岐阜に行って飲んでみたい! おすすめの日本酒(地酒)【東海編】

岐阜に行って飲んでみたい! おすすめの日本酒(地酒)【東海編】
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岐阜県の豊かな自然は、よく「飛山濃水」という言葉でたとえられます。これは「飛騨の山、美濃の水」という意味。岐阜県内を流れる数多くの河川の水は地層へと流れ込み、伏流水となって岐阜の酒造りに生かされています。

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岐阜のそのほかの注目銘柄

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日本酒好きが注目する岐阜の注目銘柄を紹介します。

米の旨味を生かした辛口の酒 【三千盛(みちさかり)】

代表銘柄である「三千盛」と同名の蔵元は、江戸時代の安永年間(1772~1781年)に創業して以来、辛口にとことんこだわり続けてきた老舗蔵です。ただ辛いだけではなく、米本来の旨味はそのままにバランスのとれた味わいをめざし、“「もう一杯」がすっと出る酒”を生み出してきました。
「超特原酒」や「純米ドライ」など多彩なお酒をそろえる「三千盛」シリーズのなかでも、とくに「純米」は旨味と酸味のバランスに優れたスタンダードな1本です。

製造元:株式会社三千盛
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原点回帰の思いを込めた新銘柄【津島屋(つしまや)】

明治26年(1893年)の創業当時の屋号を名づけた新銘柄「津島屋」で、原点回帰の姿勢を打ち出した御代桜(みよざくら)醸造。ひと口目のインパクトの強さよりも、“甘・辛・酸・苦・渋の五味五感の調和”を大切にした、飲み飽きしない味に定評があります。
「津島屋」シリーズでは「美山錦」を中心に、最高級酒クラスには「山田錦」を選ぶなど好適米を使い分けて、個性の光るお酒をそろえています。

製造元:御代桜醸造株式会社
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日本酒の新しいカタチを提案【百十郎(ひゃくじゅうろう)】

「百十郎」をはじめ「金時-Golden Amber-」など、新しいスタイルの日本酒を開発・発信している、大正9年(1920年)創業の林本店。契約栽培の米を使い、農家と連携してその品質向上にも取り組んでいます。
「百十郎」という個性的な名前は、明治から昭和にかけて活躍した地元出身の歌舞伎役者・市川百十郎が由来で、ラベルのデザインも歌舞伎役者を模して印象的。定番の「純米酒 赤面(あかづら)」は米のふくよかな香りと滋味をたのしめる1本です。

製造元:株式会社林本店
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飛騨人による厳冬寒仕込み【山車(さんしゃ)】

「山車」で知られる原田酒造場は、安政2年(1855年)に創業した老舗。飛騨出身の蔵人だけで醸すお酒は、 “まさに飛騨の地酒”として親しまれています。
「山車」の製法は、伝統的な「飛騨流厳冬寒造り」。加えて「花酵母造り」シリーズは、清酒酵母ではなく、自然の花から採取した野生酵母が由来の「花酵母」を使っています。上品でフルーティな香りはまるで白ワイン。女性にも大人気です。

製造元:有限会社 原田酒造場
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日本酒の基礎知識

愛知に行って飲んでみたい! おすすめの日本酒(地酒)【東海編】

愛知に行って飲んでみたい! おすすめの日本酒(地酒)【東海編】
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愛知県の酒造りは、日本最古の歴史書「古事記」にも記されるほどの歴史を誇ります。長きにわたる伝統を受け継ぐ愛知の地酒は、濃尾平野を流れる清流や良質な原料米、酒造りに適した気候風土に恵まれ、地酒ファンをうならせる旨口の酒が揃っています。

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愛知の酒造りには「古事記」にも語られる歴史が

愛知の酒造りには「古事記」にも語られる歴史が

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愛知県の酒造りの歴史は古く、日本最古の歴史書とされる「古事記」や「日本書紀」において、ヤマトタケルが熱田の地で「大御酒盞(おおさかずき)」を献上されるシーンが描かれています。
ヤマトタケルは伝説上の英雄であり、このシーンがいつの時代のものかは曖昧ですが、少なくとも、古事記がまとめられた8世紀初めごろには、愛知で酒造りが行われていたことがわかります。

愛知は古代の朝廷があった大和(現在の奈良県)や京都との交通の便がよく、交流も活発だったため、早くから醸造技術が伝わり、朝廷や伊勢神宮などに捧げられていたようです。
その後、戦国時代には織田信長が本拠を置く清洲城下に多くの酒屋があったという記録が残されています。

江戸時代に入ると、尾張名古屋は徳川御三家の筆頭格としてますます発展し、名古屋城下の酒造業は急速に発展しました。とくに酒造りが盛んだった知多半島や西三河には、現在も多くの酒蔵が残っています。

愛知の発酵・醸造文化が生んだ銘酒

愛知の発酵・醸造文化が生んだ銘酒

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愛知県は全国でも有数の発酵・醸造文化が発達した地域で、古くから醤油や味噌、酢といった醸造・発酵食品が造られ、人々の味覚をたのしませてきました。
こうした発酵・醸造技術は、もちろん日本酒造りにも活かされており、かつては、同じく日本酒の産地として知られる兵庫県・灘地方と、国内での生産量を二分したといわれています。
その歴史と伝統は、近代以降も受け継がれており、科学的な研究によって愛知の醸造・発酵技術はさらに発展しています。

こうした技術的なバックボーンに加えて、愛知は酒造りに適した風土にも恵まれています。
濃尾平野を流れる木曽川、長良川、揖斐川の「木曽三川」の伏流水は、ミネラルをバランスよく含んでおり、仕込み水には最適です。また、これら河川に支えられた米作りも盛んで、良質な酒造適合米が育てられています。

伝統的な発酵・醸造文化と、豊かな自然の恵みに支えられた愛知の酒造りは、さまざまな銘酒を生み、全国の地酒ファンから常に熱い視線が注がれているのです。

愛知の人気銘柄

愛知の人気銘柄

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愛知県の地酒には、長きにわたる酒造りの歴史と伝統を受け継いだ銘酒がずらりと並んでいます。なかでも代表的な銘柄を紹介します。

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