岐阜に行って飲んでみたい! おすすめの日本酒(地酒)【東海編】

岐阜に行って飲んでみたい! おすすめの日本酒(地酒)【東海編】
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岐阜県の豊かな自然は、よく「飛山濃水」という言葉でたとえられます。これは「飛騨の山、美濃の水」という意味。岐阜県内を流れる数多くの河川の水は地層へと流れ込み、伏流水となって岐阜の酒造りに生かされています。

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醸造元である渡辺酒造店は、明治3年(1870年)に酒造りを始めて以来、150年近い歴史をもつ蔵元です。標高600メートルの高冷地にあり、冬は厳寒の好環境。伝統的な「寒造り」で醸し出される銘柄の数多くが、国内外の酒類コンクールでの受賞歴を誇っています。その代表銘柄である「蓬莱」は、もともとは仙人が住むといわれていた不老長寿の桃源郷を意味する言葉。人によろこびを与え、開運をもたらす縁起のよい「酒ことば」であることから、創業当初につけられたものなのだとか。

製造元:有限会社渡辺酒造店
岐阜の日本酒【蓬莱(ほうらい)】伝統の「寒造り」で醸す飛騨の酒

専用の酒米を品種交配・栽培【射美(いび)】

「射美」は、造り手の杉原酒造が地元の農家と連携して、専用の酒米「揖斐(いび)の誉(ほまれ)」を、開発から手がけたことでも大きな話題を呼んでいる清酒です。杉原酒造は“日本一小さな酒蔵”を自称する規模ながら、5代目が昔ながらの酒造りに誠実かつ地道に取り組み、県内でも独特の存在感を放っています。
射美の独自性は専用の酒米だけでなく、全工程が昔ながらの手仕事で仕込まれること。ていねいに造られた「特別純米 槽場無濾過生原酒」はフルーティな香りと厚みのある旨味が特徴です。

製造元:杉原酒造株式会社
岐阜の日本酒【射美(いび)】“日本一小さな蔵元”から生まれる逸品

すべてに妥協なく上質を貫いた【天領(てんりょう)】

「天領」と代表銘柄に社名をつけている天領酒造は、明治時代に酒造りを開始。手がける日本酒すべてに酒造好適米と、不純物の極めて少ない地下水を使用し、「花酵母」をはじめ多彩な酵母を使い分けるなど、妥協することなく品質を追求しています。
「純米吟醸 ひだほまれ」は、その名のとおり県内産の好適米「ひだほまれ」を使用。ほのかな吟醸香とキレのよさが特徴で、和食はもちろん洋食にも好相性です。

製造元:天領酒造株式会社
岐阜の日本酒【天領(てんりょう)】すべてに上質を貫く飛騨の酒

米の持ち味を引き出す老舗の技【百春(ひゃくしゅん)】

「百春」が代表銘柄の小坂酒造場は、安永元年(1772年)創業。米にこだわり、岐阜県の特産米「美濃錦」や、富山県産「雄山錦」などさまざまな米を使い分けています。
なかでも「純米吟醸」は、「山田錦」と「五百万石」の双方を使い、深い香りとコクのある味わいに。醪(もろみ)をしぼる工程でしぼりたてのお酒をその場で瓶に詰める「直汲み」シリーズもフレッシュな味わいで評判を呼んでいます。

製造元:株式会社小坂酒造場
岐阜の日本酒【百春(ひゃくしゅん)】若手杜氏が実直に醸す酒

料理の和洋中問わず好相性【小左衛門(こざえもん)】

「小左衛門」を醸造する中島醸造の創業は古く、元禄15年(1702年)。300年以上にわたる酒造りでいきついたのは、ブームを経て主流となった“淡麗辛口”とはあえて逆をゆく“旨口”の日本酒です。屏風山の伏流水を仕込み水に使い、米の旨味を存分に引き出しています。
「小左衛門」は2001年に誕生した、比較的新しい銘柄で、酒米に駒ケ岳の麓の契約農家で作られる長野県産の好適米「美山錦」を使用。冷やならあっさりとした和食に、ぬる燗で肉料理や中華に、と温度帯ごとにどんな料理にも合う「食中酒」としての万能ぶりも魅力です。

製造元:中島醸造株式会社
岐阜の日本酒【小左衛門(こざえもん)】常に挑戦し続ける蔵元の酒

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愛知に行って飲んでみたい! おすすめの日本酒(地酒)【東海編】

愛知に行って飲んでみたい! おすすめの日本酒(地酒)【東海編】
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愛知県の酒造りは、日本最古の歴史書「古事記」にも記されるほどの歴史を誇ります。長きにわたる伝統を受け継ぐ愛知の地酒は、濃尾平野を流れる清流や良質な原料米、酒造りに適した気候風土に恵まれ、地酒ファンをうならせる旨口の酒が揃っています。

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愛知の酒造りには「古事記」にも語られる歴史が

愛知の酒造りには「古事記」にも語られる歴史が

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愛知県の酒造りの歴史は古く、日本最古の歴史書とされる「古事記」や「日本書紀」において、ヤマトタケルが熱田の地で「大御酒盞(おおさかずき)」を献上されるシーンが描かれています。
ヤマトタケルは伝説上の英雄であり、このシーンがいつの時代のものかは曖昧ですが、少なくとも、古事記がまとめられた8世紀初めごろには、愛知で酒造りが行われていたことがわかります。

愛知は古代の朝廷があった大和(現在の奈良県)や京都との交通の便がよく、交流も活発だったため、早くから醸造技術が伝わり、朝廷や伊勢神宮などに捧げられていたようです。
その後、戦国時代には織田信長が本拠を置く清洲城下に多くの酒屋があったという記録が残されています。

江戸時代に入ると、尾張名古屋は徳川御三家の筆頭格としてますます発展し、名古屋城下の酒造業は急速に発展しました。とくに酒造りが盛んだった知多半島や西三河には、現在も多くの酒蔵が残っています。

愛知の発酵・醸造文化が生んだ銘酒

愛知の発酵・醸造文化が生んだ銘酒

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愛知県は全国でも有数の発酵・醸造文化が発達した地域で、古くから醤油や味噌、酢といった醸造・発酵食品が造られ、人々の味覚をたのしませてきました。
こうした発酵・醸造技術は、もちろん日本酒造りにも活かされており、かつては、同じく日本酒の産地として知られる兵庫県・灘地方と、国内での生産量を二分したといわれています。
その歴史と伝統は、近代以降も受け継がれており、科学的な研究によって愛知の醸造・発酵技術はさらに発展しています。

こうした技術的なバックボーンに加えて、愛知は酒造りに適した風土にも恵まれています。
濃尾平野を流れる木曽川、長良川、揖斐川の「木曽三川」の伏流水は、ミネラルをバランスよく含んでおり、仕込み水には最適です。また、これら河川に支えられた米作りも盛んで、良質な酒造適合米が育てられています。

伝統的な発酵・醸造文化と、豊かな自然の恵みに支えられた愛知の酒造りは、さまざまな銘酒を生み、全国の地酒ファンから常に熱い視線が注がれているのです。

愛知の人気銘柄

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愛知県の地酒には、長きにわたる酒造りの歴史と伝統を受け継いだ銘酒がずらりと並んでいます。なかでも代表的な銘柄を紹介します。

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