知っているんじゃないかな。ベンゾ依存を形成した患者の減薬・断薬が、どれほど難しいことか。
急に抜けば、えらいことになる。たとえゆっくり抜いても、心身の不調は必発。
触らぬ神に祟りなし、である。「薬を減らしたいんです」という患者の要望にも、つい及び腰になってしまう。

医者は、知っている。「医療をうまくこなすコツは、ヒットを打つことじゃない。エラーをしないことだ」と。患者を真に回復させたからといって、特別なボーナスが出るわけでもない。それどころか、病院の収益が減少してしまう。
ベンゾ依存の患者は、病院の”固定資産”である。彼らは、必ず来院する。こんなに「必ず」と断言できる事象は他にないくらいの確率で、「必ず」である。
患者のほうでも、「減薬したい」などと思う人は稀で、ほとんどは「現状維持でいい」と思っている。つまり、通常、医者・患者双方にとってwin-winの関係が成り立っているということである。

ただ、たまにいる減薬希望の患者に、どう対応するか。まず、ヒットは狙わない。医療の基本は、「エラーをしないこと」である。
仮に、患者の要望通りに減薬すればどうなるか?離脱症状は必発である。離脱の苦しさに身もだえして、患者はどうにかしてくれと泣きつくが、治療法はない。増薬を除いて。せっかく保たれていたwin-winの均衡が、一瞬にしてlose-loseになってしまった。
上記松本先生のように、珍しく減薬を表看板に掲げている病院でさえ、離脱に治癒には難渋する。彼らとて、「答え」があるわけではない。
できないことは、はなからするもんじゃない。だから、医者はこう結論する。
「減薬は、愚策である」と。

2ヶ月ドラッグフリーでいられました、で終わりじゃない。2年経っても5年経っても、離脱症状が残存する人もいる。
ベンゾジアゼピン依存の根は、恐ろしく深い。

以下に、立ち直るためのヒントがある。
『薬物依存症から回復して菜食主義のアイアンマン(トライアスロンをやる人)になり、しかも豚を飼い始めた話』

菜食主義者のアスリートについては、以前のブログでカール・ルイスについて紹介したが、彼一人ではない。
メーガン・デュハメル(平昌五輪のフィギュアスケートでメダル獲得)、スコット・ジュレク(ウルトラマラソンの”レジェンド”)、ティモシー・ブラッドリー(プロボクサー)など、世界的な結果を残しているベジタリアン・アスリートは数え切れない。
トッド・クランデル(Todd Crandell)もその一人だが、彼の経歴はいささか変わっている。
彼はかつて13年もの間、薬物依存地獄の真っ只中にいた。ヘロイン、コカイン、アルコール、抗不安薬など、入手可能なあらゆるドラッグの快楽に耽溺していた。
定食もなければ、収入もなく、住む家さえもない。人生に希望なんて、何一つなかった。早く死にたいと思っていた。

3歳のときに、薬物依存の母が自殺した。ろくに言葉も話せない幼児にとって、衝撃的な出来事だった。成長するにつれ、この心の傷は癒えるどころか、ますます疼いた。
13歳で飲酒を始めた。心の空白を埋めるために。「母は僕のせいで死んだ」という心の声をかき消すために。3年後にコカインを始めたのをきっかけに、坂を転げ落ちるように薬物依存の泥沼に落ちて行った。
ドラッグを買うための金欲しさに、犯罪にも手を染めた。逮捕され、釈放され、またドラッグ欲しさに罪を犯し。
三度目の逮捕のあと、あるドキュメンタリー映像を見た。無邪気な動物が屠殺され、食肉として販売される様子が淡々と描かれていた。
希望も何もなく、死にたいと思いながらドラッグにふける自分と、「殺されるために育てられる」無邪気な動物たちと。彼は、自分とその動物たちの落差に、引き裂かれるような矛盾を感じた。
母がドラッグの海におぼれて死んだように、自分もそうやって死んでいくのだと彼は信じていた。しかし、この動物たちはどうだろう?何の抵抗も許されないまま、叫び声をあげて殺されていく。
動物が哀れでならなかった。そして同時に、このとき初めて、自分の堕落を許しがたく思った。「少なくとも、俺には戦うチャンスが与えられているんだ」
もう動物の肉は食べまい、そして、必ず立ち直ろう、と心に誓った。

