強烈!草なぎ剛が〝女装オネエ〟に 主演映画で見せた進化と「母の顔」

2020年08月26日 11時00分

新境地に挑んだ草なぎ(映画「ミッドナイトスワン」スチル写真)

 元SMAP・草なぎ剛(46)が役者として覚醒だ。主演映画「ミッドナイトスワン」(9月25日公開)の“衝撃演技”が波紋を呼んでいる。芸能人生で初めてトランスジェンダー役を演じ、その女装姿はインパクト十分だが、それだけではない。完全に「母親の顔」になり切ってしまった演技力に、業界内から高く評価する声が上がっている。

 全国公開を前に、関係者向けの試写会がスタートした「ミッドナイトスワン」。約2時間の上映を終えて出てきた関係者は、草なぎの演技に度肝を抜かれたと口を揃える。

 草なぎが演じたのは、自分の性別に矛盾を感じ、地方から東京に出てきて新宿のニューハーフ・ショークラブのステージで踊るダンサー・凪沙(なぎさ)だ。育児放棄された少女・一果を預かることでストーリーは大きく展開。当初は嫌々だったが、感情の衝突を経て最終的には凪沙に「母性」という感情が芽生える。

 トランスジェンダー役に挑戦すること自体、草なぎのキャリアでは異例。試写会を見た関係者は「正直、一目見たときは草なぎさんの女装姿に思わず噴き出しそうになる。いわゆる世間一般で言う“オネエ”で、骨格も草なぎさんのそれなので…」と指摘する。

 セリフ回しも「ねえ、アンタさぁ~」「ちゃんと片付けてよね!」などと、オネエ言葉を連発。バラエティー番組でのコントのようにも感じそうだが、草なぎの芝居は一味違った。

「最初は“面白い”が先立つのですが、ストーリーが展開すればするほど、その顔がどんどん女性に見えてくる。ラストシーンは本当に母親の顔になっている」(前同)

 草なぎがジャニーズ事務所に入所したのが1987年。翌年に結成されたSMAPに加わり、その後の活躍は、知らない人がいないほどだ。

「トランスジェンダー役の芝居って、本当に難しいと思うんですよ。これが無名の役者さんなら、見る側も芝居だけに集中できて気にならない部分もあるけど、特に草なぎさんって元SMAPというイメージもあるし、みんなが知ってるじゃないですか。だから余計に難しいけど、見事にそれを覆してますよ」(前同)

 オネエ役を演じる一方で、2021年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」への出演が決定。江戸幕府最後の将軍・徳川慶喜を演じる。

 自身のユーチューブチャンネルで「徳川慶喜を演じます。時代劇とかやったことはなくはないんですけど、すごく緊張してます。キャストの皆さんも多いですし、大河ドラマですからね。壮大です。普通のドラマは3か月ですが、1年間ずっとひとつの役を演じるということなんて初めての経験なんで、やっぱり集中力もいると思いますしね」と気を引き締めている。

 もともと演技力には定評があるが、「ミッドナイトスワン」で、その幅がさらに広がったことは言うまでもない。