どうもこんにちは。へいゆです。
最近、思いっきり写真にハマりまして、写真撮るのが楽しくて仕方ないんですよね。
最近、スマートフォン、そしてそのカメラがとても高性能になってきたお陰で、いつでもどこでも誰でも気軽に写真を撮る事が出来て、撮った写真はFacebook、Instagram、TwitterといったSNSにすぐその場でシェア! 良い時代になりましたね。ああ今週末も楽しかったし、SNSも充実! ……ところが! その写真の使い方、もしかすると著作権を侵害していて、それによって嫌な思いをする人が出ているかもしれません。そしてもし、その本人がそれに気付いた場合、最悪トラブルになるかもしれません。
そこで、今回は少しみなさんに「著作権」という物についてもっとよく知ってもらいたい、そして、著作権を侵害されると、誰がどういう風に困るのかも知って頂いて、SNSや写真との向き合い方を少し考えて頂きたい、そういう趣旨の記事です。
目次
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遊びに行った写真をみんなでシェア! この写真、もちろん自分の投稿に使っていいよね?
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著作権はプロの作品の権利を守るためのものだから、我々素人には関係ない?
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著作権侵害の何がまずいの?
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他人の写真を使用する時には
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他人の作品を「改変する」という事の重大な意味
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気を付けて! こんな言い訳をすると事態を悪化させる
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もし自分が著作権侵害を指摘されてしまったら
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遊びに行った写真をみんなでシェア! この写真、もちろん自分の投稿に使っていいよね?
最近、友達と遊びに行ったり旅行に行ったりすると、たくさん写真を撮りますよね。そしてこの楽しかった思い出と一緒に、みんなで写真をシェア! ああ早くあの時の楽しかった写真が見たいなぁ。「あの時の写真、楽しみに待ってるね!」そんなメッセージのやり取りもよく見かけます。
一緒に出掛けた友達の○○さんが良いカメラ持ってたから、私のiPhoneで撮ったショボい写真じゃなくて、ちゃんとしたカメラで撮った綺麗な写真を自分のSNSでシェアしたい!
さて、ちょうどその本人から写真が送られて来ました。撮った本人が写真を自分あてに送ってくれたんだから、もちろんこれ、自由に使っていいんだよね?
待ってください。それは毎回きちんと写真を撮ってシェアしてくれた本人に確認してください。無断で使用した場合、それは著作権を侵害しているかもしれません。
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著作権はプロの作品の権利を守るためのものだから、我々素人には関係ない?
「え? だって私達プロじゃないんだし、写真なんてタダなんだから、勝手に使ったって問題ないでしょ?」
いいえ。プロだろうがアマチュアだろうが、その作品に商業的価値があろうがなかろうが、それは立派な「著作物」であり、きちんと権利が守られます。
著作権法を見ますと、「著作物」とは、「思想、または感情を創作的に表現したもの」とされており、それが発表された瞬間、自動的に付与されます。決して、「商業的価値がある作品に限り」という表記はありませんので、プロ、アマ、有料、無料、上手い、下手は全く関係なく、基本的には全ての写真に著作権がある、と考えて問題ないでしょう。
あなたが「あなたのタイムラインに、誰が撮った写真か明記せず他人の写真を載せた」場合、当然、それを見た人は「その写真はあなたが撮った写真だ」と思う訳です。これは作品を盗んだのと同じです。
「素人が撮った、無料の写真でしょ? それにSNSでお金のやり取りが発生する訳じゃないし、特に問題にはならないよね?」
作品を作った人の気持ちを考えてみてください。その写真があなたのタイムラインで「イイネ!!」されたり「綺麗な写真!!」などコメントをもらったりしているのを、その作品を作った人が見たらどのような気持ちになるでしょうか? また、最近はSNSの投稿に特定のタグ付けをすると、さらに違う人や会社、コミュニティによってシェア、拡散され、投稿した本人も知らないような大変な人数に投稿が見られる可能性もあります。Twitterでとんでもない数のリツイートをされる可能性もない訳ではありません。そのとんでもない数の人達が、その人が作った作品を「あなたの作品として」「イイネ」や「コメント」をした場合、もしあなたが逆の立場だったら何を思うでしょう?
その人が写真を好きで、写真に対して本気であれば本気である程、嫌な思いをするはずです。
まず、必ず写真を撮った本人に許可を取ってください。
- どのSNSで(Facebook、Instagram、Twitter、etc...)
