「トランプが勝つ、いや負ける」などと予想することに、何の意味があるのか

(写真右から)オバマ政権時代に副大統領を務めたジョー・バイデン氏と、今回米民主党の副大統領候補となったカマラ・ハリス上院議員は12日に揃っての記者会見を行った 写真/時事通信社
「どうなるか?」よりも、「どうするか!」
日本はお盆休みだったが、世界は動いている。そして日本は世界の動きに影響を受ける。
世界の多くの人がドナルド・トランプ大統領の再選は絶望的だろう、次はジョー・バイデンだろうと見做して動いている。日本でも、「今度こそトランプは負けるだろう」などと言い出す人が後を絶たない。
4年前に何が起きたか忘れたのか。
「ヒラリー当選、間違いなし」と言い張って、大はずしだった人が続出した。一方、まぐれ当たりした人々は大はしゃぎだった。今も分析と呼べない願望で「トランプが勝つ!」と煽っている人たちがいる。
どうして、一方に“オールベット”したがるのだろう。「トランプが勝つ、いや負ける」などと予想することに何の意味があるのか。信号待ちをしている人が右足から歩き出すか、あるいは左足か、などと予想するのには意味がない。ところが、それと同じようなことをしたがる人が多い。
そもそも、今はトランプ共和党かバイデン民主党か、二択に絞られているのだ。ならば、それぞれが勝った時、日本はどうするべきかのシミュレーションを行うべきだろう。
トランプが勝った場合は、わかりやすい。現状の方針の徹底だ。中国に対し厳しい態度で臨む。そして、日本に対して防衛努力を求めてくるかもしれない。ただ、トランプは国際社会で孤立しているので、日本を邪険にはできず、強く出てこない可能性もある。