野菜ジュースは彼に信じられないほどの力を与えた。心と、体と、魂が、野菜によって癒やされていくのを、彼ははっきりと自覚した。
みるみるエネルギーが沸いてきて、人生を熱く生きるんだという思いがこみ上げた。
あふれるエネルギーは、行き場を求めて、走り始めた。走り、自転車にのり、泳いだ。
そう、彼はアイアンマンレース(ウルトラ・トライアスロン)に参加するようになった。

彼は、28回のウルトラマラソン(6大陸15か国)を完走した。しかも単に走り切っただけではなく、非常に優秀なタイムだった。
彼は自分のスタミナと健康は、野菜を食べることによってもたらされたと考えている。
2001年、薬物依存症者のための治療組織を立ち上げた。ドラッグにおぼれる人を救うためである。
彼の体験は二冊の著書として出版された。また、彼は豚(ミロ)を飼っている。
「ミロのおかげですべての生き物に対する愛がわいてくるようです。すべての生き物は、生き物として輝いている。そういうことをミロは教えてくれます」

いい話だ。
しかし情緒的にではなく、医学的に考えてみよう。
上記クランデル氏は、13年間もの長期にわたりドラッグ依存に苦しんでいたが、いまや、すっかり立ち直っている。ドラッグの後遺症はない。
一方、僕らが臨床で毎日のように見かけるベンゾ依存患者は、少し減薬しただけで、離脱症状にのたうちまわり、断薬をして2か月経っても、苦しさは晴れないまま。
この違いは何なのか?
ベンゾ系に限らず、薬の多くは脂溶性である。脂溶性であるから、たとえ薬物の血中濃度がゼロになったとしても、ドラッグの成分が脂肪のなかにしっかり溶け込んでいる。一般に、脂肪のなかの毒物を出し切るのはなかなか困難である。
そこで、発汗である。
クランデル氏は、トライアスロンという、世界一苦しいスポーツを行うようになった。当然、レース中の汗の量は尋常ではない。つまり、脂肪に溶け込んだ毒物のデトックスも、尋常ではないペースで進む。
クランデル氏が後遺症もなくすっかり立ち直った秘訣は、このあたりにありそうだ。

また、そんなトライアスロンに挑戦しようという意欲を沸き立たせたのが、野菜であるということにも注目すべきだろう。
そう、草食動物に注目するといい。ガゼルでもシマウマでも、群れで長距離移動をすることがある。つまり、彼らはけっこうな長距離を走ることができる。
草食動物だから、基本、葉っぱしか食べてない。動物性食品は当然摂取していない。それでも、かなりの長距離を走る。
植物にはそれだけのパワーが秘められている、ということだ。