- どのような投稿に(普通のタイムラインに表示される投稿なのか、ストーリーなのか、プロフィール写真なのか)
- どのように使用するのか(絵文字やフレーム、文章等でデコレーション等するのか、そのまま載せるのか、写真をトリムして一部だけ載せるのか、等)
事前に許可をもらって投稿する場合にも、きちんと「この写真は○○さんが撮った写真です」と著作者を明記するか、もしくは「Photo credit: ○○」等の記載をすると、それを「イイネ」する人も、「イイネされたのを見る人」も、誤解なく不愉快な思いをせずに済みます。ただ、もしかすると人によっては「この時間にこの場所でこの人と一緒にいた事を知られたくない」など、プライバシーの問題でPhoto creditを付けないでほしい事もあるかもしれません。Photo creditを付けるかどうかも出来れば確認しましょう。
最近はスマホそのものにも写真を加工するアプリが標準で付いていて、誰でも手軽に文字やデコレーションを入れたり、フィルターをかけてオシャレにしたり出来ます。特にInstagramのフィルター機能や、ストーリーの編集機能はすごいですね。誰でも手軽にオシャレな投稿をデザインする事が出来ます。
ところが、それを他人が撮った写真にする場合、ちょっと待ってください。それ、もしかすると作品を作った人に対してものすごく失礼な事をしているかもしれません。
例えば、私がSNSに投稿する写真は全て、RAW現像と言って、色味や明るさ、ノイズや各種補正等、色々な調整を入れてからアップロードしています。以下の二枚の写真を見比べてみてください。最初の写真が無加工の物、二枚目の写真が調整済みの物です。
色味がより鮮やかになって、さらに全体が明るくなった事で華やかな印象になりました。写真の改変の話はそうですね。お化粧、メイクに例えるとわかりやすいのではないかと思うので、その例えで説明させて頂こうと思います。何故なら、この二枚の写真とも、写っている物そのものは全く一緒です。メイクも、それをしていてもしていなくても、違うメイクをしたとしても、他人は「それが同一人物だ」ときちんと識別出来る、という点で非常に似ているからです。
さて。写真で言えばRAW現像とか、人間ではお化粧だなんて、なんで時間もかかる面倒くさい事をいちいちするのか、というと、それはその人本人の顔や、写真に写る景色そのものは変わらずとも、見た人に与える印象が大きく変わるからわざわざ時間をかけてやるのではないかと思います。
このバッチリ調整されて完成した写真をいじられる……というのは、お化粧の例では以下のような大事件になります。
ある日の朝、いつも通りバッチリメイクを決めて、「今日はいつもより上手く出来たかも!」と思いながら気分も上々に会社に行ったとしましょう。そうしたら「今日はとても大事なお客が来る特別な日なので…。」といって、突然上司にトイレに連れ出されて、せっかくバッチリ決めて来たメイクを全て落とされて、その上司の好きなようにメイクを塗りかえられた、ということを想像してみてください。まず、「自分でしっかりメイクをしているにも関わらず、それを塗り替えられる」、という事に対して、「それはどういう意味?」という疑問が浮かびませんか。そして次に、自分の好みじゃない色のファンデーションやらリップやらマスカラやら、色々な物を付けられて、いつもの自分じゃないそのメイク姿を、見慣れた会社の同僚や、全く知らない外からのお客さん、はたまた通勤途中の通りすがりの人達にまで全て晒されます。
「自分じゃない自分」を「自分」として他人に見られる
この屈辱がわかりますか。もっといくと、例えばその上司の好みのメイクに変えられた自分の姿を、同僚や見ず知らずの人に
「あれ? 今日はなんかいつもと雰囲気が違ってすごくいいね!!」
なんて褒められたら、一体これをどう受け取ったらいいでしょう? 写真も同じです。他人に改変された写真をイイネやコメントで褒められた時、本来の著作者は一体どんな気持ちでそれを見るのでしょうか?
