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> No.20[元記事へ]
star☆さんへのお返事です。
> 日本の地理学科のある大学で最高峰はどこですか?(偏差値、設備等)
区分は問わない形でしょうか?
地理学科の場合、大きく分けて文系と理系に区分され、理系の場合はさらに地震工学等に細分類されます。
また、地理学科という名前ではないものの、建築や都市科学、土木工学から地理学の一部の分野に通ずるものもあります。
star☆さんへのおっしゃる『地理学科のある大学』という範囲は純粋に『地理学科』と名のる学部学科のみ…と解釈すると、最高峰は総合勘案で京都大学になるでしょうか。
特に地震分野では名が知れ渡っていますから。
京大地震研究所など、設備・質・量ともに日本の最高学府に相応しい環境と内容です。
GISなら情報工学に強い大学が良いのでは…と思います。
GISについては、正直、分かるかわからないかの二者択一で、かつ処理のマクロでベーシックやパール等のプログラムを扱います。
昔は地理系の卒業生を採用していたコンサル系企業も、近年は情報系の大学や専門学校を卒業した人を新卒として採用する傾向があります。
GIS分野で奈良大学碓井ゼミの名が聞かれる事がありますが、碓井ゼミの中でも特異な人たちによって支えられている面もあります。
大学のレベルは低くとも、特定のゼミや特定の学科のレベルがやたらと高い…というのは良くあることです。
偏差値ではまず推し量れない一面です。
地理と情報、特にプログラムが使える人材は希少価値があるので、その両方を会得できる環境が望ましいのではないでしょうか。
地形学や地質学は、地理の単課系大学よりは土木・建築などの分野が一緒に学べる環境が良いのでは…と思われます。
地理の場合、分野ごとでよく聞く大学の名前が異なります。
地理情報系に関しては、基本的に大学間の差異はあまりありません。
複合的な要素で差異化が見られるという方が正しいと思います。
GISソフトと言っても、マイクロステーションなどのCADソフトを使うGISもあれば、アークGISなどのGISソフトらしいGISソフトを使う場合もあり、現場的な意見で言えば、どれも似たり寄ったり…です。
強いて言えば、測量士補、GIS、地質、地形、地図(写真測量・航空測量の基礎が学べる科目)がある地理学科はかなりお得…くらいでしょうか。
その意味では、奈良大学の地理学科はバランスが取れていると言えます。
地理学科というよりも、地理学が置かれている現状はかなり厳しい部分があります。
社会的にみれば、地理学は基本的に日常ではあまり役に立たない…という認識でしょうし、高校や小中学校の地理は実際の地理的体系からは大きく外れています。
地理的視野や地理的視点があまり重要視されない日本の風潮から言っても、地理学を修める人はかなり稀有な人種であるといえるでしょう。
その関係もあってか、大学の地理学科もどちらかというと衰退傾向にあります。
特徴らしい特徴や学科としての魅力に欠ける部分も影響しているでしょうが、実際には小中高の地理的分野の学習を通じて、地理は役に立たない…と誤解してしまっている人がいると思われる部分が影響していると私は考えます。
話は長くなっていますが、上記のような理由があってか、要は東大や京大に一極集中するというか、そこに凝縮している感がある訳です。
やりたいことが多いなら、選択肢の多い京大、基礎的な部分を身につけたうえで、コンサル系で実践的な下地を作り、そこから発展さすならバランスの取れている地理学科、既にこれ…と決まっているなら、その分野の研究者が多い大学を目指すのが良いと思います。
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