【速報】球磨川ピーク流量7500トン「ダムあれば豪雨被害軽減」九地整
国土交通省九州地方整備局は25日、熊本県南部を中心とした7月の豪雨災害の際、大規模浸水が発生した同県人吉市付近の球磨川のピーク流量について、河道の流下能力の2倍を超える「毎秒7500トン程度」(速報値)とする検証結果を公表した。建設が中止された「川辺川ダム」が存在した場合、ピーク流量は流下能力の1・3倍程度に抑えられ、洪水を軽減できた可能性があったとしている。
検証結果は同日午後、熊本県庁で国と県、流域自治体が開く豪雨検証委員会で提示する。
検証では、被災地の痕跡調査や上空からの調査で堤防からあふれた水量を割り出し、河道を流れた分と合わせてピーク時にどのくらいの流量があったかを推計した。九地整によると、人吉市付近の球磨川の流下能力は、現状で毎秒3600トンという。
同ダムは九州最大規模の治水ダムとして計画されたが、建設を巡って地元で反対運動が続き、2008年に蒲島郁夫知事が反対を表明、09年に当時の民主党政権が中止を表明した。建設計画自体は廃止されていない。(古川努)