音楽制作ソフト (DAW) と呼ばれるアプリケーションには様々なものがあります。
定番とされている Cubase、ここ数年で人気の高い Studio One、ダンス / クラブミュージックで評判の FL Studio や Ableton Live、無料化された Cakewalk (旧 SONAR)、Logic や GarageBand、その他諸々。
そんな中から今回ご紹介するのはドイツ MAGIX 社の Music Maker という音楽制作ソフトです。
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目次
Music Maker の機能と特徴
Music Maker は全世界で 100 万本以上 (2018年1月 MAGIX 調べ) の販売実績があるらしいですが、私は今まで存在すら知りませんでした。
MAGIX は業務用マスタリングソフトの SEQUOIA や動画編集ソフトの VEGAS Pro や Fastcut、音楽制作ソフトの ACID Pro や Samplitude など、有名なアプリケーションも取り扱っています。
MAGIX 製の高品質なソフトウェア音源 Independence はフリー版も用意されていますので、DTM をされるかたはすでにご存知かもしれません。
そんな MAGIX 社の、誰でも簡単に楽しく音楽を作れる音楽制作ソフト Music Maker ですが、セールになっていたので EDM Edition と 80s Edition を購入してみました。
超簡単に音楽を作れる
Music Maker ではサウンドプールとソフトウェア音源を使って音楽制作を行います。
サウンドプールというのはいわゆるループ素材のことで、つなぎ目が目立たないオーディオ形式のデータがスケールに合わせて数種類用意されています。
これらのサウンドプールを好きなように画面上に配置することで音符を入力することなく音楽を制作することができます。
あらかじめ用意されているサウンドプールから素材を貼り付けるだけでは個性のない単調な楽曲になってしまいますが、ソフトウェア音源を使うことで MIDI キーボードで演奏したり打ち込みで入力した音符に合わせて楽器を鳴らすことも可能です。
サウンドプールがスゴイ
サウンドプールは自分で作ることもできないことはないようですが、基本的に Music Maker のアプリケーション内のストアから購入する形になります。
ロック、ポップス、EDM、メタル、ワールドミュージック、映画音楽やホラーサウンドなど様々なジャンルのものが用意されています。
例えば EDM のサウンドプールの 1 つ「EDM - Discharge」ですと、サウンドプールの中にベース、ドラム、エフェクト、パッド、パーカッション、シーケンス、シンセのループ素材がピッチごとに収録されています。
このサウンドプールの種類の豊富さが Music Maker の最大の魅力と言っても良いでしょう。
ソフトウェア音源がスゴイ
Music Maker のもう一つの特徴は、MAGIX 公式のソフトウェア音源のクオリティです。
音質に定評のあるソフトウェア音源 Independence の開発元というだけあって、Music Maker に搭載されている、もしくはストアで購入できるソフトウェア音源の音質はなかなかのものです。
その中でも私のお気に入りはストリングス音源の String Ensemble、クワイア音源の Choir、オーケストラ音源の Orchestral Ensemble です。
String Ensemble
String Ensemble はレガート、ピチカート、スピッカート、トレモロなどの奏法を備えたバイオリン音源。力強くメリハリのあるサウンド。クラシックはもちろん、アタックタイムを短くできるのでクラブミュージックなどにも合わせやすく汎用性が高いです。
Music Maker で実際に鳴らしてみたデモ音源を掲載しておきます。エフェクトなどは一切かけておらず、ソフトウェア音源そのままの音ですのでご参考にどうぞ。
Choir
Choir はお兄さん、お姉さん、もしくは合同のクワイア音源。DTM 界隈でクワイア音源はあまり多くありませんが、その中でもこの価格帯で手に入るものの中ではなかなか高品質な部類に入るのではないでしょうか。
何がスゴイってこのクワイア音源は特定のキーとの組み合わせで「あ、い、う、え、お」を発声させることができるのです。
さすがに定番クワイア音源 Quantum Leap Symphonic Choirs ほどの表現力と柔軟性はないですが、フリーやお手頃価格の「あー」しか発声できないクワイア音源よりは汎用性が高そうです。
Orchestral Ensemble
