低用量ピル(OC:Oral contraceptive)とは
低用量ピル(OC)は卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の2種類の女性ホルモンを主成分とした経口避妊薬で、自費診療となります。
避妊効果以外にも、月経困難症(月経痛)、月経不順や過多月経、月経前症候群(PMS),子宮内膜症等の改善にも効果があります。
2008年には、月経困難症(月経痛)や子宮内膜症の治療を目的とするLEP製剤(Low dose estrogen-progestin)が保険適応となりました。低用量ピルやLEP製剤は、色々な効果が期待でき、女性の悩みを軽減できますが、安全に内服するには、医師の指導のもと正しく内服することが大切です。
副作用について
初めて内服する時は吐き気、頭痛等生理前に似た症状がおこる方がいますが、普通は数日間で慣れてきます。また、少量の不正出血が生じる場合があります。こちらも4日~7日程度で消失します。もちろん、何の症状もでずに内服される方も多いので、ご安心下さい。
稀ではありますがOCの服用によって肝障害、血栓症(血液の塊ができ、血管を塞いでしまう病気)になりやすくなる場合があります。
また、高血圧や片頭痛、喫煙者は血栓症のリスクが上昇するので、OCを内服できない方もいるのでご注意下さい。心療内科で内服加療中の場合は、OCと併用してよいか主治医とご相談して頂く場合があります。
5年未満の内服では変化はないですが、OCの長期の内服で子宮頚がんのリスクが増加したという報告があります。乳がん発症のリスクが高まるわけではありませんが、乳がんの方は内服ができません。乳がんの家族歴のある方は、ない方に比べ乳がんのリスクは高いですが、OC内服でそのリスクが増加するわけではありません。
OC内服によりクラミジア経管炎のリスクが高まるという報告があります。
当院では、安全に内服して頂くために初診時、定期的(1年毎)に検査を行っています。
医師の判断により検査内容、検査時期が異なる場合があります。
慎重に内服する必要がある人
40歳以上、BMI30以上(肥満)、喫煙者、片頭痛(前兆なし)、軽症の高血圧、高脂血症、血栓症の家族歴のある方は慎重に投与しなくてはなりません。
医師と相談の上、OCの内服ができない場合もありますのでご注意下さい。
OCの内服ができない人
45歳以上(当院の場合)、喫煙者(35歳以上で1日15本以上)、片頭痛(前兆あり)、重症高血圧、糖尿病、乳がん等OC内服の禁忌にあてはまる方は、OCを処方できませんので、ご了承下さい。
検査・費用
当院では、安全にOCを内服して頂く為に、初診時検査(肝機能、糖尿病、高脂血症、貧血、凝固+クラミジアチェック)、子宮がん検査、子宮卵巣エコー、乳腺エコーを行っています。
初診時検査はOC内服前の状態を把握する為に行っています。
当院での低用量ピル処方の流れ
- ① 初診 (初診時費用11,000~22,000円程度)
- *問診票・同意書の記入
*血圧測定
*内服前検査
-採血*OCまたはLEP処方
-クラミジア
-子宮頚がん検査 ※1
-子宮卵巣エコー ※1
※1 症状がある場合は、保険適応で検査が可能です。
月経困難症、子宮内膜症の治療目的の方は保険適応となります。 - ② 再診(OCまたはLEPを飲み切る前にお越しください。) (枚数分+再診料550円)
- *血圧測定
*検査結果・内服状況・副作用の有無の確認
*OCまたはLEP処方
※内服開始時は副作用が出やすい時期なので、自費、保険にかかわらず3シート目までは毎月受診をお願いしています。
※自費の低用量ピルは4ヶ月以降、最大6シートまで処方できます。
(返品はできないので、ご注意ください。) - ③ 再診(乳腺エコー検査) (乳腺エコー検査料5,200円、25歳以下は4,500円)
- *内服開始から3ヶ月目までを目安に、乳腺エコーを受けて頂いております。
金曜日(15時以降)、土曜日(9時半から13時まで)、日曜日(月一回、9時半から13時まで)に女性技師が検査を行っています。
乳がんの家族歴のある方は、早めの受診をお願いします。 - ④ 一年に一回の定期検査
- *子宮頸がん検査
*子宮卵巣エコー
*乳腺エコー
*採血
検査料金
初診料(問診・血圧測定含む) | 2,700円 |
再診料 (問診・血圧測定含む) | 550円 |
採血・クラミジアPCR※1 | 5,600円 |
子宮がん検査※2 | 5,500円 |
子宮卵巣エコー※2 | 5,500円 |
乳腺エコー※2 | 5,200円 (25歳以下 4.500円) |
※1 OC内服でクラミジア経管炎のリスクが高まる報告があります。
※2 症状がある場合は、保険が適応できる場合があります。
当院で取り扱っている低用量ピルOC、LEP一覧
自費 (別途再診料550円)
TK(トリキュラー28) | 2,200円 |
AN(アンジュ28) | 2,200円 |
LBF(ラベルフィーユ28) | 2,200円 |
MB(マーベロン28) | 2,600円 |
FAV(ファボワール28) | 2,400円 |
SF(シンフェーズ28) | 2,100円 |
月経困難症、子宮内膜症の治療目的 保険適応(3割負担で再診の場合)
フリウェル※1 | 約1,500円 |
フリウェルULD※1 | 約1,440円 |
ヤーズ | 約2,660円 |
ジェミーナ21錠 | 約2,100円 |
ジェミーナ28錠 | 約2,760円 |
ヤーズフレックス 処方箋にて対応致します。
※1
ルナベルLD,ルナベルULDのジェネリック(後発品)です。
当院のルナベルはAG(オーソライブド・ジェネリック)を扱っています。
新薬メーカーから許可をもらい先発品と原薬、添加物、製法が同一の薬品で、包装が違います。先発品より安価で処方できます。