野菜ジュースの積極的摂取を主体とするゲルソン療法は癌に効くことで有名だが、薬物依存にも著効する。回復した症例は枚挙にいとまがない。

要するに、、、
食事の改善指導を伴わない減薬は、離脱症状の出現は必発。
しかし、食事の改善と並行した減薬は、離脱の苦痛が軽減するということだ。

ブログの有料化

2020.3.13

以前挙げたブログを再掲する。
去年の9月頃に一度公開したものの、思うところがあって、すぐ非公開にしたのだが、やはり公開しよう。

↓再掲

「ブログの有料化に興味はありませんか。先生のブログは、人から十分お金をとれるクォリティだと思います」
そう言ってもらえるのは光栄です。でも僕はパソコン音痴で、課金の手続きとかややこしそうなので、別にいいかなって、、、
「先生、どういうフォーマットで文章書いてますか。ああ、WordPressですか。だったらすごく簡単です。PayPal のアカウントとプラグインがあればすぐにできます。あるいはnoteの有料記事に誘導する手もありますし」
うーん、まぁ別にブログでお金もうけしようとは思ってないんですね。
小銭程度の金が入ってくる程度なら、無料でたくさんの人に読んでもらったほうがいい、とも思いますし。
「小銭程度、になるかどうかはやってみないとわかりません。たとえば月額1000円で読者が100人なら、月10万円。まぁ先生にとっては小銭かもしれません。
しかし読者が千人なら?1万人なら?ちょっと、小銭とは言いにくい額だと思いませんか?
もっと言うと、先生の更新頻度で、かつ、あのクオリティなら、月額1000円は破格です。もっと低い更新頻度でもっと高い購読料をとっているブロガーは山ほどいます」
うーん、いや、金をとるってなると、プレッシャーなんですよ。
僕の記事すべてが有益な医療情報かっていうと全然そうじゃありません。しょうむない、アホみたいなことを書くこともある。
でも金をとりだしたら、僕のほうで妙に緊張してしまって、そういうの、書けなくなってしまいそうです。
「いや、私、先生のブログはほぼすべて読んでますけど、医学的記事以外のほうがむしろおもしろいです」
うわー、複雑やわぁ、、
「いえ、これは失礼しました!どちらもおもしろいです。
先生のブログの読者は二通りいると思います。まず、自分に何らかの病気があって、その回復の手段を求めて読む人。一方、そういう実用性から離れて、先生のブログを普通の読みものとして読んでいる人。読む動機が違うんですね。
前者の人は健康になろうとして必死ですから、そういう人が求めているのは『具体的情報』です。でも後者は、エンターテイメントを求めています。そういう人の鑑賞に耐える文章を書くのは、相当難しいことですが、先生はそれに成功していると思います。
ブログで情報発信をしている医師は多いですが、後者の意味合いを満たすブログは多くありません」
そういうふうに言ってもらえるのはうれしいですけど、ブログを書く他の先生と競い合ってるわけでもないですから。
それに、個人的には『ブログを読むのにお金を払う』っていう考えに、どうしてもなじめないんですね。本を買うのならわかりますよ。手にとって触れられる、実体のある本にお金を払うのはわかります。でも、ブログですよ。ネットサーバー上のどこかに浮かぶ、実体のない文字情報に金を払うというのが、よくわかりません。
僕自身が、誰かのブログに金を払って読むということをやったことがないせいもあって、そういうの、うまくイメージできないんです。『こんなことでホンマにお金もらっちゃってええの』、みたいな。
「今やネット上にどんな情報でも出揃っていると言われますが、違います。 無意味なジャンクが山のようにあふれていますし、誤解を招くような危険な情報もあります。『本当に有益な情報を得られるのであれば、お金を払ってでも読みたい』そう考える人はたくさんいます。
また、『情報に対してお金を払う』という、そのこと自体が、読者のモチベーションを高めます。『金を払っている』というその意識が、読者と先生の両方に、いい緊張感を生みます。
先生も経験ないですか。有料の図書館や有料の自習室だと『払った分だけ、元を取らないと』という気持ちになって、集中して能率が上がります。同様に、お金を払っているブログ読者は、タダで漫然と読んでいる人に比べて、同じ情報ソースからでも、得るものが断然違います。
先生は課金収入を得て、かつ、お金を払う読者は多くの知識を得る。win-winの関係です。『こんなことでお金をもらってええんやろうか』どころではありません。しっかりもらってください。
質の高い情報を発信する人には、そうするだけの権利があります。月額の課金制にしましょう。有益な情報を垂れ流してはいけません。きっちりと読者を選別してください」

言ってることは納得できたし、妙に自尊心をくすぐられる言葉もあって、一瞬本気で有料化を考えたけど、、、
上記のような会話を公表していること自体からわかるように、月額課金制にするなんて、もちろんあり得ないよ。
なるほど、金を払う払わないで読者のモチベーションや理解力が変わることもあるだろうけど、そんなことは相手の事情だ。僕としては、「わかる人にだけ、わかればいい」。
そもそも「有益な医学情報を発信する」なんて、そんな大義を背負ってブログを書いてない。勝手な頻度で、書きたいことを書いてるだけ。だからこそ、気楽なんよねぇ。