Orchestral Ensemble は 2018 年の 2 月に発売されたオーケストラ音源で、ブラス、パーカッション、ストリングス、木管楽器とそのアンサンブルが含まれています。
プリセットは Brass Ens や String Ens のように楽器ごとにも用意されていますので、ストリングスの音にこだわりがなければ前述の String Ensemble の代わりにも十分使えそうな気がします。
この音源、情報やデモ演奏がどこにもなくて購入を戸惑いましたが人柱として購入してみました。素の音でこのクオリティ、エフェクトなどで加工すれば十分に使えるのではないでしょうか。
自動で作曲できちゃう
ソングメーカー機能を使えば、音楽の知識がなくても、曲のジャンルと楽器、長さなどを指定してボタンを押すだけでそれっぽい曲が出来上がってしまいます。
ボタンを押すたびに異なる曲が生成されますので、面白い曲が出来るまで何度もクリックするという遊び方も楽しいですし、出来上がった曲を Music Maker で編集することもできます。
実際にソングメーカー機能を使ってボタン 1 つで曲を生成してみました。これぐらいのクオリティであればホームビデオやスライドショーの BGM などにも使えそうですね。
動画編集もできちゃう
なんと、Music Maker は動画の編集にも対応しており、動画素材に BGM やテロップを付けたり、エフェクトをかけたりしてホームビデオやプロモーションビデオなどの映像を制作する機能まで付いています。
タイトルエディターを使ってテロップにアニメーションを付けたり、あらかじめ用意された動画素材を使ってミュージックビデオを作ったりなど、ちょっとした動画なら簡単に作れてしまいます。
また、ストアで販売されている Creative Suite を購入することで、エフェクトや動画素材を追加できるようになっています。
Music Maker のエディション
現在のところ Music Maker の日本語版はソースネクストが販売している Music Maker 2019 Premium Edition が最新です。
MAGIX 純正のものは Free Edition、Plus Edition、Premium Edition の 3 つがありますが、いずれも英語版のみとなっています。
今回、私が購入したのは Music Maker EDM Edition と Music Maker 80s Edition というエディションですが、これらのエディションは簡単に言うと Free Edition にオマケが付いただけのもので、もちろん日本語には対応していませんし、Free Edition の機能制限もそのままです。
エディションの違い
Music Maker の基本的な機能は Free Edition でも使用可能です。
Free Edition だからと言って試用期間があったり、プロジェクトを保存できなかったりなんてことはありませんのでご安心ください。
Free Edition | EDM, 80s Edition | Plus Edition | Premium Edition | |
---|---|---|---|---|
価格 | 無料 | 29.99 ユーロ | 59.99 ユーロ | 309,96 ユーロ |
トラック数 | 8 | 8 | 8 以上 | 8 以上 |
サウンドとループ 425 個 | ||||
サウンドプール 4 個 | ||||
アンプシミュレーター | ||||
オーディオエフェクトの数 | 8 | 8 | 8 以上 | 8 以上 |
Concert Grand LE (ピアノ) | ||||
Vita 2 (サンプルプレイヤー) | ||||
Revolta 2 (ソフトシンセ) | ||||
追加コンテンツ | サウンド素材 ソフトウェア音源 (119 ユーロぶん) | サウンド素材 ソフトウェア音源 追加機能 (299 ユーロぶん) | サウンド素材 ソフトウェア音源 追加機能 (699 ユーロぶん) | |
iZotope Ozone 8 Elements | ||||
ソフトウェア音源 | 1 つ選択可能 | 4 つ選択可能 | 8 つ選択可能 | |
サウンドプールコレクション (5 つのサウンドプールが含まれる) | 1 つ選択可能 | 1 つ選択可能 | ||
サウンドプール | 3 つ選択可能 (特定のジャンルのみ) | 1 つ選択可能 | 3 つ選択可能 | |
追加機能 | 4 つ選択可能 | 9 つ選択可能 | ||
プリセットパック | 2 つ選択可能 | 3 つ選択可能 |
