あまりに政治利権化しすぎた地球温暖化論議の「不都合な真実」

そろそろ科学的にまっとうな環境政策を
川口 マーン 惠美 プロフィール

政治利権化しすぎたCO2論議

昨年は、オランダ人のGuus Berkhout教授(デルフト大学)が、国連のグテレス総長に宛てて、気候変動による地球の危機など起こっていないということを訴えた公開書簡(9月23日付)を出した。

そこには、「現在の国際政治で広く使われている気候モデルは、その目的のためには不適切なものである。このような未熟なモデルに基づいて、何兆ものお金を無駄にすることは、間違いであり、賢明でない」と記され、多くの科学者が署名している。

https://www.technocracy.news/climate-scientists-write-to-un-there-is-no-climate-emergency/

気候の変動は20世紀の前半(1910~40年)にも起きている。原因はわからない。自然変動だと言われているが、自然変動の原因も、太陽放射、エルニーニョなどいくつもあるからだ。

〔PHOTO〕gettyimages

米ウィスコンシン大学ミルウォーキー大学の気象学のAnastasios Tsonis教授は、ここ100年余りの気候を次のように分けている。

第1期 1880年から1910年まで:寒冷期
第2期 1910年から1943年まで:急激な温暖化
第3期 1943年から1976年まで:緩慢な寒冷化
第4期 1976年から1998年まで:急激な温暖化
第5期 1998年以降:ほぼ停滞

もう少し長期で見ると、15~19世の小さな氷河期にはロンドンのテムズ川がよく氷結したという記録もある。ただ、もっと長期で見ると、2万年前から現在にかけての氷期から間氷期への移行で地球の温度は大幅に上がり、最近の1万年程度は安定しているという。

 

つまり、人間が、「何だかこの頃、毎年暑くなっている」と感じたからといって、地球の温度変化を察知しているなどとは言えない。ましてや、少々CO2を減らしたとて、おそらく地球の温度には影響しないのではないか。