誰かが生理で休んだとき、「お大事に」って口では言ったけれど、
心のどこかでは「生理で休むなんて…」と
思ってしまうことがあったり。
“生理は一人ひとり違う”
頭ではわかっていても、女性同士だからこそ
ついつい自分にあてはめて考えてしまうのが、
リアルだったりする。
けれど、その違いを 受け入れ合うことができれば。
違いを“個性”ととらえることができれば。
今まで見えなかったことに気がつけたり、
そっとフォローしあえたり、
私たちはもっと気持ちよく 助け合えるはずだから。
ロリエは、“kosei-ful”プロジェクトを はじめます。
“まずは、私たちから変わっていこう。”
ロリエの想いに賛同してくれた 花王女性社員たちに
取り組んでもらったのは、 「生理と向き合う30問テスト」。
同じ生理でも、人が違えば、 考え方も、向き合い方も違う。
そんな花王社員一人ひとりの リアルな回答をもとに、
みんなの“生理の個性”を 展示にしました。
※20年3月3日~4月7日実施 社内アンケート結果 n=72
※本展示は個人の生理に対する考え方・向き合い方を掲載したものであり、生理に対する考え方への強要や、生理時の行動を否定・抑制するものではありません。
このデジタル展 「私と彼女の生理の個性展」を見た、
私たち花王女性社員には
こんな気持ちの変化が生まれました。
それは、小さな、でも、確かな変化です。
※20年7月27日~7月31日実施 社内アンケート結果 n=478人
「とても思うようになった、思うようになった、 やや思うようになった」合計
本当はテクノロジーで生理のつらさを和らげることができるはずなのに、生理を語ること自体がタブーにされているせいで、情報が行き渡らず、結果的に苦痛を解決できない。その現実に長年フラストレーションを感じてきました。目が悪ければメガネ、糖尿病になればインスリン注射、EDにはバイアグラ等の治療薬や処置がある。なのに生理の苦痛については、女性特有のものだからあるのが当たり前だし仕方がない、ややもすれば女性が悪いんだと片づけられてしまう。人類の半分は女性であるにもかかわらず、です。男性が生理を疑似体験するマシーンを扱った映像作品《生理マシーン、タカシの場合。》を発表した10年前は、アメリカやヨーロッパでも生理のテーマは今ほどオープンではなく、変人扱いを受けることも。日本でもようやく生理の個性が語られるようになり、うれしい気持ちでいっぱいです。これまで、男性主体のメディアの中で、生理について悩みや不安の声はかき消されてきました。しかし、#MeToo運動やSNSの発達によって、抑え込んでいたモヤモヤがシェアされ、隠されていた女性にとっての重要な情報にアクセスしやすい環境が整いつつあります。バリバリの女性起業家の友人たちが「生理が軽いんだよね」というのを聞くと、自分の生理痛の基準に女性従業員を当てはめないで!と心配になります。私は生理が重いタイプだったので、同じ女性から「甘えてる」って思われてしまうつらさが理解できるので。生理について、今までは個人のストーリーが圧倒的に足りてなかった。だからこそ、たくさんの人に生理のストーリーを語ってほしい。個人のストーリーをシェアして違いを理解し合えば、テクノロジーで解決できることはたくさんあるんです。
寄せては満ち、洗われては返していくそれは憂鬱以外の何ものでもなかった。痛み止めをお守り代わりに握り締め、冷や汗をかきながら得意の「気合」で仕事をやり遂げたあとの爽快感は格別だった。こんなもの。そう思っていた生理が、40代に入ると生真面目なサイクルが荒ぶり始める。明らかに第4コーナーを回り、頼りない蛇行を始めた自分のそれが、初めて愛おしいものに見えた。検索の鬼と化し「正解の平均値」を猛烈に調べた。お願いまだ行かないで。ドバッと噴き出す全身の汗が、焦燥感からではなく身体的なバランスの崩れからだったのは言うまでもない。そんなとき、ある大好きな女性アーティストの講演会に出かけた。作品の話から脱線し、なぜか生理の話になったとき彼女はあっけらかんと言うのだ、「閉経したとき、ああこれで私は自由になれると思った。本当にうれしかった」と。エッと驚いたのと同時に、やっと気づいた。生理に対する考え方は、人の数だけ違うのだと。
たったひとつの「正解」を求めてひとりもがくのではなく、対話を通して考えや経験を共有し、顔だちやスタイルと同じように生理も個性なのだと知れたなら、あの苦悩も少しは和らいだはず。同時に、耐え忍ぶことが美徳と考えて疑わなかった自分が、その価値観を誰かに強いて苦しめたかもしれない過去も顧みた。だから私は、「kosei-ful」の活動に心からの拍手を送りたい。心身の差異や個性を知り、認め合い、自分らしさとして尊重し合うことは、社会の仕組みが刷新されている端境期の今こそ、必要なことだと信じている。
こちらのメッセージはSPUR2020年10月号(8月21日発売)に掲載されたものです