エディション比較表によると Free Edition でもほとんど機能制限がないように思えますが、トラック数が 8 つまでという点と、表には掲載されていませんが他社製やフリーのソフトウェア音源 (VSTi) やエフェクト (VST) が使用できないという点は注意が必要です。
これらの機能は上位エディションを購入すれば使用できるようになりますが、ストアで各機能がバラ売りされており、Free Edition でも必要な機能のみを低価格で購入して追加できるようになっています。
例えば以下のような機能をストアで購入することができます。
Creative Suite
他社製やフリーのソフトウェア音源・エフェクトに対応したり、トラック音量やパンのオートメーションが使用できるようになります。
動画キャプチャ機能や、動画編集のときに使用できる素材集やエフェクトなども含まれており、非常にお得なセットですので、Free Edition や EDM Edition、80s Edition などをお使いであれば、これを導入しておくのがお勧めです。
-
VST support
他社製やフリーのソフトウェア音源・エフェクトなどが使えるようになります。 -
Remix Maker
トラックを自動的に切り刻んでリミックスしてくれる機能です。 -
Loop Finder
既存のプロジェクトにループを合わせたり、ドラムループから一部を抽出したりする機能です。 -
Harmony Agent
サウンド素材のハーモニー (コード) を設定する機能です。ハーモニーは自動で分析され、その後、手動で調節することができます。設定した情報はタイムバーに表示することができます。 -
Mouse modes
オートメーション、移動、分割、ストレッチなどのマウスによる操作ができるようになります。 -
Video capture
Web カメラやキャプチャボードによる動画キャプチャ機能が使えるようになります。 -
Visuals
ミュージックビデオなどで使える動画の素材集です。普通の背景素材や、アニメーション、アルファブレンド用のマスクなど様々なものが含まれています。 -
Text to speech
音声合成によるテキスト読み上げを使用してオーディオ素材が生成できるようになります。私が購入した英語版の Music Maker でも日本語の読み上げに対応していました。 -
Automation
音量やエフェクトなどのオートメーションが使用できるようになります。 -
Track effects presets
ロボットボイスやエコーなど、オーディオエフェクトのプリセットが 100 個ぐらい追加されます。
More Tracks & Formats
EDM Edition や 80s Edition では使用可能なトラック数が 8 トラックに制限されていますが、この追加機能を購入することでトラック数の上限が解除されます。音楽と動画の編集を同時にする場合、8 トラックの制限はちょっと厳しいので、これを導入しておくのがお勧めです。
-
Unlimited Tracks
トラック数の上限が解除され、無制限にトラックを追加できるようになります。 -
More Formats
MP3、FLAC、AIFF、BMP、JPG 形式に対応します。 -
MP3 Support
MP3 の書き出しに対応します。
EDM Edition や 80s Edition では上記の Creative Suite を購入することで大きく機能が向上しますし、余裕があれば More Tracks & Formats も購入しておけば、曲作りの自由度が高まります。
他にも、ボーカルの音程補正機能 Vocal Tune などを含むオーディオのエフェクト集 Plus FX や、ビンテージコンプやマスタリングツールを含む Premium FX など、様々な追加機能も販売されています。
こういったエフェクトは Creative Suite を購入することで使えるようになる他社製やフリーの VST でも代用することができます。
私はアナログなサウンドが好きなのでテープ・エコーをエミュレートしたディレイプラグイン VintageFx Ecox を購入してみましたが、テープ・エコー特有のディレイ・タイムの操作によるピッチの変化まで再現されていて面白いプラグインでした。
一般的にアナログ系の回路を再現したプラグインって高価なものが多いのですが、MAGIX 製は高品質で低価格ですから気軽に購入できるのでありがたいですね。
その後、アナログ的なサウンドが病みつきになってしまい、コーラスプラグインの VintageFx Corvex とフィルタープラグインの VintageFx Filtox も購入してしまいました。
MAGIX の音、気に入りました。
EDM Edition、80s Edition って何?
