岐阜に行って飲んでみたい! おすすめの日本酒(地酒)【東海編】

岐阜に行って飲んでみたい! おすすめの日本酒(地酒)【東海編】
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岐阜県の豊かな自然は、よく「飛山濃水」という言葉でたとえられます。これは「飛騨の山、美濃の水」という意味。岐阜県内を流れる数多くの河川の水は地層へと流れ込み、伏流水となって岐阜の酒造りに生かされています。

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岐阜の日本酒は清流に磨かれた酒

岐阜の日本酒は清流に磨かれた酒

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岐阜県は、酒造りに欠かせないおいしい水に恵まれた土地です。水源は、北アルプスや白山、恵那山など岐阜が誇る名峰の数々。その山々に降り積もった雪が雪解け水となり、「木曽三川」と称される木曽川、長良川、揖斐川、さらには飛騨川など、国内有数の水量豊かな大河を生み出しています。

これら河川の清水は、地層を流れるあいだに不純物がろ過されて、良質な伏流水となり、地元の人々はそれを古くから井戸水として、暮らしに活用してきました。酒造りにおいても、岐阜県内の日本酒の銘柄のうち、じつに7割が木曽三川の伏流水を利用しています。

岐阜県の冷涼な気候も酒造りにはぴったりです。とくに県北部の飛騨地方は標高500メートル以上に達する地域も多く、冬は氷点下の寒さが続くこともあります。
このような気候風土の好条件からか、岐阜では古くから酒造りが盛ん。50を超える県内の蔵元のうち、半数近くが江戸時代に創業した老舗で、8割以上が創業100年を超える歴史を有しています。
岐阜の酒造りは、豊かな自然と伝統に育まれてきたものなのです。

岐阜の酒造りを支える酒米と酵母

岐阜の酒造りを支える酒米と酵母

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岐阜の酒造りによく使われている米は、県内産の酒造好適米「ひだほまれ」。大粒で、お酒の「雑味」になるタンパク質が少ないのが特徴です。
米の中心にある白色不透明のデンプン質の部分「心白」が大きいことも、上質の酒造りに適している点。心白にはすき間が多いので、そこに麹菌が入り込み、増殖することで質のよい麹ができるのです。

岐阜の酒造りの特徴として、お酒の香りをより豊かなものにしている県オリジナルの酵母「G酵母」の存在も見逃せません。これは、岐阜県酒造組合連合会と、県内の蔵元、そして岐阜県産業技術センターが共同で開発したもの。華やかな吟醸香と高い発酵力が特色です。
G酵母の誕生は約20年前のことですが、当初は仕込みの際に大量の泡が発生し、作業効率を下げる難点がありました。2009年にはその課題を克服した「泡なしG酵母」も開発されており、現在は県内20以上の酒造場で使われています。

岐阜の人気銘柄

岐阜の人気銘柄

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岐阜の50を超える蔵元は、いずれも歴史が長く、個性が豊か。銘柄の数もじつに多彩で、飛騨牛や朴葉(ほおば)味噌など、岐阜の美味と相性がよいものも数多く、料理の味を引き立てる「食中酒」としても評判です。そんな岐阜のお酒のなかでも、とくに人気の高い銘柄を紹介します。

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愛知に行って飲んでみたい! おすすめの日本酒(地酒)【東海編】

愛知に行って飲んでみたい! おすすめの日本酒(地酒)【東海編】
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愛知県の酒造りは、日本最古の歴史書「古事記」にも記されるほどの歴史を誇ります。長きにわたる伝統を受け継ぐ愛知の地酒は、濃尾平野を流れる清流や良質な原料米、酒造りに適した気候風土に恵まれ、地酒ファンをうならせる旨口の酒が揃っています。

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愛知の酒造りには「古事記」にも語られる歴史が

愛知の酒造りには「古事記」にも語られる歴史が

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愛知県の酒造りの歴史は古く、日本最古の歴史書とされる「古事記」や「日本書紀」において、ヤマトタケルが熱田の地で「大御酒盞(おおさかずき)」を献上されるシーンが描かれています。
ヤマトタケルは伝説上の英雄であり、このシーンがいつの時代のものかは曖昧ですが、少なくとも、古事記がまとめられた8世紀初めごろには、愛知で酒造りが行われていたことがわかります。

愛知は古代の朝廷があった大和(現在の奈良県)や京都との交通の便がよく、交流も活発だったため、早くから醸造技術が伝わり、朝廷や伊勢神宮などに捧げられていたようです。
その後、戦国時代には織田信長が本拠を置く清洲城下に多くの酒屋があったという記録が残されています。

江戸時代に入ると、尾張名古屋は徳川御三家の筆頭格としてますます発展し、名古屋城下の酒造業は急速に発展しました。とくに酒造りが盛んだった知多半島や西三河には、現在も多くの酒蔵が残っています。

愛知の発酵・醸造文化が生んだ銘酒

愛知の発酵・醸造文化が生んだ銘酒

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愛知県は全国でも有数の発酵・醸造文化が発達した地域で、古くから醤油や味噌、酢といった醸造・発酵食品が造られ、人々の味覚をたのしませてきました。
こうした発酵・醸造技術は、もちろん日本酒造りにも活かされており、かつては、同じく日本酒の産地として知られる兵庫県・灘地方と、国内での生産量を二分したといわれています。
その歴史と伝統は、近代以降も受け継がれており、科学的な研究によって愛知の醸造・発酵技術はさらに発展しています。

こうした技術的なバックボーンに加えて、愛知は酒造りに適した風土にも恵まれています。
濃尾平野を流れる木曽川、長良川、揖斐川の「木曽三川」の伏流水は、ミネラルをバランスよく含んでおり、仕込み水には最適です。また、これら河川に支えられた米作りも盛んで、良質な酒造適合米が育てられています。

伝統的な発酵・醸造文化と、豊かな自然の恵みに支えられた愛知の酒造りは、さまざまな銘酒を生み、全国の地酒ファンから常に熱い視線が注がれているのです。

愛知の人気銘柄

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愛知県の地酒には、長きにわたる酒造りの歴史と伝統を受け継いだ銘酒がずらりと並んでいます。なかでも代表的な銘柄を紹介します。

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