輝きを放ち続ける女優、戸田恵梨香が着こなす冬のニット
ほんのり冷たい風の匂いがしたとき、いつだって恋しくなるのは暖かくて柔らかいニットの肌触り。特にバリエ豊富な今シーズン、どんなアイテムを選んで、
どうやって着こなすのが正解? お気に入りの一枚を見つけて、冬支度を整えましょう!
演じる役柄に共通項は少ないのに、どの作品からも特別な輝きを放つ名女優、戸田恵梨香さん。 何者にもなれるけど何者にも引きずられない、確固たる個性はニット選びにも表れています。
日常を変えるドラマティックなニット
完成度の高いディテールで揺るぎない存在感を放つデザインニット。フリンジ
やさり気ない透け感など、この一枚でモードな華やぎを発揮。
「すっと肌になじんで、肩肘張らずに着られるベーシックなニットが好きです。20代はカッコいい感じのスタイルが好きでしたが、年齢とともにどんどん削ぎ落とされていき服装もシンプルになってきました。いい意味で肩の力が抜けて身軽になれたんだと思います」
ドラマティックな主役級オーラを授けてくれるオーバーサイズニット。起毛素材のニュアンスを深めるグリーンは、ノーブルな印象と凛とした美しさを演出。
「ファッションだけでなく、ライフスタイルでもそう。20代は悶々(もんもん)とした迷いも多かったのですが、30歳になるタイミングで背負っていたものをいったん降ろして、いろいろなものを捨てたんです。そうしたら、いっぱいだった自分の心に空間が生まれて、視野も広がり、違う見方を知ることができた。自分の直感と信念を大切にこれからもひとりの女性として進化し続けたいです」
新作映画『最初の晩餐』では、両親に隠された秘密を知り「家族とは何か」という難題に苦悩する女性を演じる。父を亡くし、通夜の準備を進める家族が、母の作る“家族の味”を通じて、過ぎ去った時間と絆を取り戻す物語だ。
「この映画は、登場人物それぞれの想いがとても強い作品です。複雑な家庭環境のなかで、みんな悩みや葛藤を抱えていて、父が居なくなったことによって、改めてもう一度家族の絆を見直そうとする姿が描かれています。
不器用ながら、素直に、そして真っ直ぐに、”家族の愛”というものをみんな求めている。私が演じた美也子も、いろいろな思いを胸に兄弟や母親と向き合っていますが、これが正しいという答えは最後まで出なかった。家族の在り方に正解はないんですよね」
「この作品を通して、家族というものがよくわからなくなってしまいました。絶対的なものだし、大切で間違いのない存在ではあります。でも、いくら家族でも簡単に糸は切れてしまうんだと思ってしまいました。だからこそ、切れないように向き合い続けなければいけない。諦めないで繋(つな)がり続けることが大切だと感じました」
とだえりか●1988年8月17日生まれ、兵庫県出身。2006年に映画『デスノート』で映画初出演。数多くのドラマに出演するほか、映画やCMでも活躍。’19年度後期のNHK連続テレビ小説「スカーレット」でヒロインを演じる。11月1日から映画『最初の晩餐』が全国公開。
撮影/曽根将樹(PEACE MONKEY)
スタイリング/NIMU(まきうらオフィス)
ヘア&メイク/田崎未来
『最初の晩餐』
11月1日(金)新宿ピカデリーほか全国ロードショー
出演:染谷将太 戸田恵梨香 窪塚洋介 斉藤由貴 永瀬正敏/森七菜 楽駆ほか
監督・脚本・編集:常盤司郎
製作プロダクション:アットムービー 配給:KADOKAWA 宣伝:ミラクルヴォイス
(c)2019「最初の晩餐」製作委員会
公式サイト https://saishonobansan.com