私が購入したのは EDM Edition と 80s Edition というエディションですが、本体は Free Edition とまったく同じものです。
特典としてストアの中から好きなソフトウェア音源 (通常、3,800 円ぐらい) を 1 つ、特定のジャンルの中からサウンドプール (通常、2,500 円 ~ 6,000 円ぐらい) を 3 つもらえる権利がついています。
EDM Edition の場合は EDM、ハウス、テクノなどのジャンルの中から、80s Edition の場合は 80 年代を意識したジャンルの中から好きなサウンドプールを 3 つ選択することができます。
同じエディションを 1 つのアカウントに複数登録できません
EDM Edition などはときどきセール価格になっていて安く購入することができるのですが、同じエディションのライセンスを 2 つ購入しても、ソフトウェア音源を 2 つ、サウンドプールを 6 つ貰えるようになるわけではなく、ライセンスの登録時にエラーではじかれてしまいます。
EDM Edition と 80s Edition のように別のエディションであれば問題ありませんが、素材集めのために同じエディションを複数購入しようされる場合はご注意ください。
サウンドプールは高いものから貰いましょう
はじめてストアからサウンドプールを貰うときですが、貰える権利はサウンドプールを取得すると値段に関係なく自動的に 1 つずつ消費されてしまいます。
ストアには数百円で購入できるサウンドプールもいくつかありますから、先にそれらを取得してしまうと、せっかくの権利が無駄に消費されてしまいます。
ときどきセールも開催されていますから、ダウンロード権を使用するかセールを利用するかも考えて、お得な順番に貰うのが良いかと思います。
Music Maker のダメなところ
はじめての人でも楽しく簡単に音楽を作れて、しかも低価格というのが Music Maker のウリですから、本格的な DAW と比較するとどうしても機能面で劣ってしまいますが、ここでは機能的な比較ではなく、Music Maker の仕様上の問題点を記しておきます。
64 ビットの VST に対応していない
通常、DAW で使用するソフトウェア音源やエフェクトは多くのメモリを必要としますが、Music Maker の本体は 32 ビット版しかありませんし、64 ビットの VST にも対応していないのでメモリの使用において 32 ビットの制約が発生します。
また、最近では DAW の 64 ビット化が進んでおり、有名メーカーのプラグインでも 64 ビット版しか配布されていないケースがありますので、この点は注意が必要です。
今後、Music Maker が 64 ビットに対応していくのかどうかはわかりませんが、本格的な音楽制作や、さらには映像制作となると 32 ビット版では不安が残ります。
ほとんどのサウンドプールは商用利用禁止
なかなか悲しい制限事項ですが、ストアで購入したサウンドプールは商用利用が禁止されています。つまり、個人の趣味の範囲でしか使えないということになります。
ホームビデオの BGM を作って知り合いにあげるとか、SoundCloud に曲を公開するぐらいなら問題なさそうですが、YouTube に動画を公開して広告を付けて収益化する、などの使い方は問題ありそうです。
商用利用の場合、MAGIX の素材を販売しているオンラインショップ Producer Planet では、ちょっと値段は高くなりますが、商用ライセンスを購入できるようになっています。
商用利用禁止なのはサウンドプールだけですから、サウンドプールを使わずにソフトウェア音源だけで作るか、サウンドプールを使って作っておいて後から商用利用可能な素材に差し替えるなどの方法は考えられます。
購入した VST が他の DAW では使えない
安くて高品質なソフトウェア音源の String Ensemble や Orchestral Ensemble は VST の形式になっているものの、MAGIX 製以外の DAW では動作しません。(MAGIX 製の DAW であれば、Music Maker 以外でも動作するのかもしれませんが、持っていないので試せません)
この値段でオーケストラ音源が手に入ってラッキー!と思ってウキウキしながら FL Studio に VST を読み込ませてみたら使えなくて非常にがっかりしました。
結局、これらのソフトウェア音源は、Music Maker で WAV 形式で書き出した後に FL Studio で読み込んで使っています。
それから、ヴィンテージエフェクトの VintageFx Ecox、VintageFx Corvex、VintageFx Filtox は、Music Maker のストアではなく Producer Planet のオンラインショップで購入してみたのですが、これら 3 つの VST は FL Studio でも使えています。(でも、なぜか Music Maker からは使えません。謎)
Music Maker の素敵なところ
Music Maker は、難しいことを考えなければ本当に簡単で楽しい音楽制作ソフトです。上記のダメなところを踏まえたうえで、Music Makerって素敵だなぁと思う点をご紹介します。