↑再掲ここまで

最近、某氏からまたブログの有料化を勧められて、気持ちが揺れている。

なぜ、有料化しないのか。
そもそも、なんのためのブログか?
クリニックの宣伝という目的はもちろんある。でもそれだけではない。僕の情報発信が多くの人の目に触れ、そしてその情報により少しでも救われる人がいれば、という思いで、ブログを書いている。
フィードバックがないため(コメント欄などを設けていないため)、どの程度の影響があるのか、まったくわからない。
ただ、実質的な手ごたえを感じるときももちろんある。
ブログを読み、僕を頼って来院してくれる患者がいる。『安心』の編集者氏やNHK文化センターの担当者氏が声をかけてくれたのも、ブログを公開にしていたからこそだった。フリーの気軽さゆえに生じる縁も、あるに違いない。
某氏がいう。
「コロナウイルスの影響で患者数が減って、大変でしょう。こういうときに副業があれば強みですよ。
ブログを書いて収入を得ている人は世の中にたくさんいます。先生、優れた情報発信というのは、それだけで”資産”です。先生は無欲だから無料公開しておられますが、まったくもったいない話です。
ちょっとした一工夫で、換金することができます。そういうメカニズムが、ちゃんとあるんです。
先生が一年以上にわたって続けておられるブログ、これを生かさない手はありません。
たとえばnoteのマガジン機能。これを使って、たとえば『有機ゲルマニウム』について先生がこれまで書かれた記事をひとつにまとめて、パック販売すればいいんです。需要は確実にあるでしょう。
こんな具合に、各種ビタミンや栄養素について、パック販売すればどうなりますか?一財産作ることも十分に可能だと思います。
クリニックの経営がしんどいからといって、休日にバイトする必要なんてないんです。先生がすでに作り出した”眠れる資産”を、しっかり活用する。それだけでずいぶん生活にゆとりが生まれるでしょう。
勉強熱心な先生のことだから、そうして生じた余暇も、ブログの執筆にあてるだろうと思います。ますますいい循環が生まれる、というわけです。
読者から金をもらうとなれば、先生のほうにもある種の緊張感が生まれて、ブログの質も上がる。そういう効果もあろうかと思います」

答えはまだ出ていない。しかし、正直、揺れています^^;
近々、有料化するかもしれない。
ただ、某氏に一言反論したい。
僕の場合、金銭的インセンティブに比例してブログの質が上がるだなんて、絶対にあり得ない。
すでに本気でブログに取り組んでいるのだから、これ以上の本気になんて、なりようがないじゃないの。

コロナウイルス対策9

2020.3.12

コロナウイルスで世間がいまだに騒がしい。
学校の休校のみならず、各種イベントの中止が相次ぎ、果ては、春の選抜高校野球が中止になるなど、影響は大きい。
甲子園が中止になるのは第二次大戦のとき以来だというから、今回のコロナ騒動は「戦争並みのインパクト」ということになる。
しかし、、、
自粛傾向がやや行き過ぎのようにも思う。
本当にこれほど大騒ぎするほどのことなのだろうか。

ライブハウスのような狭い空間なら感染リスクはいくらか高いかもしれないが、青天井の甲子園球場がコロナウイルスの感染源になり得るだろうか?
学校を休校にしておきながら、空気の淀みがちなパチンコ屋の営業を放置しているのは、矛盾していないか?
いろいろと疑問に思うところはある。
ネットで拾ったこの画像。

コロナウイルスで亡くなった人を茶化しているようで申し訳ないけど、統計的な事実として、現時点では、コロナウイルスによる死者数は、餅以下、である。

日本ばかりではない。目線を世界に転じても同様のことが言える。やはり、拾った画像。

感染症による1日あたりの死者数。結核やB型肝炎の方がよほど多い。

あくまで現時点、ということで、今後のことはわからない。
ただ、個人的には、そろそろ”正体”が透けて見えてきたようにも思える。
何県で何人のコロナ陽性者が出ました、というニュースはやるが、何人が回復しました、ということをマスコミは言わない。不安を煽ることで視聴率が稼げる、というのがメディアの構造だから、そのあたりを割り引いて報道を見ないといけない。

「悲観的に準備し、楽観的に対処せよ」という言葉がある。
現状、明日にも世界が終わろうかというほどの悲観一色で、楽観的に対処しようという姿勢が、なさすぎると思う。過度に不安になることはない。普通の健康的な生活をしていれば、かかる病気ではない。

