夫が逮捕されたとき、ふと思いだしたのは、国会の未亡人枠だ。
永岡桂子先生に中川郁子先生に・・・。
「夫が亡くなった理由を突き止めるために、国会(当選)にきた」
と言っていたけど。その後みつけたんだろうか。
自民党の中にいたら、みつかったとしても、きっと口に出せない。
私の生活再建がなぜか順調なのも、政治的な力はやっぱり働いているのが感じられる。
「余計なことをすれば、わかっているんだろうな」
というみえない圧力を感じる。
余計なこととは、たとえば
山本氏の医師免許不正取得を解明するために、公文書開示請求にはじまって、当時の医師免許担当室長さんと局長さんを刑事告発すること、とか。
夫の公判前整理手続きが公開され、愉一本人が証言するよう、あの手この手のロビー活動を展開して、検察組織に挑んでいくとか。
動けばたぶん芋づる式に、いろいろ出てくるから、そこに対応して真相に迫る、とか。
いや~、考えただけで、面白そうだ。元議員、元研究者の血が騒ぐわ~。だけどやらない。
なぜならそれをやったところで、家族四人の幸せが戻ってくるわけじゃないから。永岡先生はいまだ自民党の雑巾がけをしているし、郁子先生にいたっては、つまらん男とやっちまったばっかりに、地元の雑巾がけをやめさせてもらえずにいる。夫の亡霊を追いかけたところで、強大な男組織・利権の前には、無様に踏みつけられるだけである。
なんてことをポロリといったら、慶應の時の先生から
「まだ旦那は生きてるから、おまえは未亡人じゃないよ」
と突っ込まれた。社会的には十分死んでるけどね。
私と子どもの生活が第一
である。永田町では、大久保みよ劇場化していたんだって。
だから河村(健夫)先生に、伝言お願いしました。
「震災後の石巻で自民党支部立ち上げる苦労に比べたら
夫の逮捕なんて、大したことありません」
と。
河村先生は、私が自民党支部長に就任されたときの選対局長であられますが、ぽろりおっしゃったそうですよ。
「男性候補をたてられなかった選挙区に、女性をたてた」
と。おかげさまで、豊田に金子、宮川、郁子さん、ことごとく討ち死にで、(もっとも涙なしには語れないのは、典ちゃんのことだけど)今や自民党の女性議員比率は7%にまで落ち込んでいる。何やってんだか。
だけど私は、自民党には感謝しています。夫の逮捕に動じることなく、生活再建に取り組めるのは、自民党で鍛えられたおかげだし、人脈と知名度のおかげですから。
私と夫の仲が戻ることはないように、私と自民党もないですけどね。私は無理だし、自民党さんのほうも無理でしょ。ただただいい思い出、感謝。それだけ。