低価格
まず、これでしょう。本格的な DAW を購入すると数万円かかります。Studio One や Cakewalk など、高品質で無料な DAW もいくつかありますから、これらを利用するのもひとつの手です。
しかしながら、これらの DAW は本格的な DTM 向けに開発されたものですから、使いこなすには大変な労力が必要です。
Music Maker も DAW に分類されますが、その機能は他の DAW と比べて非常にシンプルにまとまっており、初心者でもゲーム感覚で簡単に楽しく音楽を作って遊べる形になっていますから、RPG ツクールのようなツクール系のゲームソフトを購入するような感覚に近いかもしれません。
初心者でもプロの音が出せる
Music Maker は打ち込みメインの DAW とは違って、サウンドプールというオーディオループ素材を並べて作曲するスタイルがメインなので、高級なソフトウェア音源を持っていなくてもプロの音が出ます。
もちろん普通に MIDI を打ち込んでソフトウェア音源で鳴らすこともできますから、ある程度はオリジナリティも出せます。
むしろ、あまりにも音が良すぎて「あなた、作ってないわね?」とツッコミが入りそうなレベルになってしまいますから、ソフトウェア音源を使って適当に打ち込みトラックを混ぜておいたほうが良いかもしれません…。
でも、孫の運動会を撮影したビデオの BGM や、結婚式のスライドショーの BGM などに Music Maker で作った曲を提供しておいて、後で「あれ、私が作ったんですよー」なんて言ったらスゴイ!って言われそうなプロの音質です。
そういった意味では、本格的に DTM を学びたいという人には向いていないとも言えます。
サウンドプールが他の DAW でも使える
アプリケーション内のストアで購入したものは通常 OGG という圧縮された形式で保存されていますが、これは非可逆圧縮ですから WAV 形式と比べると音質が劣化した状態です。
メニューから [Soundpool format] の [Best quality (wav)] を選択することで無圧縮の WAV 形式でダウンロードすることができますので、音質にこだわりのある方は WAV 形式での保存をお勧めします。
ストアで購入したサウンドプールは Producer Planet にログインすれば購入済みの素材として登録されていますので、そちらから WAV 素材をダウンロードしても他の DAW でも利用できます。(もちろん、商用利用禁止のサウンドプールはその規約に従う必要があります)
サポートセンターが親切・丁寧
私は EDM Edition の 2 つめのライセンスが登録できなかったときと、 Producer Planet でプラグインを購入したのにシリアル番号が発行されなかったときに MAGIX のサポートセンターに問い合わせてみたのですが、メールのやり取りは時差があるものの翌日には回答が来ていましたし、私のへたっぴな英語でも親切・丁寧に対応してくれました。
1 つのアカウントに同じエディションを複数登録できないのは仕様だったようで、「注文をキャンセルする?それとも、好きなサウンドプール 3 つと好きなソフトウェア音源 1 つに交換してあげようか?」という回答をいただきました。
なんだか申し訳なく思い、「そんなことをしていただいて良いのでしょうか?」と返信してみたところ、「ノープロブレム、さぁ!クーポンです。Music Maker で音楽を作って楽しんでね!」と、すごい勢いでクーポン券を発行してくれました。
一般的には「仕様です」で終わって、ユーザは泣き寝入りの場面ですから、神対応に感動しました。
Producer Planet で買い物をした際にシリアル番号が発行されなかったのは、システムの不具合だったようで、すぐに手動でシリアル番号を発行してくれて、管理チームと開発チームに通達、システムの修正をしてくれましたので、安心して次のお買い物ができました。
日本のサポートセンターでは、たらい回しにされた挙句、何も解決せずに最後は応答なしという悲しみが多いので、MAGIX のサポートセンターは本当に素晴らしいと思いました。
日本語版を購入した場合、サポートセンターがソースネクストになるのか MAGIX になるのかはわかりませんが、MAGIX の製品はこういう安心感があるので、ソフトにも愛着がわきますね。
なんだかんだで低価格
またそれか、と思われるかもしれません。
実は、Music Maker ってセールで格安になっていることが多いのです。ブラックフライデーやサイバーマンデーはもちろん、クリスマス、バレンタインにハロウィンなどなど、ちょくちょく破格のセールが開催されています。
さらに、Music Maker をインストールしていれば、アプリケーション内のストアで使えるクーポン券がときどき送られてきます。
このクーポン券、500 円 ~ 1,000 円ぐらいのものもありまして、サウンドプールや追加機能を実質 0 円で購入できてしまうこともあります。
EDM Edition や 80s Edition、Hip Hop Edition などは Humble Bundle で格安になっていることもありますので、数百円でソフトウェア音源とサウンドプールをいくつか入手できる機会もあります。
