ある商社

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ずっとITに勤めていたが体調が悪くなり
営業という枠で商社に勤めてみた
アットホームがうりのこじんまりしたところだった
しかしだんだんここにいる人間を知ることになる
ここは大企業とも取引があったが
下請けに作らせて納品するだけの簡単な仕事だった
社長は1日中新聞を読み
注文があると下請けにFAXで注文し
納品も直接送らせるだけだった
楽な仕事に胡坐をかき売り上げは年々下がっているようだった
ワイは下請けがかわいそうなので
納品先と値段交渉をし値上げをしてもらい
下請けの取り分も多めにしてあげた
しかしそれが問題になり
勝手にやるなと上司から言われた
普段から自分で決めろと何も教えてくれないのにだ
そして上司は言った
「生かさず殺さずが一番いい」と

車を運転するワイは
いつも納品は車で行った
送るには重すぎるトランスを扱っていたからだ
小切手をもらいに行く時も車で行った
だから会社の中でワイが一番忙しかった
しかし忙しい時を見計らって
車を運転できない社長はワイに頼みごとをする
ヒィヒィ言いながら過密なスケジュールをこなした
 

運転は薬の副作用で眠くなっても我慢してやった
あまりに眠いと路肩に止めて少し休んだ
でもめったにはしなかった
少しでも時間がかかると遅かったなと言われた
311があったときは今は道がすいているから
すぐだろと言われた
実際はガソリンスタンドに並ぶ車で渋滞が起きていた
やっぱり遅かったなと言われた
言い返すのをやめた

しかし忙しいのは月末月初くらいで
あとはずっと暇だった
会社の売り上げが落ちているので
ワイは自分から新規開拓をすることにした
はじめはうまくいかなく
交通費がかかるなど嫌味を言われていた
しかし徐々に売り上げが上がりだした
すると今度はねたみか自分も動かないといけないというプレッシャーか
さらに嫌味は増した
他からルートを荒らすなと言われるとか
会社のイメージを傷つけるなとか
そしていつも悪口を言われた
特に赤字ばかり出している部署から言われた
新規開拓はこの会社でだれもやらなかった
社員は普段暇で遊んでいた
売り上げは下がる一方だが何の手も打たなかった
そこでワイは目立ったようだった
会長にはワイは気に入られていたのだが
ITだったこともあり忙しいのに会長にpcを見てくれといつも言われた
ワイはサーバーを相手にしていたのだが
調べて対処していた
しかし社長はエアコンを見てくれとか電話を見てくれとか
関係ないことばかり言ってきた

会社が終わると上司に飲みに誘われた
ワイは付き合った
飲み代は割り勘だった
 
上司は仕事とはどういうものだとか精神論ばかりだった
この仕事はないといけない自分は仕事に誇りをもってやっていると
そんなことばかりだった
家庭のこととかも聞かされ
ワイの話はすべて上から目線でなにかしらアドバイスされた

会社では売り上げのほかに雑用は全てやらされた
意味のないこともやらされた
社長の用事はほとんど意味なかった

決算の時にワイが赤字を出していると言われ
社長に使えないなと言われた
ワイは会社で一番稼いでいると思っていた
おかしいと思った
あとでわかったことだが上司が仕入れをワイに
売り上げを自分にしていた

ワイは会社を辞めた