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外れスキルの不遇魔導士、ゴミ紋章が王国軍ではまさかのチート能力扱いだった〜国営パーティーの魔王攻略記〜 作者:たにどおり

第三章【冒険者ギルド研修編】

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第45話 人間は時として狂気に満ちる

 

「ぐっ......クソッ、あの野郎......この僕を撃ちやがって......」


 川原で目を覚ましたクロムは、激痛に悶えながら身を起こそうとしていた。

 非殺傷弾とはいえ、至近距離からくらえばその威力は計り知れない。


 レベルが低ければ死んでいた可能性もあっただろう。


「荷物は......どこだ」


 まずは奪われた武器を取り返し、今からでも体勢を立て直す。

 嫉妬の炎はたぎるほどにクロムを動かし、ドス黒い感情が彼を奮い立たせた。


「僕はまだ、倒れるわけにはいかない......。これぐらいの試練何度だって――――」

「......いいえ、痛みに悶え、それに抗って苦しむのは不幸ですよ」

「ッ!?」


 動かなくなった足を見れば、地面から伸びている真っ黒な手に掴まれていたのだ。


「おっお前......! 何者だ!! 僕に触るんじゃない!!!」

「あなた......見たところ冒険者ですね? これは幸運、ちょうど私も標的に逃げられたばかりでして」


 弓だ、弓さえあればこんなやつすぐにでも追い払える。

 だがクロムの視界のどこにも、自分のアイテムは落ちていなかった。


 それもそのはず、クロムの装備は全て気絶している間に隠されている。

 着の身着のままの状態では、抵抗など不可能だった。


「ぼ、僕をどうするつもりだ......!?」

「君に限らず冒険者なら誰でも良いですが、ある実験の被験体が欲しいのです――――――ご同行願いましょうか」

「嫌だッ! 離せぇッ!!! 僕はオオミナトをあのクソ野郎から取り返さなきゃいけないんだ!」

「オオミナト? あぁ、あなたも彼女を求めていたのですか。それは不幸でしたね......」


 影が広がり、クロムの視界を覆い尽くした。


「ではあなたに彼女の代わりをしてもらいましょう、真に彼女を愛するならば」


 真っ黒なシミだけを残して、上級冒険者クロム・グリーンフィールドはその日――――忽然と姿を消した。



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