ヘビドクロ
「ねぇ先生」
「なんだ」
夜中の12時。スネイプ先生の部屋。
本来生徒がいてはいけないはずの時刻と場所(というか入ることが出来ない場所?)に
彼女―アオイ・スオウはいた。
「イレズミって素敵ですね」
「そうか?我輩は素敵だとは思わんが」
「私はそう思いますよ。いつも一緒でロマンチックじゃないですか」
「してみたいと思うのか?」
「思いますね」
「したからと言ってなんの意味もないではないか」
「なんですか。先生だってあるじゃん。ヘビドクロのヤツ」
「…知っていたのか」
「えぇ。いつも先生のことを見ていたいから…」
「見ていたいからなんだ?」
「カメラを幾つか…v」
「なっっ!?」
(我輩としたことが気付かないとは…)
そう思ってスネイプは呻いた。
「先生!大丈夫ですよ。風呂上りだけは見せてないから」
「他はどうした!!」
「冗談冗談」
(本当の所はどうなのか…)
スネイプはアオイの為に自分の思考の2/3を費やしている気がした。
「ところで、話を戻しますけど。先生のお風呂上りを見てたときに「見るな!!」
「黙って聞いてください。シレンシオ!」
そう言ってアオイはスネイプを黙らせた。
スネイプは何か言いたげにアオイを見た。
「それでですね、お風呂上りの先生の美しいお姿を拝んでいたら
先生の左腕にヘビドクロちゃんが…」
「ヘビドクロではないっ!闇の…」
呪文が切れて、必要以上の大声を出してしまい、
闇の印のことも言いそうになったスネイプは口をつぐんだ。
「あー。もう呪文切れちゃったの?我輩も落ちたものだ」
アオイはスネイプの口真似をして言った。
「そうそう、とにかくっ!そのイレズミを見て私もしてみたいなー、と」
「なるほど。ではアオイ。目を瞑りたまえ」
「えっ!そんなっ!私まだ心の準備が…」
「いいから瞑れ」
「先生ったら強引なんだから…」
「うるさい(怒」
「はいはい」
そう言ってアオイは目を瞑った。
その隙にスネイプは、アオイに忘却呪文をかけて
イレズミのことを忘れさせた。
***
「では、今日の授業はここまでだ。それから、ミススオウ。残りたまえ」
みんながガヤガヤ喋りながら教室を出て行った後、
スネイプはアオイにタトゥーシールを渡した。
「なんですか。コレ?」
記憶のないアオイは尋ねた。
「我輩も罪悪感がない訳ではないからn「あぁっ!!これヘビドクロちゃんだぁ☆先生とオソロw」
「なぜ覚えてる…」
「覚えてる?変な言い方じゃないですか?知ってるの方が合ってますよ。
ってか、昨日の夜スネイプ先生ビデオ集が出来上がったんで再生してたんですよ!」
「あぁ、なるほどな…って何を作っているんだお前は!そんな暇あるならOWLの勉強でもしたまえ!」
「いいじゃないですか。お風呂シーンは最高ですよ、ホント。
とにかく、コレ!有難う御座います!感謝感謝!」
そう言って嵐のような少女、アオイ・スオウは去っていった。
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私的には最後の教授のノリツッコミが好きです。
原作の小説じゃ有り得ないですもんね。
自分ワールド作りすぎですねぇ;
2005/1/15 空野スズメ