輸血について

血液型について教えて下さい

血液型とは一般には赤血球の型を指し,赤血球表面の糖鎖(グルコースなどの糖が鎖状に連なったもの)やタンパク質の違いにより決定されます。血液型の種類はABO血液型やRh血液型など36種類(2017年現在)が知られています。この他,白血球や血小板にもHLA,HPAといった特有の血液型が存在し,移植治療などでこれらの適合性が必要となることもあります。

代表的な血液型

ABO血液型
赤血球上などの糖鎖の末端にある糖の違いにより,A,B,AB,Oの4つのタイプに分類されます。日本人ではおよそ10人に4人がA型,3人がO型,2人がB型,1人がAB型ですが,その頻度は人種によって異なります。ABO血液型が他の血液型と異なる特徴は,自分の持っていないABO血液型抗原(A抗原,B抗原)と結合する抗体を生まれつき血漿中に持っていることです。このため,原則として同じABO血液型間でしか輸血することが出来ません。たとえば,A型の人は生まれつき抗B抗体を持っており,B抗原および抗A抗体の存在する血液(B型,AB型,O型)の輸血を受けることは出来ません。また,O型の人は生まれつき抗A抗体と抗B抗体を持っているため,O型の血液(A抗原もB抗原も存在しない)しか輸血を受けることは出来ません。


Rh血液型
Rh血液型にはD,C,c,E,eの5つの代表的な抗原がありますが,一般的にRh血液型といえばD抗原の有無を指し,D抗原を持つ人をRh陽性,持たない人をRh陰性と言います。日本人にはRh陰性の人は非常に少なく,200人に1人程度しかいません。Rh陰性の人がRh陽性の血液を輸血された場合,抗D抗体(Rh陰性の人が持っていないD抗原に対する抗体で輸血副作用や血液型不適合妊娠の原因となる)を作る可能性が非常に高いため,通常Rh陰性の人にはRh陰性の血液しか輸血することはできません。ただし,Rh陽性の人にRh陰性の血液を輸血することは何ら問題ありません。
その他 主な血液型