岐阜に行って飲んでみたい! おすすめの日本酒(地酒)【東海編】
岐阜県の豊かな自然は、よく「飛山濃水」という言葉でたとえられます。これは「飛騨の山、美濃の水」という意味。岐阜県内を流れる数多くの河川の水は地層へと流れ込み、伏流水となって岐阜の酒造りに生かされています。
- 更新日:
岐阜の日本酒は清流に磨かれた酒
Amehime / Shutterstock.com
岐阜県は、酒造りに欠かせないおいしい水に恵まれた土地です。水源は、北アルプスや白山、恵那山など岐阜が誇る名峰の数々。その山々に降り積もった雪が雪解け水となり、「木曽三川」と称される木曽川、長良川、揖斐川、さらには飛騨川など、国内有数の水量豊かな大河を生み出しています。
これら河川の清水は、地層を流れるあいだに不純物がろ過されて、良質な伏流水となり、地元の人々はそれを古くから井戸水として、暮らしに活用してきました。酒造りにおいても、岐阜県内の日本酒の銘柄のうち、じつに7割が木曽三川の伏流水を利用しています。
岐阜県の冷涼な気候も酒造りにはぴったりです。とくに県北部の飛騨地方は標高500メートル以上に達する地域も多く、冬は氷点下の寒さが続くこともあります。
このような気候風土の好条件からか、岐阜では古くから酒造りが盛ん。50を超える県内の蔵元のうち、半数近くが江戸時代に創業した老舗で、8割以上が創業100年を超える歴史を有しています。
岐阜の酒造りは、豊かな自然と伝統に育まれてきたものなのです。
岐阜の酒造りを支える酒米と酵母
meguru / Shutterstock.com
岐阜の酒造りによく使われている米は、県内産の酒造好適米「ひだほまれ」。大粒で、お酒の「雑味」になるタンパク質が少ないのが特徴です。
米の中心にある白色不透明のデンプン質の部分「心白」が大きいことも、上質の酒造りに適している点。心白にはすき間が多いので、そこに麹菌が入り込み、増殖することで質のよい麹ができるのです。
岐阜の酒造りの特徴として、お酒の香りをより豊かなものにしている県オリジナルの酵母「G酵母」の存在も見逃せません。これは、岐阜県酒造組合連合会と、県内の蔵元、そして岐阜県産業技術センターが共同で開発したもの。華やかな吟醸香と高い発酵力が特色です。
G酵母の誕生は約20年前のことですが、当初は仕込みの際に大量の泡が発生し、作業効率を下げる難点がありました。2009年にはその課題を克服した「泡なしG酵母」も開発されており、現在は県内20以上の酒造場で使われています。
岐阜の人気銘柄
mTaira/ Shutterstock.com
岐阜の50を超える蔵元は、いずれも歴史が長く、個性が豊か。銘柄の数もじつに多彩で、飛騨牛や朴葉(ほおば)味噌など、岐阜の美味と相性がよいものも数多く、料理の味を引き立てる「食中酒」としても評判です。そんな岐阜のお酒のなかでも、とくに人気の高い銘柄を紹介します。