Music Maker で適当に音楽を作ってみた
Music Maker のストアを探索していたところ、J-Pop - Super Kawaii というサウンドプールを発見してしまったのでネタとして購入してみました。
サウンドプールに含まれているのはベース 17 種類、ドラム 59 種類、エフェクト 32 種類、ギター 6 種類、キーボード 1 種類、パッド 3 種類、シーケンス 21 種類、シンセ 30 種類、それから C キーのボーカルが 1 つ (10 個に分かれていますが実質 1 つ) です。
今回は自動作曲機能を使わずにペタペタとサウンドプールを貼り付けて作ってみましたが、これ、誰が作ってもほぼ同じ曲になってしまいますよね。
なんとかオリジナリティを出そうと思い、コード進行をアレンジしまして、KV331 SynthMaster でシンセソロを、フリーソフトの 4Front Piano で後半のピアノを作ってみました。
しかしどうにもオリジナリティが出ないので、そっと Music Maker を閉じて、FL Studio でエンディング前のサビを無理やり転調させてみました。(もはや Music Maker 関係なくなってる)
ボーカルが 1 種類なのでメロディは変更できませんし、「これはイントロ、これはサビで使ってね」と言わんばかりのサウンドプールですから、オリジナリティを出せそうな部分は少なく、これを "作曲" と呼んでも良いのだろうかと不安になったりもしますが、地下アイドルの曲をリミックスするゲームだと思えば大丈夫でした。
もちろん、ほかのサウンドプールと組み合わせることも可能ですから、ロックやメタルなアレンジにしたり、ボーカルを切り刻んでダブステを作ったりして遊ぶのも面白いと思います。
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こんな人は Music Maker がオススメ
-
音楽の知識はないけど、音楽を簡単に作りたい
… 誰でも簡単に楽しく音楽を作れます -
DTM をやっていて、他の DAW でループ素材を使いたい
… WAV 形式も用意されているので普通に使えます -
孫の運動会のビデオに音楽を付けてスゴイ!って言われたい
… きっと喜んでもらえます -
フリーのゲームを作っていて BGM の素材を自分で簡単に作りたい
… サウンドプールの商用ライセンスを購入すれば有料ゲームにも使えます -
英語がイヤじゃない
… 英語版のほうは頻繁にセールをしています
こんな人は Music Maker を買ってはいけない
-
英語のソフトを使いたくない
… ソースネクストから販売されている日本語版もあります -
DTM を本気でやろうと思っている
… Cubase や Logic などの本格的な DAW の購入をご検討ください
-
Music Maker の VST および VSTi を他の DAW で使おうと思っている
… 使えません
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まとめ
私は EDM Edition を購入してから Music Maker の楽しさにハマってしまい、80s Edition を追加で購入、Creative Suite と More Tracks & Formats の追加機能を購入、ソフトウェア音源を購入、サウンドプールをいくつか購入、プラグインエフェクトの Ecox、Corvex、Filtox まで購入してしまいましたので、結果的にはちょっと低価格とは言えなくなってしまいました。
はじめから Plus Edition にするか、ソースネクスト販売の Music Maker 日本語版がセールになるまで待っていたほうが良かったと悲しい気持ちです。
でも、友人に頼まれたスライドショーの作成や、姪っ子のピアノ発表会の動画編集など、軽いイベントごとには、これ一本で音楽から動画まで作れるので非常に重宝しています。
私が FL Sutio を使って本気で作ったものよりも Music Maker の自動作曲機能を使って適当に作ったもののほうがよっぽどクオリティが高いですからね。
- Music Maker は音楽の知識がなくてもゲーム感覚で音楽を作れる
- Music Maker はときどき、びっくりするような価格のセールをしている
- EDM Edition と追加機能を別々に購入するより、Plus Edition 以上にしたほうがお得
- Humble Bundle で格安になっているときに素材目当てで EDM Edition を買うのはアリ
- その場合、EDM Edition を 2 つ、のように同じエディションを複数登録することはできない
- MAGIX のサポートセンターが素晴らしい
この記事を読んで「これ欲しい!」と思われたかたは、ぜひ Music Maker の Free Edition に触れてみてください。初心者でも簡単に音楽を作れる低価格の音楽制作ツール Music Maker を使って楽しく音楽を作って遊びましょう!
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