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気を付けて! こんな言い訳をすると事態を悪化させる
著作権の侵害、特に改変について言及があった場合、比較的大きなトラブルになる事があります。と言いますのも、指摘された本人が何気なく言ったその言い訳が、クリエイターにとっては大変な侮辱と受け取られる可能性があるのです。もし自分が何かを指摘される事があった場合に、うっかりこんな発言をしてしまわないように気を付けてほしいと思うので、紹介させて頂きます。
「そんなちょっとやそっと色が変わったくらいで大げさだなぁ」
これをお化粧の例に言い換えるとこうなると思います。
「ファンデーションなんてみんな肌色なんだし、リップなんてみんな赤。どれも一緒なんだからそんな気にする程の事じゃないでしょ?」
こんな言葉をかけられたら、毎朝時間をとってきっちりメイクを決めている人達に大変な反感を買うのが目に浮かぶのは私だけでしょうか。 私はメイクをしませんし、化粧品を購入した事はありませんが、想像するに、わざわざ売り場まで足を運んで、数ある化粧品をたくさん試して、「これは可愛い」「こっちもいい」「これもいいんだけど……ちょっと高いかなぁ」なんて色々試しながら、場合によっては違うお店にも足を運んだりして、「これが一番良い!」というお気に入りの物を選んで、そして毎日その日の気分などで、一番自分に合っていると思う物を自分で選び抜いて、そのメイク姿がみんなの目に触れていると思うんです。同じ「肌色」でも、その微妙な色味や透明感なんかの違いがあるから、それを自分で色々試して、考えて、自分が一番気に入った色や、その日の気分に一番合う色を選んでいると思うんです。それを「どれも一緒」なんて言われたら、一体どんな気持ちになるのか…。
写真も全く一緒です。空は青いです。どんなにいじったって、青いものは青いです(違う色にすることも出来ますけどね)。でも、「この色は温かみがあって良いなあ」「でもこっちの方がもっと自然に見える」「いや、こっちだとクールな感じで格好いいぞ?」なんて、ちょっとずつ色味を調整して試行錯誤を重ねた末に、「よしこれだ!」って自分が一番気に入ったものを選んで、時間と労力を割いて仕上げます(私の場合は)。自分が下手なのはわかっていますが、下手だからと言って、プロじゃないからと言って、その作品にどれだけの思い入れや労力が込められてるかわからないですよね?
次の言い訳。
「ここにいるみんなプロじゃないんだし、そんな細かい事気にするのおかしいんじゃない?」
お化粧の例で言い換えると、
「そんな素人がやってるメイクなんだから、ちょっといじられたくらいで文句を言うなんて神経質過ぎるんじゃない?」
まるで、アマチュアが作った作品や、プロじゃない一般人がやっている事には価値がないかのような、プロではない人を侮辱しているとも受け取られかねない重大な失言になりかねないので、これには十分注意してください。著作権法には、「商業的価値のある物に限り保護される」なんていう条文はありません。どんなにあなたが「無価値だ」と思うような作品も、きちんと「著作物」として認められ、権利も付与されます。アマチュアの中にもプロより技術が優れている人なんてたくさんいます。ただそれを商用利用しようとしたか、マーケティング等の努力をしたかどうか、それだけの違いです。プロもアマチュアも関係ありません。作品の上手い下手も全く関係ありません。上記のように「プロ」と「それ以外」を線引きするような発言は、クリエイターに対する大変な侮辱になり得ます。
もし、逆に自分が著作権侵害を指摘されてしまった場合、どのような事が起こるのでしょう。そしてどのように対処したら良いでしょう。
実は、著作権法は「刑法」ではなく「民法」に定められています。つまり、著作権の侵害を発見されたからと言って、警察に身柄拘束されて刑事罰を与えられる、という事はありません。当事者間で和解が原則です。どうしても和解が出来ず双方納得がいかない場合や、金銭的な問題が発生する場合は、最悪裁判沙汰になります。そういった意味で、金銭が発生する「プロ」の作品の著作権侵害についてはみなさん直感的に慎重になるんだと思います。
では、実際にどのように対処すれば良いか、と言いますと、当事者間での和解になりますので、その著作者にどうすべきかを聞くのが一番良いと思います。素直にすぐ謝れば、何もしなくとも許してくれるかもしれません。ただ、ここで勘違いをしないで頂きたいのは、「その指摘をされた記事を削除する=解決、という誤解」をなくして頂きたいです。
そうですね。またメイクの例に戻ります。他人に好きなようにメイクを施された姿を他人に見られた、という事に対して、あなたならどうしてほしいですか? もし自分が当事者なら、そのメイクを見た人全員に、「これは自分がした物ではない」という旨を伝えて、さらに本来の自分の姿はどういう物なのか、見てほしいと思うんです。
写真の場合ですと、「改変した作品を投稿した事実」、「その作品の著作者の明記」そして、「そのオリジナルの作品」の三点を、同じSNS上で別の記事にして投稿する、という辺りをすれば、それに近いことが出来ると思います。ですが、私個人が思うに、指摘された事に対して、すぐに謝罪があれば、普通はすぐに許してもらえるものだと思います。ただ、気を付けて頂きたいのは、前に挙げた言い訳等で追い打ちをかけてしまった場合、ここまでやって筋を通す事が必要になるかもしれません。
「記事も削除したんだから、これでもう解決でしょ!?」
いいえ。そうではありません。無断でSNSに投稿されてしまった写真が、「あなたの物として」、既に多くの人に見られてしまっている、という事実は、「投稿の削除」ではなくす事が出来ません。
という事でいかがだったでしょうか。SNSや写真は、技術の進歩によって本当に身近な物になってきている昨今ですので、ぜひみなさんも大きなトラブルにならないよう、気を付けて頂きたいと思います。
へいゆ