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「ひふみよ」の数え方の続きと歌詞の意味とは?

      2020/07/11


数の数え方にはいろいろなものがありますよね。

「いち、に、さん、よん、・・・」や「ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ、・・・」という数え方が一般的ですが、「ひ、ふ、み、よ・・・」という数え方もありますよね。

今回は「ひふみよ」の数え方の続き、またそれを使った歌詞ついて調べてみました。


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「ひふみよ」の数え方の続きとは?

「いち、に、さん、よん、・・・」という数え方の語源は、3世紀ごろに古代中国から伝わってきた漢語の発音だといわれています。

 

漢語が伝わってくる前は「和語(わご)」や「大和言葉(やまとことば)」と呼ばれる言葉の数え方で「ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ・・・」と数えていたそうで、続きは以下のようになっています。

 

『ひとつ、ふたつ、みつ(みっつ)、よつ(よっつ)、いつつ、むつ(むっつ)、ななつ、やつ(やっつ)、ここのつ、とお(とを)』

 

 

そして「ひふみよ」は「ひとつ、ふたつ~」の数え方を略したものです。

『ひー、ふー、みー、よー、いー(いつ)、むー、なー(なな)、やー、こー、とー』

 

 

漢語が伝わる前の日本では、数字は10または20までしかなかったと考えられ、日本人は11以上の数を認識していなかったとか、11以上の数字を認識していても、せいぜい20までしか数を表現する言葉がなかったといわれています。

漢語が伝わってから11以上の数は、「11=十一」「12=十二」と漢語をそのまま用いることになり、「11=十一=とお あまり ひとつ」という数え方が新たに大和言葉に作られたといわれています。

「ひとつ、ふたつ、みつ・・・」も「ひー、ふー、みー、よー・・・」も11以上の数え方は同じです。

 

11以上の数字は以下のようになります。

11=とお あまり ひとつ

12=とお あまり ふたつ

 

~省略~

 

19=とお あまり ここのつ

20=はた

21=はた あまり ひとつ

22=はた あまり ふたつ

 

~省略~

 

29=はた あまり ここのつ

30=みそ

31=みそ あまり ひとつ

32=みそ あまり ふたつ

 

~省略~

 

39=みそ あまり ここのつ

40=よそ

41=よそ あまり ひとつ

 

~省略~

 

50=いそ

 

~省略~

 

60=むそ

 

~省略~

 

70=ななそ

 

~省略~

 

80=やそ

 

~省略~

 

90=ここのそ

 

~省略~

 

100=もも(ほ)

101=もも あまり ひとつ

111=もも あまり とお あまり ひとつ

 

~省略~

 

200=ふたほ

201=ふたほ あまり ひとつ

 

~省略~

 

300=みほ

 

~省略~

 

400=よほ

 

~省略~

 

500=いほ

 

~省略~

 

600=むほ

 

~省略~

 

700=ななほ

 

~省略~

 

800=やほ

 

~省略~

 

900=ここのほ

 

~省略~

 

1000=ち

2000=ふたち

 

~省略~

 

10000=よろづ

 

 

年齢や年数、日数は数え方が少し異なります。

 

年齢の数え方

1歳=ひとつ

2歳=ふたつ

3歳=みつ(みっつ)

4歳=よつ(よっつ)

5歳=いつつ

6歳=むつ(むっつ)

7歳=ななつ

8歳=やつ(やっつ)

9歳=ここのつ

10歳=とお(とを)

11歳=とお あまり ひとつ

12歳=とお あまり ふたつ

 

~省略~

 

20歳=はたち

21歳=はたち あまり ひとつ

 

~省略~

 

30歳=みそぢ

31歳=みそぢ あまり ひとつ

~省略~

 

40歳=よそぢ

50歳=いそぢ

60歳=むそぢ

70歳=ななそぢ

80歳=やそぢ

90歳=ここのぢ

100歳=ももぢ

101歳=ももぢ あまり ひとつ

110歳=ももぢ あまり とお

115歳=ももぢ あまり とお あまり いつつ

 

 

年数の数え方

1年=ひととせ

2年=ふたとせ

3年=みとせ

4年=よとせ

5年=いつとせ

6年=むとせ

7年=ななとせ

8年=やとせ

9年=ここのとせ

10年=ととせ

11年=とお あまり ひととせ

 

~省略~

 

20年=はたとせ

21年=はたとせ あまり ひととせ

 

~省略~

 