もし不安なら、少し意識的にうがいをするといい。
上気道感染症のリスクがうがいによって軽減するかどうかについては、意外にも最近までエビデンスがなかった。「うがいで風邪が予防できる」となったところで、製薬会社の利益にならないからだろう。
うがいの有効性が初めて確認されたのは、2005年、以下の日本の報告による。
『うがいによる上気道感染症予防〜無作為試験』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16242593
18歳から65歳の健康な被験者387人を、水うがい群、ポビドンヨード(いわゆるイソジン)うがい群、特に指導せず通常通り過ごしてもらう群(対照群)の三つに無作為に振り分け、ひと冬(60日)風邪の罹患の有無をフォローした。なお、両うがい群には、1日に少なくとも3回うがいをするよう指示した。
結果、風邪の罹患率は、対照群で0.26、水うがい群で0.17、イソジン群で0.24だった。
つまり、水うがい群が一番風邪にかかりにくかった、ということ。うがいをしないよりしたほうがいいのはもちろん、変にイソジンとか使わないほうがいい。
さらに、風邪をひいた場合にも、水うがい群では、気道症状が軽症化する傾向があった。
【結論】
水でうがいするだけで風邪の予防になる。しかもタダだし、オススメ。

風邪(上気道感染症)に有効だった、という研究だが、新型コロナウイルス感染にだけは無効、と考える理由はない。当然、効くだろう。
イソジンでうがいをすると、むしろ予防効果が落ちていた、というのもおもしろい。このあたりは、常在細菌の重要性を示唆していると思う。「何でもかんでも殺菌」ではアカンのよ。

単なる水うがいではなく、どうしても一工夫したい、ということなら、塩水うがいは推奨できる。
https://albanyentandallergy.com/does-gargling-with-saltwater-really-help-a-sore-throat/
塩を入れたぬるま湯でうがいをすると、風邪によるのどの痛みが軽減し、かつ、風邪の予防効果もあった、という。
その機序は、塩水の浸透圧によるもの。高張液によってのどの粘膜細胞から水が引っ張り出されて、そこに付着する細菌やウイルスが一緒に剥がれるのではないか、という。
しかし、単なる浸透圧というなら砂糖水でも予防効果があるのでは?ツッコミたくなるが、そこはスルーしてあげよう。

コロナ騒動の影響で、一部地域でエキナセアが爆売れしているという。
たとえば以下のようなサイトが、予防に効くサプリとして、エキナセアを挙げた影響らしい。
https://examine.com/topics/coronavirus/
中程度のエビデンスとして、ビタミンC、ビタミンD、亜鉛、弱いエビデンスとして、ニンニク、エキナセア、エルダーベリー、アフリカゼラニウム、NAC(Nアセチルシステイン)が挙げられている。
エキナセアについては、以前のブログで風邪予防に有効として紹介したことがある。
結局、新型コロナウイルスだといっても、従来のコロナウイルス(風邪の原因ウイルスのひとつ)の亜型に過ぎないのであって、個人でできる予防としては、従来通りの風邪対策をしていれば充分だし、それ以外のことなんてできない。変に不安になっても意味がない。
仮に、だよ。仮に、新型コロナウイルスにかかっても、致死率は2〜3%とそれほど高くない。
今必要なのは、楽観的に対処するんだ、と腹を決める勇気だろうね。

真菌、コレステロール、癌28

2020.3.11

さて、カビ毒源を認識してその摂取を忌避することに加え、同時に始めたいのは、体内からカビ毒を排除することである。
“カビ毒吸着剤”として、James Yoseph氏は以下の栄養成分を挙げている。
・初乳(colostrum。哺乳類のメスが出産後、最初5日間に出る母乳はそれ以後に出るものと相当成分が違う)
・βグルカン(霊芝、アガリクスなどに含まれ、抗酸化作用、免疫賦活作用、制癌作用がある)
・グリシン(最もシンプルなアミノ酸)
・シリビニン(マリアアザミ抽出物シリマリンの成分のひとつ。肝保護作用、血糖値安定作用、抗癌作用がある)
・クルクミン(ウコンturmericの成分。抗酸化作用、肝保護作用、抗癌作用がある)
・クロシン(サフランやクチナシが色鮮やかなのはこの成分による。サプリというより着色料として利用されることが多い)
・ケルセチン(タマネギの皮に含まれている成分として、以前のブログで詳述した)
・甘草(licorice。漢方薬には欠かせない生薬。甘いのに何かと体にいい)
・マンノース(構造的にはグルコースに似ているが、抗アレルギー作用、抗癌作用あり。なぜか尿路感染症に著効する)
・カギカズラ(鉤葛。uncaria。林業的には雑草として嫌われるが、漢方的には薬草。抗けいれん作用、鎮痛作用、認知症改善作用がある)

