「おひとりさま」の娯楽として、コロナ禍でも人気が高いソロキャンプ。だが、ネット上では「警察から職務質問された」という投稿もチラホラ。一体どのような理由で職務質問の対象となるのだろうか。

 「ソロキャンプしてたら職質くらった」、「ソロキャンプ中夜中に、わざわざキャンプ場にパトカー入ってきて、話し掛けられた」

 ネット上で職務質問に関する投稿は数多く、動画配信サイトでもユーザーが職務質問されているとみられる様子が投稿されている。中には所持していた刃物を理由に書類送検されたとするものまであった。

 銃刀法では「刃体の長さが6センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない」とあり、違反した場合は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金だが、正当な理由があれば、携帯することは問題ない。

 元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は「キャンプで書類送検されたのであれば、明らかに不必要な数や大きさの刃物を所持していた可能性がある。基本的に職務質問には検挙するためと、警察が警戒していることを一般の人に知らせるという意味があり、キャンプで声を掛ける場合の多くは犯罪を未然に防ぐ狙いがある」と解説する。

 小川氏によれば、キャンプや釣りなど1人で気軽にできるアウトドアは、盗難や女性を狙う犯罪が発生する恐れもあるため、警察が警戒しているのだという。所持品を確認したり、話を聞いたりすることで目的を判断できるといい、「職務質問された場合はきちんと説明すればよい」とも話す。

 NPO法人東京都キャンプ協会理事長で鎌倉女子大学准教授の西島大祐氏は、「国内では勝手にテントを張ってキャンプできる場所はほとんどないので、キャンプできる場所なのか事前に調べる必要がある。また当たり前のことだが、必要のない数の刃物を持っていかず、刃がむき出しにならないようにケースに入れるなど保護するべきだ」と指摘する。

 自由な魅力でもあるソロキャンプだが、節度を守った上で楽しみたい。