30年=みそとせ

40年=よそとせ

50年=いそとせ

60年=むそとせ

70年=ななそとせ

80年=やそとせ

90年=ここのとせ

100年=ももとせ

101年=ももとせ あまり ひととせ

110年=ももとせ あまり ととせ

200年=ふたももとせ

300年=みつももとせ

400年=よつももとせ

500年=いつももとせ

600年=むつももとせ

700年=ななももとせ

800年=やつももとせ

900年=ここももとせ

1000年=ちとせ

1001年=ちとせ あまり ひととせ

1100年=ちとせ あまり ももとせ

1101年=ちとせ あまり ももとせ あまり ひととせ

 

 

日数の数え方

1日=ついたち、ひとひ、つきたち

2日=ふつか

3日=みか(みっか)

4日=よか(よっか)

5日=いつか

6日=むいか

7日=なぬか(なのか)

8日=やうか(ようか)

9日=ここのか

10日=とおか(とをか)

11日=とおか あまり ひとひ、なかの ついたち

12日=とおか あまり ふつか、なかの ふつか

 

~省略~

 

15日=とおか あまり いつか、なかの いつか、もちのひ

~省略~

 

20日=はつか

21日=はつか あまり ひとひ、あとの ついたち

 

~省略~

 

30日=みそか、つごもり

31日=みそか あまり ひとひ

50日=いそか

100日=ももか

 


「ひふみよ」の歌詞の意味とは?

「ひふみよ」は、「ひふみ祝詞(のりと)」のという歌詞の最初の部分でもあります。

 

祝詞(のりと)とは、神道の祭祀(さいし・感謝や祈りのために神仏および祖先をまつること)で神に対して唱える言葉のことで、「ひふみ祝詞」は47の文字で構成されており、ひとつひとつの文字に言霊(ことだま・言葉に宿ると信じられた霊的な力)が込められているといわれています。

47文字は重複することがなく、最後に「ん」を加えて48文字になることもあります。

 

『ひふみ よいむなや こともちろらね しきる ゆゐつわぬ そを たはめくか うおえ にさ りへて のます あせゑ ほれけ(ん)』

 

「ひふみ祝詞(のりと)」は古くから伝わっているもので、誰がいつごろ作った物なのかは不明です。

 

 

「ひふみ祝詞」は、朝、昼、晩と、一日に3回唱えると良いといわれています。

唱えることで負のエネルギーを払いのけ、パワーを与えてくれると考えられており、神々や神羅万象に感謝することができ、心が安定し、運気がアップするといわれています。

ただ「ひふみよ~」と唱えるのではなく、ひとつひとつの意味を理解して唱えることで、高い効果が期待できるそうですよ。

 

 

ひふみ祝詞の由来は定かではありませんが、昔の日本人の生き方や世界観を表したもので、日本人が大事にしてきたものだといわれています。

 

解釈が様々のようですが、一般的には以下のような意味になります。

 

●「ひふみ よいむなや こともちろらね」

宇宙間の生物、神羅万象(あらゆる現象、宇宙に存在するすべての物)は、恩顧(おんこ・すべてのものに恵みを受けとること)により、生をうけるものである。

我々の日常生活は、すべて日の神、月の神の慈しみによることが、このうえなく大きい。

 

 

●「しきる ゆゐつわぬ そを」

日、月の神は常に、人間の苦しみである死・老・病の苦悩を取り除いてくれるよう考えてくださっている。

 

 

●「たはめくか うおえ にさ」

陸の耕地は豊かに、海の魚は毎日獲物が現れる。

 

 

●「りへて のます」

老若男女問わず、黙々と悦びながら働き、日、月の神と赤子と調和することで、ことごとく餓えることが無くなる。

 

 

●「あせゑ」

朝に家を出て、日を背に受けて汗を流し、夕に帰宅することは、喜びであり楽しみである。

 

 

●「ほれけ(ん)」

常に、日、月の神の出現を祈り、日常生活で神を感じ、感謝しなさい。

 

 


 

 

ひふみ祝詞と同じようなものとして「いろは歌」があります。

「いろは歌」は「ひふみ祝詞」と同じく47文字で作られていて、47文字は重複することがなく、最後に「ん」を加えて48文字になることもあります。

そして、「いろは歌」も数を数える時に用いますよね。

「いろは歌」と「ひふみ祝詞」は、どちらも古くから伝わるもので、誰がいつごろ作った物なのか明確なことがわかっていませんが、これから先も大事に受け継がれていくのでしょうね。

 

関連:「いろはにほへと」の続きと意味とは?作者は誰?覚え方は?

 



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