続けてYoseph氏いわく、
「当社の製品『ニューロパチー・フィックス1』には、上記の成分がすべて含まれており、カビ毒からあなたを守ります」
ここは吉本新喜劇なら全員ひっくり返るところ。「結局、物売りかい!」っていう^^;
何かもったいないな。すごくいい本だから、変に商売っ気出さないほうがいいのにね。

著者氏の提供する知識は素晴らしいものだけど、別に著者氏オススメのサプリでないといけないわけでは、もちろんない。
個人的には、初乳は結局牛乳だから感心しないが、それ以外は確かに効くと思う。

βグルカンというのは、結局細菌や真菌の細胞壁なのに、それが抗菌作用を発揮するのはおもしろい。「毒を以て毒を制す」とはこのことだ。
βグルカンだけでいい、ということであれば、高額な霊芝やアガリクスでなくても、安いシイタケやマイタケで充分ということになる。
しかしやっぱり霊芝のほうが効くというのは、薬効はβグルカンだけによるものではない、ということだろう(ちなみに当院でお分けしている五井野プロシージャ―にも霊芝が配合されています^^)。

グリシンは以前のブログで、ベンゾジアゼピン系睡眠薬・抗不安薬の離脱の際に助けになると紹介した。
これは確かに効く。当院でグリシンとタウリンとイノシトールをブレンドしたサプリをオススメしているが、これで睡眠薬をやめれたという人もいる。
グリシンは非必須アミノ酸で体内合成可能だが、補うことで不調が改善する人もいるようだ。

アザミは漢方では利尿、解毒、強壮剤として、西洋でも古くからハーブとして使われてきた。ドイツでは消化不良、慢性肝炎に対する有効性が公的機関から認められている。
ノアザミの葉は普通に食べてもいいレベルだから、安全性としてはまったく問題ない。変な肝炎治療薬を飲むくらいなら、そこらへんのアザミを食べてるほうがマシ。

クルクミンにしろクロシンにしろ、どちらも染料・着色料なのがおもしろい。色というのはあくまで視覚的要素であり、体への生理作用薬理作用どうのこうのと無関係のように思えるけど、これは違う。たとえばアーユルベーダ医学では、色にパワーがあることは当然のこととされている。
黄や赤は暖色である。太陽の色である。光が自然界を活気づかせるように、暖色には循環系の働きを高め、強壮作用、抗うつ作用がある。
一方、癌は何色をしているか、ご存知ですか?
ほとんどの癌は白い(シモンチーニ氏は、この色調から「癌はカビである」との着想を得た)。
体内に存在する不自然なほどの「真っ白」に対して、「黄」や「赤」が本来の体の色に近づけようとする。抗癌作用は、このように「色と色の戦い」と言って言えなくもない。

マンノースが抗癌作用を示す機序は、なかなか独特だ。
マンノースは、分子構造的には、「ほぼグルコース」。この、ほぼ、というところが大事で、グルコースそのものであっては、癌細胞増殖のエサとなる。
しかし「似て非なるもの」だから、癌細胞は混乱する。増殖の栄養にしようにも、細胞内にうまく取り込めない。結果、抗癌作用を発揮するという。おもしろいね。
呼吸器感染症でもなく表皮感染症でもなく、特に尿路感染症に効く、というのも一風変わっている。ついには「尿路感染症対策に」という売り口上で、サプリまで販売されている。
食品としては、こんにゃく、果物、アロエなどに含まれているが、含有量としてはそれほど多くない。
こんにゃくをドカ食いするわけにもいかないから、サプリとして摂るのもありだろう。

参考
“Proof for the cancer-fungus connection”(James Yoseph著)