★杜氏の目指す酒造りとは?
目指すのは小細工の無いど真ん中のお酒です。
日本酒特有のお米の旨味が感じられ、後口はすっと消えていく。飲んだ後には日本酒を飲んだという充実感を余韻として残すような酒…。甘辛酸の味わいが極端なお酒は、最終的には飲み疲れます。一口目のインパクトが大げさでは無くても、腰を据えてじっくりと飲めるような、飲み飽きしない調和のとれたお酒を理想としています。五味五感の「調和」、それこそが御代櫻の個性だと考えます。
お酒造りで一番大切なことは、人の和です。どんなに優秀な杜氏でも一人ではお酒を造ることが出来ません。蔵人一人一人のうまい酒を醸したいという情熱の結集こそが「御代櫻」に息吹を吹き込んでいます。
★原料へのこだわり
御代櫻の地元である岐阜県産の酒米の他にも、木曽川の源流である信州(長野県産)の酒造好適米『美山錦』を使用しています。また、最高級酒クラスには、最高峰の酒米である播州(兵庫県産)の『山田錦』にこだわって使用しています。近年では、契約栽培により有機栽培酒米を使用した酒造りにも挑戦しています。
★水へのこだわり
清酒の成分の8割を占めるのが水です。よい水から名酒が生まれるといわれ、品質に影響を及ぼすため、水道水以上に厳しい条件が求められます。御代櫻では、敷地内の井戸から清冽な木曽川伏流水を汲み上げて使用しています。ほんのりと甘味を感じる軟水で、酒造に大変適しているというお墨付きをいただいており、この水で仕込むことによって、口当たりがやわらかく、優しい味わいの酒質となるようです。
pH 6.6 / カルシウム 20.6 / マグネシウム 4.7
硬度 40(軟水) / カリウム 3.8 / リン酸 0.06
鉄分 <0.005
★環境へのこだわり
米洗いや洗瓶等の御代櫻で酒造りに使用した水は、自社の廃水処理施設に送られて、爆気や沈殿させた後、きれいな上澄み部分のみを排水して川に戻します。また、2002年より有機に関する取り組みを開始し、安全・安心の酒造りを実践しています。
★手造りへのこだわり
良質な蒸し米
良質な麹
更に、こだわりの吟醸造りの際には、麹室の小さな別室を備えて箱を使用することで、製麹に必要な乾湿差の微調整が可能となります。杜氏の培ってきた経験と、蔵に泊り麹を見守り続ける情熱とが合わさり、引き締まった良質な麹を育みます。
★品質管理へのこだわり
お客様のお手元までおいしさを伝えるために、蔵内に大型の冷蔵庫を三機備え、製造したお酒の氷温貯蔵が可能となっています。更に、大吟醸等については、『瓶囲い』といわれる一升瓶で1本1本貯蔵管理する方法により、低温でじっくりと熟成させています。